七十八話 新体制
「はっ…んっ…ちゅっ…」
真夜中のハーベルグ町にあるどこかの建物の一室。姉妹はベッドの上で交合わせていた。
「ん…ぷはっ…はぁ…はぁ…お姉ちゃんってやっぱキス上手だね…」
「そう…?嬉しい…でも…あなたの乱れた姿を見ると我慢できなくなるの…」
姉は笑顔で言うと妹のスカートに手を入れショーツを脱がそうとする。
「あっ…だめ…お姉ちゃん…まだ…恥ずかしっ…んっ…!」
抵抗しようとする妹を黙らせるかのように唇を奪い、するするとショーツを脱がしていく。口では抵抗していた妹だが脱がせやすくする為、腰を少し浮かせていた。
コンコンッ!
突然ドアのノックがなり姉妹ははぁ…とため息をつくと交合うのをやめた。
「だれー?」
「あっ…あのー…私です…パトリシアです…いっ…今大丈夫ですか…?」
ドアの向こうでは「パトリシア」がおどおどした様子で立っていた。姉は邪魔された事に舌打ちをし、(またあいつか…)と心の中で言った。
「どうしたのー?」
「あの…ぐっ…グレッタさんが…二人に用事があると…」
「わかったー今行くー」
「わっ…わかりましたっ!そっそれでは…!」
(姉妹の声…ドアからずっと漏れててノックするタイミング分かんなかったなぁ…自分じゃないのにすごく恥ずかしかった…うぅ……///)
パトリシアは姉妹達のしていた事を妄想し、恥ずかしさで赤くなった顔を両手で隠しながら早歩きでグレッタの元へ向かっていると人にぶつかってしまった。
「あっ…ごめんな…ひぃっ…!!」
目の前に立っていたのはパトリシアが一番怖くて苦手としているキアラだった。パトリシアの事をまるでゴミを見るかのような目で見る「キアラ」を見てパトリシアは顔を青褪める。
「ちゃんと前見て歩け。妄想女」
「ご…ごめんなさい…」
「またあの姉妹で妄想してたのか?本当キモいなお前…っち…いいからさっさと退けろよ邪魔くせぇな…」
キアラはパトリシアの頭を鷲掴みにしグイッと横にずらしパトリシアを避けさせ、パトリシアを触った手の平を汚れを拭き取るように壁に当てながら歩いて行った。
(うぅ…キアラさんって本当怖いなぁ…。身長かなり高いし力あるし口悪いし…何より目つき悪いからなぁ…はぁ…それに比べて私は…強くもないしいじけてばっかり…うぅ…)
とぼとぼと肩を落としながらパトリシアは廊下を歩いた。
場所は変わり建物内の地下室。
姉妹はドアを開け、グレッタの研究室に入り込んだ。
「おわぁっ!…ってなんだ…あんたらか…ケイティ姉妹…」
「もー!私達にはちゃんとした名前があるの!私はケイティ・ハンリン!妹はケイティ・ザビー!ちゃんと覚えてよー!」
「外見全く一緒なんだから分かんないよ…」
グレッタはケイティ姉妹に指摘された事を聞いてやれやれと言うしか出来なかった。外見が全く一緒の姉妹の名前を当てるのは至難の技だ。
「…それより…あいつらにはちゃんと伝えてくれたかい?」
「うん!でも、聞いてくれそうになかった…」
グレッタはマーガレット達の事を聞きため息をついた。
「そうか…じゃあ、二人で殺してきてよ。成功したらお菓子いっぱいあげるから」
ケイティ達の肩に手をポンと置き、グレッタは言った。ケイティ達は目を輝かせニッコリと笑う。
「本当!?」
「うん、だけど今日は遅いからしっかり寝るんだよ?」
「「わかった!」」
ケイティ達は笑顔で部屋を出ていき、グレッタは机の前の椅子に座るとかけていた眼鏡を机の上に置いた。
(はぁ…目が痛いなぁ…実験も全然してないし退屈すぎんだよなぁ…みんな何もしなくても強いんだもんなぁ…)
「…ククク…キシシシッ!」
グレッタは突然笑い出し、グレッタの部屋の近くを偶然通りかかったパトリシアに聞こえた。
パトリシアは顔を青ざめ、ひぃっと言いながら廊下を早歩きで去っていった。




