起動
ご機嫌麗しゅう平民の皆様。
早乙女財閥、御令嬢の早乙女リカでございますわ。
今日は新しいメイドを引き連れて、商店街に“コロッケ”という何だかよく分からない物を買いに来ました。
「はぁはぁ、もうすぐですわ零野、これでお父様が昔食べたとおっしゃっていた“コロッケ”なる物を食せるのですね。」
「落ち着いて下さい御嬢様、涎が垂れておりますよ。」
あらやだ、私とした事がはしたない。でも涎を垂らした私もきっとエレガントなのでしょうね。
“ボタボタ”
「垂れまくりの汚ねぇ姿でございます。御嬢様。」
そう言いながら零野はハンカチーフで私の口を拭います。
・・・それにしてもこの子、汚ねぇ姿ですって。
「零野、アナタ言葉が過ぎるわよ。メイドなのだから私を立てなさい。」
「すいません御嬢様。なにぶん新米メイドなもので、以後この様な事が無い様に心掛けます。」
全く無愛想なメイドだこと・・・まぁ仕方ありませんわね。
そんな私達の目の前に分かりやすいゴロツキ共が現れました。
「早乙女リカだな。早乙女財閥の御令嬢がメイド一人だけ連れてショッピングとは無用心過ぎたな。」
5、6人の男達が私達二人を囲みます。
「あらあら、私に乱暴する気かしら・・・エロ同人みたいに!!」
私がそう言い放つと男達は肩をガクッと落としました。
「御嬢様スベりましたね。」
「零野、私は別にウケは狙って無いのよ。」
それにしても困りましたわ、今日はウエストゲートにも護衛を依頼してませんし。コロッケが早く食べたいのですのに。
「オホン・・・ふざけてられるの今のウチだ。大人しく来てもらおうか。」
はぁ、この殿方達はエロ同人が本気でお好きな様で。
「零野。」
「なんでございましょう。御嬢様。」
「この人達を叩きのめしなさい。くれぐれも死なない程度にね。」
「ラーサ。」
“ゴォオオオオオオ!!”
零野のスカートから煙が、オナラではありませんよ。
「スカートバーニア起動確認、作戦完了予定時間2.3秒、レディ・・・Go。」
“ドォォォン!!”
騒がしい音と共に砂煙を上げながら弾丸の様なスピードで空を飛ぶ零野。
悲鳴は聞こえませんが、バキ!!とかドカ!!とか打撃音が一瞬聞こえてきた気もします、ですがなにせ一瞬、空耳かもしれませんわね。
「任務完了であります。御嬢様。」
「決めポーズでも決めてるのかしら?砂煙で何も見えませんわよ。」
「御嬢様は見る必用はありません。早くお肉屋さんを目指しましょう。」
「全く、暖気運転中なのにハリキリ過ぎよ。自重なさい。」
「以後気を付けます。」
私達は何事も無かったように、お肉屋さんに向かいましたわ。
砂煙が無くなるとゴロツキ達が積まれて山になっていたそうなので、商店街の皆様には大変ご迷惑をお掛けしましたわね。




