相談
「高橋!!お前に恋愛相談だ!!」
唐突に、本当に唐突に斎藤がそんな話をしてきました。高橋です。
「・・・いや、僕は恋愛相談始めた覚えは無いぞ、分かったら僕の視界から消えてくれ。」
「なるほど、死角から攻めろということか。」
この様に斎藤という男はワケの分からない解釈をするので、僕は喋るのが非常に疲れます。
はぁー、今暇だし、話ぐらいは聞いてやるか。
「恋愛相談って、まさかお前じゃないだろうな?」
「まさか!!恋愛より俺は遊びたい盛りだぜ!!恋愛相談があるのはコイツだ!!」
「ど、どうも。」
うぉ!!今まで背景と同化していたモブの人が喋りました!!
「高橋?どうしたんだ?まるで背景と同化していたモブが喋り出して驚いたみたいな顔して?」
斎藤にここまで分かられると気持ち悪い。
モブ・・・もとい眼鏡をかけた男のクラスメートは苦笑します。
「ハハッ、僕って目立ちませんよね、名前も田中彰ってありふれた名前だし。」
「い、いや、ごめん!!僕ってあんまりクラスメートの名前を覚えてなくて。」
そう西口蓬という名前だけで、僕の頭のメモリーはいっぱいなのです♪
「高橋ぃ!!それは駄目だぞ!!クラスメートの名前ぐらいは、ちゃんと覚えないと!!なぁ田口!!」
「た、田中です。」
斎藤のバカは放っておいて、田中君の話を聞きましょう。なんだか久しぶりにマトモな人と話せて僕は嬉しいです。
「田中君、なんで僕に恋愛相談してきたかは分からないんだけど、ワケを聞かせてくれるかな?」
「じ、実は・・・。」
顔を赤くして口ごもる田中君、フッフ、なんか青春してますね彼。非常に好印象です。
「山田!!慌てずゆっくり言えば良いさ!!」
「た、田中です。」
斎藤黙れ。
田中君は深呼吸をして、ゆっくりと僕にこう話してくれた。
「実はとなりのクラスの清水美鈴さんの事を好きになってしまったんだ。」
・・・。
「こ、この間の遠足の時に、ある生徒がゴミをポイ捨てしてたんだけどさ、あとで清水さんはそれを嫌な顔一つせず拾っててさ、それを僕見てたんだけど、あぁ、清水さんって気配りが出来る優しい人だなぁって思って、そしたら最近彼女の事を見かけると自然に目が追っててね・・・ははっ、なんか急にいっぱい話してゴメン、気持ち悪いよね、話した事も無いとなりのクラスの人を好きになるなんて・・・。」
・・・。
「田中君!!」
「ど、どうしたの高橋君。」
戸惑いの田中君ですが、僕は構わず彼の右手を自分の両手でガシッと握りました。
「君の気持ちは痛いほど分かるよ!!是非とも協力させてくれ!!となりのクラスがなんだ!!話した事が無いからってなんだ!!・・・スナイパーだからってなんだ!!」
「ス、スナイパー?」
あっ、ヤバい口が滑った。
「と、とにかく応援させてもらうよ!!」
こうして僕は自分と似た境遇(?)の田中君に協力する事にしました。
「おぉ、なんか盛り上がって来たな、頑張ろうぜ田山に高円寺!!」
田中と高橋だ!!バカ斎藤!!




