十五話 マーガレット
「アレゲニー町…ていうんだ…ここ…」
ロゼッタは案内板を見ながら言った。
するとサーニャの指輪が反応した。
この町に魔導書があるという事だ。
「ロゼッタ、魔導書あるみたいだけど…さっき地図には何も出てこなかったよね?」
「うん…ていう事はさっきまで誰かが持ってたって事か…」
ロゼッタはそう言うと地図を広げ魔導書の位置を確認した。
近くに赤く印が付いている場所がある。
二人はそこに向かって歩いてみる事にした。
その場所は意外と近く歩いて10分もなかった。
「ねぇ…サーニャ…本当にここなのかな…?」
「うーん…どうだろう…」
二人は目の前の建物を見て唖然とした。
町工場だ。明らかに魔導書がありそうな感じはない。
だが地図はここを示していた。
すると近くにいた大柄の男に声をかけられた。
「おい、お嬢さん達こんなところで何してんだい?」
「いやー…こういった本落ちてなかったですかねー…」
サーニャはそう言いロゼッタは大柄の男に魔導書を見せた。
大柄の男は少し考えた後ないか思い出したかのような顔をした。
「あっあいつそういえば…待ってな…今呼ぶから」
「ありがとうございます」
サーニャは軽く頭を下げた。
「おーい!マーガレットぉ!客人だぁ!」
大柄の男は大きな声で呼んだ。
「んだようるっせぇなぁ!?てめぇみてぇに耳悪くねぇからでけぇ声で…ってこいつら誰?」
(...え?)
サーニャは聞いた名前と真逆の女性が出てきてさらに唖然とした。
つなぎ姿で油まみれ、髪の毛は長めだが束ねてある。
そして口と目つきが悪い。
「だから客人だって、朝これと似たようなの拾わなかったか?」
大柄の男は魔導書を指差す。
マーガレットはあーこれかという反応をした。
「ちっ…ちょっと待ってな…」
マーガレットはそう言うと裏の方へ行った。
「ところでよ、お嬢さん達旅人だろ?宿とかあるのか?」
「まだ決まってないですけど…いいところあります?」
ロゼッタは大柄の男にそう言うと大柄の男は首を横に振った。
「やめとけ、この町の宿屋はどこも最悪さ…あっそうだ。」
するとマーガレットが裏から魔導書を持ち出てきた。
「これか?」
「はい、ありがとうございます」
マーガレットはサーニャに魔導書を渡した。
「そうだマーガレット、こいつら旅人で宿探してるんだってよ。だからお前の家に泊めてやれ。」
「はあぁ!?」
マーガレットは大柄の男の言葉に驚いた。
「なんでうちなんだよ!どっか宿教えてやればいいだろうが!」
「なんでってお前…ここの宿の酷さ分かるだろ?」
「そりゃあ…分かるけどよ…」
サーニャは思った。ここの町の宿はそんなに酷いのか?町人が言うほどだからよっぽどなんだろうと。
「だからって…てなんだよ…」
サーニャとロゼッタはマーガレットの事をジーッと見た。
「…っわかったよ!親父!今日はもうあがるからな!」
これでサーニャとロゼッタの宿が決まった。




