十六話 アレゲニー町の宿
マーガレットは裏の方へ行った。
「すまんなぁ…あんなやつで…」
大柄の男は申し訳なさそうに言った。
「いえ…慣れてますんで…隣にいる魔法使いも似たようなものなんで…」
サーニャはあきれた様子でロゼッタをチラ見した。
ロゼッタは頭に?を浮かばせなんの事?という表情をした。
「なんか言ったか親父?」
大柄の男の後ろに着替えを済ませたマーガレットがいた。
「おっ…お前早いな。それじゃ後は頼んだよ。」
「うっせ…ほら、二人共ついてこい。」
サーニャは大柄の男に一礼をし、ロゼッタはまたねーっと手を振った。
そして二人はマーガレットの後をついていった。
「マーガレットさん…聞きたい事あるんですけど…」
「あ?何?」
サーニャは気になったので聞いてみる事にした。
「この町の宿ってそんなにも酷いんですか?」
マーガレットはポケットからタバコを取り出し吸い始めた。
「宿?ああひでぇさ。値段の割にボロいし汚ねぇ、出される飯はゴミと同じさ。一番ひでぇところだと一泊15万払って飯抜き、そして雨降ったら雨漏りし放題だ。それで経営成り立ってるのが逆に尊敬するわ」
サーニャとロゼッタは話を聞いてうわぁ…と思った。
たしかに町人が宿を勧めない理由がわかる。
「それで、今度はこっちが質問するけど。あんたら魔法使いなのか?」
「ううん。私だけが魔法使いでサーニャは見習いだよ〜」
ロゼッタは何故かドヤ顔しながら言った。
マーガレットは表情一つ変えずふーんと言った。
「お前、サーニャ…だっけか…」
「あっはい」
マーガレットはサーニャに近づき肩をポンと叩くとタバコの煙をサーニャにかからないようにはぁーっと息を吐いた。
「お前…大変なんだな…色々と…」
マーガレットは苦笑いをしながら言った。
そして歩いて20分程経ちマーガレットが足を止めた。
「ここだ」
小さな一軒家の前に着いた。




