急転
何が起こったんだ?
私はしがない会社員だ。
社蓄として他社との取引をなんとか成立させ、充実感と倦怠感の中、遅い昼飯でも食べようかと町をブラブラしてただけなのに。
どうしてこうなった?
ヤクザの抗争に巻き込まれた?
違う。
テロ?
違う。
「殲滅、撲滅、壊滅。」
電子音の様な声。
機械仕掛けのメイドが、町を火の海にして、そこに立っていた。
機械仕掛けと分かったのは、高速移動、ドリル、ハンマー、チェーンソー、ロケットパンチ、パイルバンカーなど、体に装備した様々な物を見せつける様に使っていたからだ。
恐怖というより、信じられなかった。
爆風で倒れた私は、幸いにも外傷もなく、五体満足。
ほとぼりが冷めるまで、このまま気絶したフリをしていよう。
それにしても、あのメイドは誰かを殺そうとか、何かを破壊しようとか、明確な目的も無く、ただ力のままに暴れている様に私には見えた。
「すげぇな、こりゃ。」
寺島です。ニットさんはオモチャを持った子供様でございます。
自分は安全な所からロボを操作して派手に暴れさせる。確かに少しばかり爽快かもしれませんね。
まぁ、私には理解出来ませんが。
「気に入りましたか。」
「おう!!操作の仕方が分かってきたぜ!!ハッハハ!!ここまで爽快な気分は初めてだぜ!!」
本当に楽しそうてございますね、私がここに居たら邪魔になるでしょうから退散致しましょうか。
「それでは私はコレで、御協力感謝します。」
彼がロボを使って暴れれば、いずれ“ウエストゲート”と相対するでしょう。そうなる事がご主人様望み。
まぁ、私は金にしか興味ありませんがね。




