Taro is the first zombie in the world 2
――――――退廃したスーフォールズの廃墟の中に二人の男女が居た。
「・・・・・・おい。キャシー」
「なに? グレイ。なんか見つかった?」
「ああ、いや。随分荒れているなって思って」
「そんなの当たり前じゃ無い。もうこの街には生きてる人間は居ないんだから」
二人の男女の間にガラスの割れた窓から風が吹いた。外は小さく騒がしい。
「・・・・・・”ゾンビ”じゃ無いのは、俺たちだけか。本当に」
「ええ、そうよ。だから気を付けてよね。建物の外はまたゾンビ地獄よ」
「ああ。とりあえず、食べ物か銃弾を見つけたら早いとこここを出よう」
「タイムリミットまでにジェイ達が部隊を準備しているエリア1に合流しないとね」
「リミットは167時間だ。残り10キロ」
二人は散策を続けた。しばらくして、
「・・・・・・ねえ、グレイ。バーモントは」
「キャシー」
「え?」
「バーモントのことは心配しちゃいけない。ドクターも居るし、ジェイもずっと側に居る。それよりも俺たちの命の方を心配しろ」
「・・・・・・ああ。うん。ごめん」
「大丈夫さ、バーモントも、俺たちも。絶対に生き残って、一緒に酒でも飲もう」
「ええ・・・そうね」
「ああ、いや、ハハハ。そうは言っても、酒の味なんかもう忘れちまったなあ・・・・・・」
「ホントに。・・・ねえ、私達が最初に会ったあのバー、まだやってるかしら」
「懐かしい話だな。もうあれから1年立つのか・・・・・・」
「・・・・・・あ。グレイ、これ」
「ん?」
キャシーがグレイに渡したのはその廃墟に落ちていた新聞であった。そこに書いてあったのは丁度1年前の日付と、「ゾンビになってしまった男」という記述。
グレイは思った。
・・・・・・この太郎という男からすべての呪いは始まったんだ。
―――Taro is the first zombie in the world 2




