149話 立ち上がる者たち
「ともかく説明するぞ。
アルヴェインは時速0.1kmほどの緩やかな速度で上昇。
つまり10時間で1㎞。
今は高度2.4㎞程じゃ。
10~15㎞程で精霊の変異が第三段階に達し、対流圏の風の流れを通じて、幼精霊を拡散させるために必要な設備を残して、アルヴェインを大地に落とす。」
クラリッサは再度空を見上げる。
──遠っ!!!!
(デカすぎて近くみえるけど遠い!!!)
「とにかく一回寝るから。
ついたら起こして。」
「う、うむ。」
「いつかの逆ね。
背中借りるわ……
すぴー……」
もう寝ている。
アルヴェインの全長40㎞は、あまりに大きい
現状高度2.4㎞だとして、そこまで見え方が変わったようには見えない。
空を覆う程に大きいが、晴れ渡る空に加え、それは美しい光景ですらあった。
クラリッサは、エルフの森の仮眠施設のそこで起きるなり、状況確認をはじめる。
「タイムリミットまではあと3日ね。
なら準備に2日。
アルヴェインの攻略に1日ってとこからしら。」
「じゃろうな。
状況によっては、もっと早くこなさねばならぬかもしれぬ。」
「さっさとこなさないとね。
私のハイエルフマッチョ化計画に差し支えるから。」
「う、うむ。」
ラティアは首をかしげる。
なにそれ。
そこからはそれが見えていた。
奪還計画に要。
プロメテウスブレイク。
跪ずくようにシステムを落としていも、その図体はかなりでかい。
あの激戦でも大きなダメージは負っていない。
まだ使える
燃料を補給しさえすれば
先の戦いでは最強の活躍を見せた。
動かすには精霊の力がいる。
すなわちリーシャと水精霊の力がいる事を意味している。
──でも問題そこじゃない。
(戦いの終わりぎわ、
その時に風精霊からハッキングをうけていたってラティアは言ってた。
運用するならなんとかしないとならない。
現状対策が全く思い浮かばないけど!!)
クラリッサは、おもむろに腕立て伏せを始める。
ふん。ふん。ふん。ふん!!
「……」
「なぜ、突然腕立て伏せって顔してるわよね。ラティア。
見ずともわかるわ。
ふん!!ふん!!ふん!!」
「うむ。」
「アイディアは、筋繊維を破壊した先に落ちている事がよくあるのよ!」
へー。
全く浮かばなかったので、アルヴェイン及びプロメテウスブレイクの仕様書を,見せてもらう。
やがて。
「まあ、これなら行けるかな……
いや、逆にこれしかないのか……」
そのページをクラリッサは示した。
「行けるかもしれぬ……
か細い、本当にか細い道じゃが確かに成立する。」
「そ。よかったわ。
腕立て伏せした甲斐があったってものよ。
多分関係ないけど!!!」
「じゃが……それを行うには精霊と接触し、交渉する事が必要。
今は風精霊は、近づく者を全て攻撃する状態なっているはずじゃ。
子を守る母のように。」
「それについては簡単よ。」
「そうは思えんが……」
「アイビスオメガを最大出力でぶちこんで、弱ってる隙に言う事聞かせる。」
「……突然に雑になるのう。お主……」
「好き放題やってくれちゃって……
思い知らせてやるんだから……
ふふふふ……」
精霊循環の仕組みとして、アルヴェインの設備の一つである排出装置を利用していた。
風精霊は、対流圏の風の流れを活用し、この排出装置を活用した仕組みそのものを進化させようとしている。
これをさらに進化させ、軌道エレベーターシステムを利用して、宇宙から対流圏にアクセスする。
あとはアルヴェインを“分解前提構造”にして
外殻 は、地上へ資源として投下。
コアは 最後まで残して循環制御。
徐々に分解すればよい。
そのやり方ならば、アルヴェインが解体される時間は、成長してきた同様の時間を必要となる。
分解にかかる時間は概算で1万年。
全ての問題は解決する。




