八十話 倒し方
「はぁ…はぁ…くそ…なんだあの姉妹…」
マーガレットとジャックはケイティ姉妹を倒そうとするが片方倒したらもう片方から新たに再生する、また片方倒せば生き残ってる片方から再生されるの繰り返しで手がつけられなかった。さらに倒していくごとに再生スピードや攻撃スピードが上がっている気がしていた。
(なんとか逃れる事は出来たけど…何か考えないと…)
建物に寄りかかりながらマーガレットはどう倒せばいいのか考える。
(片方を先に倒してその後もう片方を倒す…いや、これでは倒した事がバレてまた再生してしまう……)
ズズズズッ…
「みーつけた!」
「…っ!?」
声の聞こえた方をマーガレットは見ると、そこには建物の壁から上半身だけ出し笑いながらマーガレットを見ているザビーがいた。
「おいおい…まじかよ…」
「へへーん凄いでしょ!私達って影があればどこでも移動出来るんだよー!」
(影があれば…っそうか!)
マーガレットは何か閃き、勢いよく走り出した。ザビーはあれ?と言い首を傾げ、黒い影の中へ消えていく。
そして比較的広い路地に出てジャックとモーガンと再会し手短に話すと路地の真ん中に移動し、背中合わせに立ち銃をしまう。
(マーガレット…本当に信じていいんだな…?)
(ああ、これで出来なかったら酒奢るよ…)
(ふっ…出来なかったら二人共死んでんだろうが…まあいい…やるか)
太陽によって出来た両方の建物の影からケイティ姉妹が現れるがマーガレットとジャックは微動だにしなかった。
「あれー?お姉ちゃん達諦めちゃったのー?」
「ああ、もう降参だ。お前らには敵わないよ…」
「ぷっ…クスクス…そうかーだってーお姉ちゃん!どうする?」
ザビーはマーガレット達の様子を見て笑いながらハンリンへ聞く。
「そうねー…一緒に殺しちゃいましょ?」
「そうだね!お姉ちゃん!」
ザビーとハンリンはマーガレット達に向かって攻撃をしようとするがマーガレット達は小声で数字を数えた。
(3..2..1...!)
ピィー!
ガシャアアン!
マーガレットが口笛を吹くとザビーの後ろの建物の中に隠れていたモーガンは窓ガラスを突き破りザビーの上に落ち、押さえつけた。押さえつけられたザビーは何が起きたかさっぱり分からず必死にもがくが動けなかった。
「お姉ちゃん!…助けて!」
「ザビー!待って…っ!」
ハンリンも混乱しており黒い影を使って移動しようという発想が思い浮かばずそのまま歩み出してしまった。そのせいで目の前に立っていたマーガレットに額に銃を突きつけられてしまい動きを止める。
さらにジャックもモーガンに押さえつけられているザビーに向かって銃を突きつける。
「バーカ」
バンバンッ…!
二人同時に発砲した銃弾はケイティ姉妹の額に命中し二人は倒れた。
だがジャックの撃った銃弾は掠めた程度でザビーは微かに息をしていた。
「まだ生きてんのかよ…まあいい…聞き出せないって思ってたしな…」
マーガレットはザビーの髪を掴み顔を上げさせた。ザビーは涙を流しながらマーガレットのことを見る。
「お姉ちゃん…助けてよ…」
「てめぇの姉さんは死んだよ。いいからさっさとグレッタの居場所を教えろ」
「ふふ…まだ教えなーい。でも、今日は楽しかったからまた今度ねー」
「は…?」
ザビーはニコッと笑うと地面から黒い影が現れ、凄まじい速さでザビーを包み込むと上に乗っかっていたモーガンの腕に絡みつき始め、マーガレットはザビーの髪を離しモーガンの体を掴み引っ張り上げる。
黒い影はザビーを地面へ沈め終えると姿を消し、後ろを振り返るとハンリンの遺体は無くなっていた。
「ちっ…やっぱり同時に倒さないといけないのか…それよりモーガン大丈夫か…?」
「うん…大丈夫だけど…ジャックが…」
くるりと後ろを振り返り、悲しげな顔をしているジャックにマーガレットはなんて声をかければ良いのか考える。
「…悪い…マーガレット…私のせいであいつを倒せなくて…」
「大丈夫だ、誰にだって失敗はある。それに、今じゃあいつらの居場所はさっぱり分からない。とりあえず宿に戻って作戦会議をしよう」
「うん…」
マーガレットはタバコを吸い出し、ジャックの背中をポンっと押して歩かせた。ジャックの隣にモーガンが立ち、会話をしながら宿へ歩き進める。




