二十五話 謎の石の正体
ミーナの表情が真剣になると落ちた石を拾い上げくるりと石の周りを見た。
石の割れ目から見える青い宝石に気付くとはっと声をあげた。
「こっ…これは…!サーニャさん、コップに水を入れてきてください!」
「うっ…うん!」
ミーナのただならぬ感じを察しサーニャは慌ててテーブルの上にあったグラスに水を入れ持ってきた。
「ロゼッタさん、魔方陣書けます?」
「うん、できるよー」
「それじゃあ、この机いっぱいに書いてください。」
ミーナは近くにあった小さめの丸机に魔方陣を書くように言った。ロゼッタはそれに従い机いっぱいに魔法で出したチョークで書いた。魔方陣を書き終えた後ミーナはサーニャに真ん中にグラスを置くよう言いサーニャはよくわからないままグラスを置いた。ロゼッタもあまり分かっていない様子だった。
「ねえ…ロゼッタもしかしてよく分かってない?」
「うーん…私、石に疎くてね…」
小声で話しているとミーナに静かにと促された。
ミーナはグラスの中に石をポチョンと入れた。グラスにギリギリ入る大きさだった。ミーナは隣に置いていたバッグから本を取り出し開く。よしっと言うと小声で魔法を唱えた。
すると石からパチパチッという音が鳴り始めグラスが少しずつだがカタカタと揺れ始めた。ピカッと青い光が光り三人は光の眩しさに思わず目を逸らした。グラスは大きな音を立てながら割れ丸机の上は水浸しになった。
三人は恐る恐る丸机を見ると消えかかった魔方陣の上に青い宝石だけが置いてあった。
するとガチャっとマーガレットがドアを開け部屋に入ってきた。
「ふあぁ…なんだよ今の音は…ってお前ら何やってんの…?」
「あっマーガレット!さっき渡してくれた石ミーナちゃんが解決してくれたよー」
ロゼッタがミーナの肩を優しく叩くとミーナは照れくさそうに笑った。
「おっそうか。でもこの宝石何に使うんだ?」
マーガレットが宝石を拾い上げじっと見た。石の時とは違い少しずしっとくる。マーガレットは何か不思議な感覚を感じた。さっきまで少し眠気があったが今はあまりない。仮眠程度のはずが八時間近く寝た後のようなスッキリとした感覚だ。それに少しだけだが力が湧いてくるような感覚も。
「なあ、ミーナ…だっけか…これって…」
「はい、この宝石は回復と微量の筋力アップの効果があります。しかもその宝石は人を選び選ばれた人にしか効果が出ません。」
ミーナが効果を説明した。マーガレットは自分が今起きている状態が一致している事に驚いた。
「サーニャ、ちょっと持ってみろ」
「あっ、はい。……何も感じませんけど…?」
サーニャは宝石を渡されるが何も感じない。そしてロゼッタにも渡したが同じ反応をされた。やはり自分だけだった。
「その宝石は大切に持ってて下さい。」
「おう…わかった…だけど失くしそうだな…なあミーナ、これって小さく砕いても効果は出るのか?」
「はい、効果は少し弱まりますが…でもどうして?」
「いや、このピアスに付けれるかなって思って…」
マーガレットはピアスを外しミーナに渡した。確かに何か飾りが付いていた跡がある。ミーナはわかったと言ったかのように頷きバッグから杖を取り出し宝石を小さく砕いた。砕いた宝石のかけらを選びピアスに丁度いい形に整形し魔法でピアスとくっつけた。ミーナの手つきは慣れており十分ぐらいで完成した。
マーガレットは完成したピアスを耳につけ直し近くにある小鏡で確認した。
「おぉ…すげぇ…新品みたい…ありがとうな」
ロゼッタとサーニャも思わずおぉーと声が出た。
「すごいね、ミーナちゃん!もしかして家が宝石屋だったりするの?」
サーニャは手つきを見てすぐにわかった。
「はい…そうです。」
ミーナは照れくさそうに言った。
すると二人は意気投合し会話が弾んだ。
それを見てロゼッタはクスッと笑う。
「よかった…笑顔になって」
ロゼッタは小声で言う。マーガレットはその言葉が聞こえたのかそうか…と呟き安心した。




