七十五話 カルト教団「コーベル・ニアク」
教会の扉を開け、中を偵察するが全く人気がなく不気味な雰囲気が立ち込める。マーガレットはルイスの指定されたこの場所を疑い始めた。
「本当にここで合ってるのか…?」
中をどんどん歩き進めていくと大きな扉を見つけマーガレットは耳を傾ける。すると扉の奥からボソボソと声が聞こえジャックに合図を送る。
「いいか、3、2、1で開けるぞ」
「わかった」
「3...2...1!」
マーガレットはドアノブに手をかけぐっと押すが開かなかった。ジャックはそれを見てクスッと笑いマーガレットは少し恥ずかしかったが一度深呼吸をし扉を思いっきり蹴飛ばして開けた。
中では大勢のフードを被った人達が長椅子に座り分厚い本を眺め、聖書台の前ではシスターの格好をした人物が何かを話していた。異様な光景を見たマーガレットは迷わず銃を手に取る。
「お前が教祖か?」
マーガレットは銃をシスターに向けながら言うが一切反応がなくぶつぶつと話を続けていた。じりじりと距離を詰めていくと突然シスターがボンッと本を閉じマーガレット達を見た。
「悪魔が現れました」
ザザッ!
シスターの一言を聞いたフードを被った人達は一斉に立ち上がり、マーガレット達を見た。
「悪魔を除霊し、追い払いましょう。私達なら出来ます」
「「「神を信じ、魂をコーベル・ニアク様へ!」」」
フードを被った人達はそう言うと一斉にマーガレット達に襲いかかり始めた。
「くそ!邪魔だ!どけっ!」
マーガレットとジャックはフードの人物達をかわしながら聖書台から逃げようとするシスターを追いかける。モーガンは必死にマーガレット達を攻撃してこようとするフードの人物達に噛み付いたりし防御した。
だが数が多すぎるのと、攻撃をしても再び立ち上がる為キリがなかった。
「ちっ!こいつらゾンビかよ!」
「マーガレット!こいつら撃っちゃってもいいんじゃない!?」
「いや!だめだ!こいつらただの人間だろ!?殺すのはあの教祖だけでいい!」
「そうかい!マーガレット!私と背中合わせて目つむりな!」
ジャックはそう言いマーガレットと背中合わせになると赤い球を地面にころっと落とすと赤い煙がボンッと現れマーガレットとジャックはその場から姿を消した。目を開くと聖書台の前に瞬間移動していおりマーガレットは理解出来なかった。
「ジャックっ!?これどうなってんだ!?」
「へへっ!マジシャンを舐めんなって!モーガン!そこはよろしく!」
「わかった!」
聖書台の近くの扉を開けマーガレットとジャックはシスターを追い、モーガンはフードの人物達に向かって犬のように唸り威嚇した。
「グルルル……グアァヴ……」
マーガレットはシスターが部屋に逃げ込んだのを確認し、その部屋へ入り込むと中では逃げ場を無くしたシスターが辺りをキョロキョロし怯えた様子で立っていた。
「さぁ…どうするつもりだ…?」
銃をシスターに突きつけながらマーガレットはじりじりと距離を詰めていくとドンとシスターは壁にぶつかりしゃがみ込む。何も抵抗をしようとせずただ怯えているシスターを見てマーガレットは不思議に感じた。それはジャックも同じだった。
「やめて…殺さないで…」
「聞くが…グレッタの場所を知っているか?」
「知ってるけど…教えない…」
ガスッ!
「いいから言え!」
マーガレットは銃でシスターを殴りつけた。すると背後で先程まで聞こえていたモーガンとフードの人物達が争ってる音が急に静まり返りマーガレットとジャックは更に不思議に感じた。
「言うから…グレッタはこの町にはもういない…脱獄した後…二日後に出て行ったよ…「ハーベルグ」に…そこを拠点にするって言ってた…」
「「ハーベルグ」…どこだそこ…ってジャック…どうした?」
「っ…あ、いや…何でもないよ…」
シスターの発した場所「ハーベルグ」を聞いたジャックは何かを隠している様子だった。
その後、マーガレットとジャックはシスター「コーベルニアク」を連行しルイスの元へ連れて行った。フードの人物達はシスターの能力「洗脳」によって操られており、ファゴリア町で行方不明になっていた住人だった。コーベルニアクはグレッタに町人を実験台に利用するために集めて貰いたいと依頼され、最初は断ったが断るならお前を実験台に使うと脅され、嫌々やる羽目になったらしい。
「マーガレット、ジャックよくやった。大したものじゃないが報酬をやろう」
ドスッと置かれた札束をマーガレットとジャックは受け取り部屋を出た。そして次の目的地である「ハーベルグ」へと車を走らせた。




