表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/21

Bar-U22

 会社の飲み会があった後、も一つ飲み足りないなと思った太郎さんは飲み屋街をぶらり独り歩いていた。そんな夜の話である。


 飲み屋街はわいわいがやがやと人の声が明るかった。


 インド料理店、中華料理店、イタリア料理・・・・・・。道を挟んだ左右にはそういう店が沢山並んで、あちらこちらの店から人が出たり入ったりしている。

 まあ、今日はそういう高級料理店に入れるほど懐が厚くない。太郎さんはその明るい視界の中の幾分か暗い所だけを探して歩いて行った。

 独りであるし、一、二杯ゆっくり飲むだけの静かなところがいいかな、と思って。

 だから、ぽんっと酔っ払いにぶつかったのだ。




「まえみてあるけよ!」




ろれつの回らぬ声が背後に聞こえて、




「あら、すみません」




と太郎さんが言ったが、もう酔っ払いのおじさんはフラフラ先を歩いていた。気付けば、彼独り、ちょっと横道の静かな場所に迷い込んでいる。ようは突き飛ばされて、横道に入ったわけだ。




カラオケの声が聞こえた。




 建物と建物の間から向こうの明るい様子が見受けられるが、こちらは暗く、静かで遠くカラオケの声が聞こえるようなそんな細道である。



 間あって。太郎さんは、ぱんぱんっとスーツの肩を払って頭を掻いた。



 カラオケの声は老人の歌う演歌であって、キラリと光る目があったらそれは猫である。

 まあ、猫はゴミ箱の影からニャアって飛び出て、走り去っていった。




 カラオケは次の歌。

 太郎さんは独りで首を捻ったわけだ。




 と、先程走っていった猫は奥の方に小さく見えて居て・・・・・・・・・・・・・・・・・・”Bar U22”。

 


 太郎さんは世界で一番はじめにゾンビとなる男であった。で、その太郎さんがそれから数年通い詰めることとなるのがその「Bar U22」だったのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ