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転生悪役令嬢の筋肉無双  作者: 無印のカレー
エルフ領

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127話 空を堕とす

空中で乾いた衝突音が響き、オービットの赤い光の編隊が一瞬だけ乱れる。


クラリッサは投石をした。


それはただの質量いして、ただの原始的な運動エネルギー。

にも拘わらず、それは投げるという行為の範囲を逸脱しており、射出されて岩の姿が消えていた。


ドゴオ!!!!


岩は弾丸のように、宙を浮遊する鋼鉄の天使に的確に直撃した。




態勢を崩しながらもIBISシリーズのセンサーが反応する。


岩陰。

熱源三。


――脅威判定。

優先度更新。


――次の瞬間。残像だけが元の位置に残り、赤い光が遅れてそこをなぞる。


瞬きする間にクラリッサ達の背後へ。


全オービット再配置、包囲完了。



ラティアは叫んだ。


「機動力をあげよった!!

チャフを再散布する!

何とか凌げ!!」


「余裕!!

ブースター出力増加。

翼状ユニット角度再調整って感じね!!


リーシャの魔法障壁が展開。

ラティアの銀の粒子が空間に広がり、クラリッサは地を蹴る。



オービットに引き続きチャージビーム。


クラリッサは、リーシャを抱えて横に飛ぶことでチャージビームを対処。

範囲が広い。


──また新しい攻撃パターン!



誘導レーザーが頬をかすめた。


宙。

オービットの配置が、クラリッサの進行を塞ぐように整い始めている。


ラティアのチャフにより先ほどまで逸れていた軌道が、今は迷いなくクラリッサへ収束。

障壁が一枚、割れる。


再度胸部砲門解放。

エネルギー充電し、収束された赤い光が大地を砕いた。



(どんだけ武装積んでんのよ!!!

リーシャの魔法障壁で防ぐにしても限度がある!

ジリ貧よ!!

このままじゃ!?)


「それにさっきより速い……?

速度は同じ……私の回避パターンを学習してるの!?

めんどくさ!!」


――近接戦闘プロトコル、起動。


面制圧型圧縮衝撃波《ブレードによる遠隔斬撃》


IBISの刃が振り下ろされて、そこから斬撃に特化した衝撃波が舞った。




刃が通過した“後”に、衝撃が発生する斬撃。


刃の軌道に沿って、空気そのものが押し潰され、

見えない楔となって前方へ叩きつけられる。


「攻撃の引き出し多すぎなんだけど!!

また新しいの出てきた!!!」


ちらりと脇を見る。

ラティアが物陰で何かしている。

リーシャが、クラリッサの背中にしがみついて必死に叫ぶ。


「クラリッサさん!?

どうするの!?このままじゃ!!」


「ラティアがなんかやってる。

彼女が何とかすることに賭けましょう!!

幸いこいつは、私を脅威認定してる!

まずはこのまま押し返すわ!!」


「どうするの!?」


「決まってる!

誰に喧嘩をふっかけたか教えてあげるのよ!!

リーシャ準備して!!

あのクソ機械がビームの飽和攻撃なら、こっちは洞窟を水没させてやる!!

好き放題はさせない!!」


「……いいの!?」


「やっちゃって!!!」


リーシャの水魔法。


──リーシャは今回の探索で、幾度となく魔術行使を失敗した。

──それは、下手に出力を制御するからかえって扱いづらくなっていただけだ。


(水精霊の力は桁違い。

堰き止められた大河を、細い水路に流し込むようなもの。

精霊の力は本来は“借りる”ものだ。

だがリーシャは、それを“そのまま通す”。)


「なんじゃと……」


ラティアは思わず声を漏らす。

ハイエルフをして、それは異常だ。


海が生まれる。



濁流が洞窟の空間を埋め尽くし、一気に押し流す質量となる。

海が召喚された。


「流れの主よ、深きものよ。

さあ、来て」


海が落ちてくるように、空間内を水で満たして一気に環境を更新する。



――優先度、更新。


IBISシリーズの背部装甲と迫り出した肩の背部ユニットが展開する。


臨界加速オーバロードブースト


コアに内蔵されたのエネルギーをオーバロードさせ、劣悪な燃費と引き換えに驚異的な出力を叩き出す。


――閃光。


赤い光が、機体の輪郭をなぞる。

高出力ブースターが水を焼き、弾き、蒸発させる。


白い泡が爆ぜ、周囲が一瞬だけ空洞化する。

その中を鋼鉄の天使が突き抜ける。


クラリッサは笑う。


「へえ……あんな奥の手が。」


(だけど奥の手を出さざるを得なかったともとれる。

理不尽で悪いが、リーシャの攻撃は、これが一手目だ。)


むしろ一手目ですらない。





水の障壁。


先ほどまでのリーシャとは格が違う。

一切、IBISシリーズの攻撃を通していない。


水精霊が顕現している。


リーシャの瞳の色が青く変じ、可視化された魔力が逆巻いた滝のように溢れ出す。


「水精霊ちゃん。やっちゃって。」


「任せるの。」


リーシャの水レーザー。

奔流がそのまま収束したような圧縮した一撃。


勢い、量ともに今までの比ではない。


直撃。

IBISシリーズの姿勢が、わずかに崩れる。


センサー補正。

姿勢制御、再計算。


「遅い。

回り込む気ね。

させるわけないでしょ。」


IBISシリーズの離陸の瞬間を捉える。

クラリッサは捕まえていた。


「動けないでしょ。」


ブースターをふかすが、一切、持ち上がらない。




──推力再配分。

失敗。

排除行動、選択。


IBISシリーズが銃口をクラリッサに向く。


「させない。

それはダメ。」


リーシャが手を振り、水が収束する。

リーシャが無数の水のレーザーで、再度アイビスシリーズの体勢を崩す。





「よくやったお主ら。

詰みじゃ。


──穿て。

雷撃神槍グングニル。」



雷の矢が、IBISシリーズを貫いた。

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