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特別なスライム

*遅くなりましたが何とか今年最後の更新ができました。


*予約投稿にしてから手直しするつもりが、誤爆してました。投稿時間直後に読んでいる方は少し内容が変わってるかも。というか変わってます。あと大量にあった誤字や変な表現がそこそこ減っているはずです。二度手間をさせてしまい本当に申し訳ありません。現在もちょこちょこ手直ししています。本来は16時投稿の予定だったのでその時間に読んでくれたほうがいいかもしれません。

ヨースケは眠ってしまったげるるんと別れた後は、いつものように鑑定眼を駆使して山菜類を採取しながら帰る事にしたのだが、これが思った以上にすぐ一杯になった。やはり普段歩かない所はまだ沢山の山の幸があるようである。

一応採りすぎて食料資源が枯渇しない様に気を使いながら採取しているが、そろそろ農業をするかしないかについてきちんと決めてしまわなければならないかもしれない。この世界のこの島がどんなスパンで季節の推移が起こっているのかさえわかっていないのだ、食料の備蓄はちゃんと計画的しておきたいのである。



そんなヨースケの後ろの方で、「なんとかしなければ……。」とか「存在意義が……。」とモジョモがずっとごにょごにょ言っていた。つつくとめんどくさい事になりそうなのでヨースケも夕食の時間ぐらいまでほっておく事にした。



家について倉庫整理を始める頃にはいつものように夕立が降り出した。そしてヨースケは、今日もスライムの粘液を持って帰ってくる事を忘れている事に気付き凹んだ。


今日採った山菜類や山芋モドキに冷凍していたボルパラ・クラブの身を茹でてさらにルンガ粟を加えて煮込んだシチューを作った。やはり少し味が薄い。優秀な出汁の元が欲しい。

海岸線や周囲の海の地形や植生はまだ全て把握していないので、いい加減昆布みたいな海藻類を探してみてもいいのかもしれない。ただ地球で昆布は北の方で取れる海の幸だった。果たして地球で言う熱帯地方っぽい気候のこの島の近海にあるのだろうか……。


スープができ上がるとヨースケは晩御飯を食べながら、黙り込んでいるモジョモに今後について相談する事にした。


「なあ、今後どうしたらいいか何か意見はあるか?」


「……別に、ないわよ。」


どうも機嫌は良くないようである。「まさか幽霊にアノ日はないよね……?」と実に馬鹿らしい考えがヨースケの頭に思い浮かんだが、「普段何も食べてないしトイレにも行かないのだからそんな事があり得るわけない。」という事にすぐに思い至る。


新事実、モジョモはトイレに行かない。


正に昭和のアイドルである。まあ顔は通用しそうだな。


ヨースケはそんな馬鹿げた考えはすぐに脇においた。

結局モジョモは何の意見もないようなので、自分の展望を語っておく事にした。


「今後だが、げるるん達スライム・エレメントを強化して行こうと思うんだ。げるるんが間に入れば他のスライムたちとの意思疎通も問題なくこなせそうだし、個人だと色々限界のありそうな事を手伝って欲しいしな。

あいつらとは普通に仲良くやっていけそうだし問題ないだろ?」


モジョモは黙って聞いているので話を続ける。


「報酬は魔石とか核石でいいと思うんだ。

まずは土魔術を使える個体に島中に道をひいてもらって、そこを整備させようと思ってる。島内をリヤカーとか引いて資源や荷物を運びやすくする事ができればここで生活する上で物凄く便利だしな。

あとはスライム・エレメント達はすごい賢いみたいだから食糧の栽培だってできるかもしれない。

他にあいつらを鍛えさせるのもいいな。試練の祠で強力な補助役(サポーター)としてきっと攻略の役に立つさ。

それに今の調子でGPを貯めていけば試練の祠の深部にあるっていう祭壇で、きっとこの島から脱出するための手段が手に入れられるはずだ。

その辺、モジョモはどう考えてるんだ?」


するとモジョモはえらく真剣な顔になったかと思うと。


「ねえ。ヨースケってスライムが好きなの?」


ヨースケは「何を急に言い出すんだ?」と思ったが、えらく真面目な顔をしているので答えてやる。


「そりゃ、好きか嫌いかで答えろって言われたらげるるん達の事は好きだぜ。素直だし。礼儀正しいし。プチ達も可愛いしな。もちろん試練の祠にいる様なやつはただの敵だぞ。」


それを聞いたモジョモはやっぱりという顔になって。


「素直なタイプがいいの?黙って半歩後ろを着いてくる感じの子が……。」


ヨースケは「また、なんかよくわからない事を言い出したぞ。」と頭を抱えたくなった。モジョモは小声で「それなら、私でも……。」とよくわからない事を言っている。


「まあ、余計な事をしないタイプは一緒にいると楽だな。」


ヨースケはとりあえずそう無難に返しておく。モジョモの質問の意図がよく分からない。


「やっぱりそう。ヨースケ、あなたスライムフェチなの……?」


「……、…… なんだって?」


「スライム・ふぇっち?」


何故か変な風にモジョモが言い直す。ヨースケは更に頭が痛くなってきた……。


「いや、言い直さなくていいから。一応聞いておくが何でそういう結論に至ったんだ?」


「だって、げるるんといつも仲良さそうに話してるし……。」


「いや、自分の従魔(ペット)と仲悪くしてるやつなんているのか?世の中のペットと飼い主の大半はお互い仲のいいものだと思うんだが。」


「でも一緒に、しかも抱きしめて寝たし……。」


「いや、犬猫抱いて寝る飼い主なんていくらでもいるでしょ。それとおんなじでしょ。」


「でもげるるんだって女の子なのよ?何となくそんな気はしてたのだけど……。」


「いや、あれって女の子って言うのか?スライムに性別なんてないでしょ。てか無理やり性別をつけても雌雄同体じゃないの?

そもそも犬猫だいて寝る時に相手が雌か雄か何て気にしてる飼い主がいるのか?」


ヨースケはモジョモが何をもってげるるんが女の子だと以前から判断していたのかは多少気になったが、そこを聞くと余計に話がこじれそうなのでとりあえずそう返す。モジョモは、


「そ、そんなどっちでもいけると言うの……。想像以上だわ。魔物ってだけけでもお、おかしいと思ってたのに……。」


「ちょっと待て……、お前は何の話をしているんだ?」


ヨースケは頭が痛くなってきた。


「このままじゃ、私は一体どんな要求を……。」


「おいっ!人の話を聞け!」


とりあえずモジョモが碌でもない想像をしているらしい事はわかった。


「何を勘違いしてるのか知らんが、俺に変な趣味はないぞ。」


「でもいっつもげるるんを気にしてるじゃない。」


「そりゃ、(戦闘の)相棒(パートナー)だからな。」


「やっぱり、あいつがパートナーなのね……。」


何故かモジョモは爪を噛むような仕草をした後、急激に落ち込み「NTR……。私は嫌いよ、そんなもの。」と小声で言っていた。NTRってなんだ?


「あのなあ、可能な限り早くお前の故郷に行くには、げるるん達の協力が必要不可欠だろ?こないだもお前はあっちを優先しただのなんなのと……。」


ヨースケはそのまま文句を続けようとしたが、モジョモをよく見ると、ヨースケから顔を背けて小刻みに震え始めていた。

ヨースケは「?」という顔をしてしまう。もうわけがわからない。


「そ、そうだったのね。やっぱりそうだったのね。う、うたがって悪かったわ。」


こちらに顔を見せずにそう言ってくる。「ふっ、やっぱり私の勝利ね……。」と小声で言っているのが聞こえた。勝ち負けの話はしていなかったと思うのだが……?


モジョモがこちらから顔を背けていたせいで、ヨースケはいつもと違う角度からモジョモの頭を眺める事になった。フードの隙間から珍しく見えている耳の先がちょっぴり赤く透けて見えるのは雨がやんで夕日がさしているからだろうか?

妖精族の血がうっすらと入っているからか、よくみるとモジョモの耳の先は少しだけ尖っていた。今まで全然気付かなかったけど……。普段はフードをずっとかぶってるし……。


「まあ、誤解が解けたんならいいけど……。」


ヨースケはそう伝えたあと、いつまでもそっぽを向いているモジョモはしばらくほっておく事にして、すっかり冷めてしまった夕飯の残りを平らげるのであった。



その後ヨースケはいつもの様に、MPによる紙作りに、今日気づいた事や知った事のメモ書き、SPを使った技能(スキル)トレーニングを行い。明日に備えてぐっすりと寝た。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




次の日の朝、ヨースケは準備をすませるとすぐげるるんの休んでいる昨日別れた地脈の噴出口へと向かった。


ヨースケ達が目的地にたどり着くと、準備のいい事に『呪詛耐性(Lv3)』を持ったホワイトスライム・エレメントに『身体精密操作(Lv3)』を持ったスライム・エレメントが居た。

昨日別れたあと、げるるん以外のスライムが気を利かせて呼んできてくれたらしい。


ヨースケはげるるんに無駄なMP使用を控えさせるために開口一番、


「言葉を使って会話するのは基本夜、寝る前だけにしよう。日中はいつでも余裕を持ってMPを使える様にしておきたいからな。

基本肯定を示す時はいつもの様に「ぷー。」とでも鳴いてくれ。逆に否定の時は黙っといてくれたらいい。それでいいか?」


と言うと、げるるんは元気良く「ぷー。」と答える。


「よし!今日も祠へ行って核石を手に入れに行くぞ。

あ、もちろん緊急時や何かどうしても伝えたい事がある時は喋ってもいいからな。」


そう言ってヨースケはげるるんに指示を出して、『中級拳法術(Lv3)』、『呪詛〈魔物寄〉(Lv3)』、『身体精密操作(Lv3)』、『呪詛耐性(Lv3)』の4体と融合させ、無事Lv8のホワイトスライムリーダー・エレメントになってもらった。

その後は本日の予定を話し始める。


「今日は昨日見つかった試練の祠二つに順番に入る予定だ。

いつもの祠と同じ祠だったら、GPを得るために最初は5階層の主部屋までは最低限の戦闘で済ませたいから『呪詛〈魔物寄〉(Lv3)』の技能(スキル)は『呪詛耐性(Lv3)』で無効にしておいてくれ。

万が一いつもと違う感じの祠だったらその時は状況次第でまた指示を出す。いいか?」


げるるんが再び「ぷー。」と元気良く答えてくれたので、さっそく3人で一つ目の祠に向かった。



新たな試練の祠は予想通りと言うか、やはりいつもの祠と同じ雰囲気で感知能力に引っかかる気配もスライムしかいない。

急にげるるんが紙とペンを欲しがったのでリュックから取り出して渡すと、ノーマルの透明なゴブリンの形になり、ペンと紙を持ってサラサラと周辺の地図を書き始めた。どうもげるるんが能力で感知できる範囲の地図が、すぐ作れる様だ。『地図作成(マップメイキング)』の能力はなかなかすごい。


おかげで、すぐに2階層への階段を見つける事ができた。



2階層へ降りた途端、今まで感じた事のない気配をとらえた。

その気配だけやたら素早く動き、更に魔力感知には引っかからず気配感知にだけ引っかかる。その反応は1匹だけしかない。他の反応はいつものスライムたちのようである。


「まさか、スライム以外の魔物じゃないだろうな……。」


ヨースケはその可能性も考慮しつつ、変な気配がある事をモジョモとげるるんに伝える。

今後の安全確保のためにも今は5階層へ向かう事を中止にして、まずはその気配を確認しに行く事にした。


げるるんの技能(スキル)で地図を作りつつその気配を追うが、どうもそれなりに高い感知能力を持っているようで気配遮断と魔力遮断を使っても近づくと逃げて行く。まあ、げるるんとモジョモが感知されていたらどうしようもないのでこれは仕方がない。

途中遭遇する事になったノーマルのスライムとは仕方なしに戦闘する事になった。



最終的には完全に地図を作りきった区画に、その気配の主を追い込む様に移動させることで、なんとか相手を通路が袋小路になっている所に追いやることに成功した。

そしてとうとう魔物を視界内に捉える事ができた。



気配の正体はスライムだった。もちろんただのスライムではなかった。そのボディは鈍い銀色に輝いていた。今まで見たことのない個体である。

追いやっている時に、相手が相当早く動けることは分かっていたので、ヨースケは脇から逃げられないように通路での立ち位置に注意した。その苦労もあってじっくりと相手を鑑定できた。



メタリック・スライム(シルバー)

Lv(位階):1

種族:スライム族

状態:普通


HP(生命総量):10/10

MP(魔力総量):10/10

SP(体力総量):10/10


ATK(最大筋量):10

DEF(物理耐性):1000

MATK(最大魔術行使力):10

MDEF(魔術耐性):1000

AGI(敏捷性):500(+500)


技能:

敏捷強化(Lv10)、斬撃耐性(Lv10)、物理耐性(Lv5)、下級魔術無効、中級魔術無効、上級魔術効果減衰、魔術反射(Lv5)、気配察知(Lv8)、魔力感知(Lv3)、耐久値破壊防御(Lv5)、メタリックボディ、スライムボディ、融合、分裂、配下創造


詳細情報:

スライム族のうち約10000体に1体の割合で存在していると言われている非常に稀な魔物。物理、魔術の両方に強い耐性を持ち、素早い動きですぐに逃走するため、倒す事は非常に困難である。その素材は非常に高価な魔術素材としてしられている。



どうやら中々の強敵に出会ってしまった様である。

1月はプライベート予定が忙しすぎて、更新頻度が2月中旬まで下がってしまうと思いますが、来年度もよろしくお願いします。


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