中間
斎藤雀子だ。
医大生でありながら闇医者をやっている。
闇医者をやってる理由は簡単、普通の医者より面白いからだ。
んで、今日もヤクザAとヤクザBの盲腸の手術をやって帰ってきたんだが、クタクタだぁ~。
「ウワァァアン、お姉チャ~ン。」
おぉ?帰ってくるなり最近出来た妹が抱き着いて来やがった。
普段なら愛でまくりの所なんだが、今日は勘弁して欲しいぜぇ。
「どうした?何があった?」
「ウワァァアン!!負けタァ!!」
「負けたぁ?」
なんの話か分からんねぇ、でも多分原因は野郎だな。
「おい!!正!!説明しやがれ!!」
“ダッタタタタ!!”
「ハッ!!報告致します!!」
よしよし、やはり幼い頃から仕込んでおくもんだな、すぐに来やがったぜ。
「なんで鈴が泣いてるんだ?」
「ハッ!!中間テストがあるからと鈴さんがおっしゃったので、私が勉強を教えました。ですが成果が出たにもかかわらず本人が泣き出してしまい、私も困惑している所であります!!」
成果が出たにもかかわらず泣き出した?
「テストは?」
「コチラに!!」
どれどれ、数学34点、科学36点、歴史31点、国語33点、英語30点。
なるほど分かった。
「バカ弟、歯を食いしばれ。」
「サー!!」
“バキィ!!”
私は顔面めり込みパンチを正に叩き込んだ。
「ブフゥ!!ありがとうございます!!それで私はなんで殴られたでありますか!?」
「その喋り方いい加減うぜぇ。なんで30点代で成果が出てんだ?何も出てねぇよ。」
「いや、俺が教えたのは“赤点を取らない秘伝の書”だから。成果バッチリ!!」
「ウワァァアン!!騙されタァ!!」
ふぅ、ようやくワケが分かった。
つまり頼む奴を間違えたってワケだ。
「可哀想に、可哀想に、こんなバカに勉強なんか教わったばっかりに。負けたって事は誰かと点数で争ったワケだ。」
「そうナノ!!屈辱ナノ!!」
おぉ、悔しそうだ、悔しそうだ。良いねぇ、人間ぽくって良い、人形なんかよりずっと良い。
「負けたら勝つまで努力出来るってもんよ。努力は良いよ、努力は美しいからねぇ。」
「ウ、ウン。私頑張ル。そして次は勝ツ!!」
「よし、その意気だよ。」
うんうん♪全く可愛い妹ちゃんだよ。
「昔から『努力に勝る変態無し』って言うもンネ。」
あら間違えて覚えてる♪可愛いわぁ♪
私は可愛い妹に嘘を教えたバカ弟をボコボコにした。




