第6話「息子の道」
レオは、十八歳になっていた。
学院の生徒として、学んでいる。
「今日の授業、難しかったな」
「レオ、大丈夫?」
「ああ、なんとか」
レオは、父ルークの跡を継ごうと努力していた。
だが、プレッシャーも感じていた。
「お父さんは、すごい人だ」
「世界を救った英雄」
「僕に、同じことができるのか」
「......」
放課後。
レオは、訓練場で剣の練習をしていた。
「はあっ! はあっ!」
「レオ、まだやっているのか」
「お父さん」
ルークが、やってきた。
「休憩も、大事だぞ」
「でも、もっと強くならないと」
「何を焦っている」
「......」
「お父さんみたいに、なりたいんだ」
「世界を守れるくらい、強くなりたい」
「......」
「俺みたいに、か」
「お前は、俺にならなくていい」
「え?」
「お前は、お前の道を歩け」
「俺の真似をする必要はない」
「でも......」
「俺は、転生者だ」
「前世の知識があったから、ここまで来れた」
「お前には、その知識はない」
「でも、別の才能がある」
「別の才能?」
「お前は、人を惹きつける力がある」
「みんなが、お前についてくる」
「それは、俺にはない才能だ」
「そう、かな」
「ああ、そうだ」
「自信を持て」
「お前は、俺とは違う道を歩ける」
「もしかしたら、俺より遠くに行けるかもしれない」
「お父さん......」
「俺の跡を継ぐ必要はない」
「自分の道を、見つけろ」
「......分かった」
「僕、自分の道を探してみる」
「いい返事だ」
数ヶ月後。
レオは、自分の道を見つけた。
「お父さん、お母さん」
「話があるんだ」
「何だ」
「何かしら」
「僕、旅に出たい」
「旅?」
「世界を見て回りたいんだ」
「いろんな人に会って、いろんなことを学びたい」
「......」
「いいわね」
「お母さん......」
「私も、若い頃は旅をしたわ」
「それで、たくさんのことを学んだ」
「お父さんは?」
「......」
「行ってこい」
「本当?」
「ああ。お前が決めたことだ」
「応援する」
「ありがとう、お父さん」
「お母さん」
出発の日。
学院の門前に、多くの人が集まっていた。
「レオ様、いってらっしゃい」
「気をつけてね」
「ありがとう、みんな」
「レオ」
「カイ先生」
「これを、持っていけ」
カイが、お守りを渡した。
「僕が旅をした時、もらったものだ」
「今度は、お前に」
「ありがとうございます」
「リオン先生からも」
「これは......剣?」
「俺の剣だ」
「護身用に、持っていけ」
「ありがとうございます」
ルークが、レオの前に立った。
「レオ」
「お父さん」
「俺からは、言葉を贈る」
「うん」
「困った時は、仲間を頼れ」
「一人で、抱え込むな」
「分かった」
「そして、自分を信じろ」
「お前なら、できる」
「ありがとう、お父さん」
サラが、レオを抱きしめた。
「気をつけてね」
「元気で帰ってきてね」
「うん、お母さん」
「必ず帰ってくるよ」
レオは、旅立った。
振り返って、手を振った。
「行ってきます!」
「「「いってらっしゃい!」」」
レオの姿が、小さくなっていく。
「行ったな」
「ええ」
「大丈夫よ」
「あの子なら」
「ああ、分かっている」
「でも、心配だな」
「親だから、当然よ」
「そうだな」
「俺たちは、待っていよう」
「あいつが、帰ってくる日を」
レオは、自分の道を歩き始めた。
父とは違う、自分だけの道を。
次回予告
レオの旅。
彼は、何を学び、何を見つけるのか。
そして、成長の物語──
第7話「旅の途中」
「僕は、強くなった」
「でも、まだまだ」
成長の旅──




