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転生悪役令嬢の筋肉無双  作者: 無印のカレー
精霊開放 エレメンタルリリース

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155/166

154話 予習はしっかりする方

戦闘は、始まる。


風精霊に統べられし空中庭園アルヴェインの武装群が、天の理をもって一斉に牙を剥いた。



最初に来たのは400アルヴ級・魔導加速砲。


光が走り、遅れて爆ぜる。

裁きのように直線上にあった雲が消え、気圧が崩壊し、衝撃だけが世界を叩く。


続く長射程魔術砲。


天が一点に怒りを集め、罰として叩き落とす一撃

上空遥か、視認できない位置から結果のみが空より降る。

着弾と同時に、空間が歪み、熱と圧力が一点に凝縮されて解放される。


さらに対空迎撃陣。


それは天が張り巡らせた結界

展開された瞬間、無数の光条が網となり、進路を封じ、逃げ場を削り取る。

近づくほどに密度が上がる、回避は許されない通過を拒絶する構造そのもの。



迎撃手段としてはこんなところか。

例の如く嵐による空域制御の押し合いは始まっているが、まだ小手調べといったところだ。


対して100mの全長を持つ竜王の軌道はゆるぎない。

嵐が世界を塗り替えるならば、竜はその上を貫くように。


「焦るな。

まだ距離はある。

当たることはない!!

このまま、抜けるぞ!!!」


ラティアの通信魔術。


やがて弾幕を抜ける




竜王のブレス。


竜王が息を吸うその一動作で、空が沈み、周囲の気流が引き寄せられ、嵐すら一瞬、呼吸を止めた。


そして吐き出される黒き奔流。

ただ“在るものを退ける”という、純粋な力が一気にアルヴェインへの道が開く。


だが、ブレスそのものは結界に阻まれていた。

それでも構わない。

道は、すでにできている。


「散開せよ!!!」


ラティアの号令と同時に、竜王の背から各種族の混成部隊が散開する。

飛翔魔術を扱えるエルフが各種族を抱える形になる。


人間部隊。

魔術による精密射撃や弾幕担当


獣人部隊

翼は持たないが、それでも空を蹴る者たちで構成。


ドワーフ

攻撃力特化。


全て囮だ。

派手に、強引に空を荒らし、その裏で別働の突入部隊が静かに進む。

風精霊へと至る、本命の一手。


囮役は派手に目を引く必要がある。




──さて次。


クラリッサは、マリアの重力制御に引かれるようにして、弾幕と嵐が交錯している中をふわりと宙を滑る。


落ちるでも飛ぶでもない軌道で、そのまま三百メートル級プロメテウスブレイクの肩へと、音もなく着地する。

華麗に到着して裾を払うと、何事もなかったかのようにしゃがみ込んだ。

そそくさと準備するためだ。


「リーシャ。準備はいい?」


『クラリッサさん。

本当にやるの?』


「まーね。

ちょっと裏技だけどね。

あいにく、なぜか昔からヘイト取るのは得意なのよ」


『だよね!

クラリッサさん。それ自覚してるんだね!!』


声が直接響く。

それは雷魔術を用いたリーシャの通信魔術。


リーシャは天才だ。

一度見た魔術を会得できる

以前にラティアからの雷を用いた通信魔術を体験した時にコピーしていた。


さらに術式を発展。


──視界共有。


──さらに機体制御権譲渡。

リーシャとクラリッサの世界が、重なる。


(そんで私の制御でマルチロック。)


クラリッサがペロリと舌をなめる。


プロメテウスブレイクの肩部ユニットが展開し、無数のミサイルが、空を埋めるように放たれた。




無数のミサイルが、空を裂いて拡散する。


それぞれが異なる軌道を取り、弾幕の隙間へと潜り込み、迎撃の網を食い破るように散っていく。

やがて光と衝撃が重なり合い、構築されていた迎撃陣の一部が明確に削れた。

だが削れただけだ。


──まあ、これで終わるとは思ってないけど。

(それでも少しは削れた。アルヴェルンの結界には若干ではあるがダメージ。)


「弾丸はまだまだある!!

さあ。シトリー!!

補充しなさい!!」


『指図するな!!

クラリッサ!!』


リーシャが通信域をシトリーまでつないでいる。

シトリーの怒声が、雷の回線を伝って叩きつけられた。


プロメテウスブレイクの発射口が再度開く。

空間が歪む転移陣。


空だったはずの発射口に、ミサイルが突如現れ、装填が完了。

そしてすぐさま≪全弾発射フルバースト≫。


途切れない射撃。


──仕組みは簡単。


(ミサイルの発射口に、直接転移陣をつなき、ミサイルを用意する。

ミサイル自体はエルフの郷に置いてある。

今はせっせとエルフの里に用意した転移陣に、エルフ達がミサイルを置いているはずだ。)


よって残弾は無限。


ラティアに言ってミサイルは用意させた。

といっても、火薬ではなく、魔術的に誘導性能と爆発機能を持たせた模造品だ。

現在進行形で作成がつづいている。


ミサイルに魔力はほぼ使わない、

なぜなら発射するだけだからだ。


リーシャは命中ステータスに難がある。

そこはクラリッサの遠隔操作でカバーする。


(当てるのは私。

命中エンチャントモリモリで、適当に撃っても当たる。)


リーシャの視界と重なり、クラリッサの指が、わずかに動く。


それだけで放たれたすべての弾頭が、意思を持ったかのように軌道を変えた。



そして──来る。


風精霊からの侵入。

ハッキング。

プロメテウスブレイクへの乗っ取り攻撃。


見えないはずの回路に、風が入り込み、演算層へ干渉。

システムエラー。

警告が、発生しかける。


だが。


「遅い」


その瞬間、機体が応じた。

侵入経路を特定し回線を遮断。

逆流。


それは一瞬で鎮圧。

侵入は成立していた。だが、これを水精霊の魔力を用いて封じる。


──計算通り!!


(風精霊と水精霊は同格!!

よって風の侵入に対して、水で流れを固定・減衰・閉じ込める術式をあらかじめリーシャに組んでもらった。

今のプロメテウスブレイクは。魔力でみれば巨大な水槽みたいなものだ。

風の影響は最小限にすむ!!)


「ハッキングを含めて事前に風精霊の手札は全て体験済み!!

同じ手が通じるとは思わないことね!!

どうよ!!

この完璧な布陣!!

おほほほ!!

食い破れるなら破ってみなさいよ!!


せいぜい囮にリソースを割きなさい!!!

まだまだ悪あがきは用意してるんだから!!!

こっちは,悪あがきだけで生き抜いてきたのよ!!」

ファッ〇ユー!!!!」


隣で結界は展開しながらマリアは思った。


すごくイキイキしている。

お嬢様。



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