修復
目映い光が私を包み、私は消滅しました。
短い生涯でした・・・生涯?
私は生きていたのでしょうか?
“ガチャガチャ”
「あれ?ハマんないな?」
「マスター、寸法が合ってないんじゃないですか?」
“ガチャガチャ”
「間違えた?この私がぁ?」
「うふふ、天才だって間違える事はありますよ。」
・・・ん?話し声が聞こえる。
私は・・・目が開けられる?
見覚えのある薄暗く機械だらけの部屋、どうやら、ここは私が産まれたラボの様です。
「おっ、目覚めたかい寝坊さん。」
「おはよう♪零野♪お顔を先に直しておいたから、お喋り出きるわよ♪」
「マスター?それにお姉様?」
私の目の前に、私を作りしマスターこと汐留桜様。それに私より先に産まれた先輩である“舞”様。
この御二人が何故?というより何故私が生きて・・・いえ起動しているのでしょう?
私に四肢は無く、所処が継ぎ接ぎなっていますが、システムは正常に作動しています。
「おぉ、なんで生きてるか分からないって面だな、簡単に説明すると、衛星兵器で死なぬ様に狙い撃ちするスナイパーが居たってこった。命拾いしたなぁ!!あっははは!!」
「マスター、口だけじゃなくて手も動かさないといけませんよ。」
「くっ、舞ちゃんは手厳しいぜぇ。やっぱり内径を間違えたかな?」
“ガチャガチャ”
何故私が無事なのかは理解出来ました。ウエストゲート様は凄まじい腕でございます。
どうしてマスターは私を直しているのでしょうか?私は人間でいう所の罪を犯したというのに・・・。
私は質問します。
「私を壊さないのですか?」
“ガァン!!”
瞬時にマスターに頭を殴られました。私のモニター画面が歪む程の一撃、マスターは“文”だけでなく“武”にも長けているのでしょう。
「痛いわ!!アンタ固いんだから、殴らせるんじゃ無い!!バカ娘がぁ!!親に娘が殺せるかバカ!!」
手を振りながら痛がるマスター、私に対してひどく怒っているようです。
「あらあらマスター、相変わらず口より先に手を出すんですから、でも零野、今のはアナタが悪いんですよ。それじゃあ私は救急箱を取ってきますね♪」
“タッタタタタ!!”
それだけ言い残すと舞御姉様は救急箱を取りに行ってしまいました。
私が悪い?確かに私は罪を犯しましたが、今の質問の何処が悪かったのでしょう?
「その顔だと、まーだ難しい事考えてんな?」
マスターが私の考え見透かしました。驚きであります。
「何故私の考えが?」
「零野よぉ、親ってのは子供の成長が分かるんだよ。アタシの愛娘の秋桜ちゃんなんて日に日に成長してんだぜ、んで、ちょっと遅いけどアンタ成長してる、その成長をアンタに分かりやすいように説明すると、人工表情筋肉の稼働範囲が0・08%上がってる。」
人間のマスターにそんな些細な違いが分かるのでしょうか?
「でもよぉ、アンタの目に見える変化なんて些細なもんだけど、心、そう心はスゲー成長したろうぜ、クックク、子供の成長は面白いぜぇ。」
邪悪な笑顔のマスター。
私もこんな風に・・・いえこんな風には笑いたくありませんが、とにかく笑顔になれるのでしょうか?
“ガチャン!!”
「よし‼・・・ニシシ、やっぱり寸法間違って無かった!!バッチリハマったぜ!!零野!!アンタが直ったら、お前の暴れた所に謝りに行くからな!!」
「・・・了解。」
どうやら私はまだ・・・生きていて良い様です。




