透視眼
いつもお読みいただきありがとうございます。
ヨースケとモジョモはヤシガニ型の魔物と戦った浜にたどり着いた。砕けたマストの残骸はまさに前回の戦いの名残であった。
ヨースケはまず砂浜の砂を使って少し大きめの3つの壺を作った。これに仕掛けた罠にかかった魚を仕分ける。魚醤に使えそうな小魚、他の食べれる魚、食えない魚の3つである。後は作業台と岩のナイフも作る。
やはりここら辺の海の幸は豊富なようで、筒や籠の仕掛けには沢山の魚が掛かっていた。一様鰯に近そうな魚を選んで、鱗を剥いだ後にナイフの背で叩いてドロドロにし壺に入れていく。
残った魚で大きいものは岩場の生簀に、中くらいのものは別の壺に入れる。
食えない魚の壺は半分地面に埋めて重めの蓋を作りそこに毒を持つ魚や蛸を無造作に放り込んでおいた。
仕海に沈める掛けの数を増やして次の浜へ向かう。その際ハルマナ貝は運ぶ手間の関係で後にするとモジョモに伝えると、「今日中なら許す。」と言うありがたい言葉をいただいた。
今日中には引き上げれそうなので、ヨースケはモジョモの戯言は聞き流すことにして、壺を持ち上げ、いつもの浜の方へ行く。
こっちの浜では、まず最初に大きめの水瓶とカマドを作り海水から塩を作ることにした。この作り方だと質は落ちるが魚醤を作るためにはある程度の量が必要なので仕方ない。
魔導コンロを倉庫からダッシュで取ってきて大量の海水を火にかけた。
ついでに流木を削って串を作り、浅い生簀で砂を吐かせた貝を何匹か取り出してこちらも火にかける。こっちは小腹がすいていたのでおやつがわりだ。
ヨースケが生命にとっての必需品とも言える塩を今まで作らなかったのは、かなりの頻度で魚介類を食べているのでむしろ塩分が過剰摂取になりそうだからだった。
しかし今後、世界中を旅することを考えれば、どう考えても塩を作り置きしておいたほうがいいに決まっている。そのうちきちんとした塩田を作ることにする。
貝串はかなり美味しかったのでもう一本作り火にかけていると、カマドの海水が沸騰してきた。もう少し水が減ってきたら海水を追加することにする。正直けっこうな水蒸気が出たので巨大海蛇に攻撃されないかとビクビクしていたのだが別にそんなこともなかった。
魔導コンロの上にそこらへんにある木の枝なんかを放り込んで燃やし、魔力の調節を図る。毎日激しいスコールが降っているせいもあって、思ったよりも水分を含んだ木材が多い。早急に炭焼き小屋を稼働させるかマキを大量に作って倉庫で陰干ししておいたほうが良いだろう。というか片方だけじゃなくて両方した方が良いだろう。
マキの方の火力が安定してきたので、こちらの湾に仕掛けた罠も海から引き上げる。あっちの湾でやったのと同じように魚たちの仕分けを行う。
ひと段落ついたところで、塩作り用の瓶の水位がだいぶ減っていたので海水を注ぎ足して、さらに燃料を放り込む。
火が安定してきたら今度は選り分けた中型の魚の血抜きを行い、その後は捌いて燻製の準備をした。それが終わるともう一度、水瓶に海水を注ぎ足し、燃料も追加して、モジョモとの約束通りハルマナ貝を捕まえに行くことにした。
モジョモ曰く「前回よりも大物。」とのことだ。
上半身の装備は脱いで岩製のナイフだけもち、モジョモの案内のもと貝の場所まで泳いで行く。指示された場所で潜ってみると2.5m程の海底に幅が80cmはある立派なハルマナ貝が鎮座していた。前回のものは50cm程だったので確かに大きい。
真珠の大きさは貝の大きさに依存しないことは有名だが、いやでも期待は高まる。
ハルマナ貝に触れようとした所で砂を吐き出したのか貝の隙間が一瞬開いて閉じた。
何故かその一瞬だけ魔力感知に違和感を感じた。
嫌な予感がするので一旦水面に浮上する。
「どうしたのよ?持ちにくい?湾内だからそんな危険もなく捕まえれると思ったんだけど。」
モジョモは俺の緊張した雰囲気を感じ取ったのか茶化さずに質問してきた。
「いや、ちょっとした違和感を感じたんだ。かすかだけど貝の中から魔力感知に反応があったんだよね。お前は何も感じなかったのか?」
「全然。」
「そうか、気のせいかもしれないが一応鑑定をしてみるわ。」
もう一度潜り鑑定眼を向ける。
ハルマナ貝
位階:Lv1
種族:貝類(ハルマナ種)
状態:良好
HP(生命総量):5/5
MP(魔力総量):5/5
SP(体力総量):5/5
ATK(最大筋量):5/5
DEF(物理耐性):650
MATK(最大魔術行使力):5
MDEF(魔術耐性):650
AGI:(敏捷性):1
技能:
魔力遮断(Lv2)、甲殻外殻(貝)、宝珠作成、宿主、
詳細情報:
熱帯の海域を中心に生息する貝でハルマナ種の代表格と呼ばれる貝。その貝殻の特徴的な形から、貝殻そのものが美術品として流通している。古来よりその耐久性の高い貝殻は防具などにも用いられていた。食べることもできるが、味はわりとさっぱりしている。以前よりその生息域が見つかると乱獲されていたため今では希少品として価値が高い。
前回浜に引き上げた時と鑑定の表記が異なる。おそらく前回はもう浜に引き上げて採取された状態という意味で素材とかアイテムとして鑑定されたのだろう。今回は生物として鑑定されているのかもしれない。
生物は倒すと総じて待機魂魄、つまり経験値へと変換されるはずだからこんな風に見えるのかもしれない。
検証のためにも今後は同じものをもっといろいろな状態で鑑定してみることにする。
しっかりと鑑定内容を頭に叩き込んでから再び海面へ浮上する。
「なんかさ、技能欄にある『宿主』って項目があってそれが気になるんだよね。ひょっとしたら中に何かいるのかもしれない。」
「何かって何?」
「魔力感知に引っかかるんだから魔物な気がする……。ハルマナ貝の殻って生きてる時は魔力遮断の効果を持ってるみたいだし。」
「じゃあどうするの?」
「もちろん捕まえる。動きやすいように脱いでたけど、浜に置いてきた鎖帷子を装備してからだけどな。
まあ鎖帷子の重さで海底を歩くように移動する羽目になりそうだけど……。
貝の後ろに回って上下から殻を挟むように持って岸まで運ぶよ。海に住む魔物だった少なくとも陸上では弱体化するだろうし。内側から貝の殻を破れるとは思えないからな。」
とモジョモに作戦を伝えた。特に反対意見も無かったので、一旦岸に戻って鎖帷子を着込んで再び海へ入る。た
だ予想と違い、軽量化の魔術付与のお陰か普通に底まで沈まずに泳げた。使用GPから予想はしていたが思っていたよりもはるかに強力な魔術付与のようだ。まあ着る前よりは水の抵抗を感じるのでさすがに沈みやすくはなっているのだが……。
しかし肌に直接鎖帷子を着るのはなんか違和感を感じる。あまりやりたくない着心地だが安全には変えられない。いつもやらかしている気がするので用心するに越したことはない。
正直なところ、このハルマナ貝を無視するのも1つの手ではあるのだが、対処できそうな未知の状況は可能な限りその場で解決しておいた方が今後の不確定要素をその分だけ減らせる。なので今回のことも積極的に対処するつもりである。
再び貝の場所まで来る。貝の後ろ側、と言っても海底に対してほぼ垂直に鎮座しているので実際は斜め後ろ寄りの横、と言ったような位置だが、そこまで沈み、岩製のナイフで貝殻を叩く。貝殻の隙間が心持ちきつく締まったような気がする。こうすれば急に貝が口を開けるようなことにはならないと思って試してみたのだが正解だったようだ。
ナイフを口で咥え、力任せに貝を引っこ抜いて、両手を使って挟むように殻を上下から抑えつけて海底を歩いて岸まで移動する。大事をとって波際から15mは離れた位置にその貝を置いた。
「どんな感じ?」
モジョモがおっかなびっくりといった感じで貝を眺めながら聞いてくる。
「わからん。今は完全に閉じてるしな。魔力を感知したわけだから前の ボルパラ・クラブの時みたいに『水弾』を打ってくる奴かもしれないから気をつけろよ。こないだは岩に当たりかけてたし。」
「だ、だいじょ……。」
とモジョモが返事しかけた瞬間、パカリと貝殻が開いてヨースケの方にレーザーの様に水が飛んできた。慌ててかわす。突然のことにびっくりしたのかモジョモは動けていない。
「バカ!さっさと貝の裏にまわれ!」
と怒鳴りつけるとモジョモはいつぞやの様に「ひ〜ん。」と喚きながら安全地帯に移動した。どんくさい奴である。
貝殻がすぐに閉じてしまったせいで何がいるのか分からないが、やはり貝殻の開いた瞬間は魔力感知に反応があった。やはり中に何かいる。
さっきの水のレーザーも魔力が込められていたので魔物である事は間違いなさそうだ。
とりあえずハルマナ貝の固い外殻をぶち破る様な攻撃をしてはこないだろうと判断し、貝の後ろ側に回って土魔術で砂から幾つか細長い針を作る。貝の口の隙間からその針ををどんどん突き刺して貝にとどめを刺す。と同時に中にいる魔物を貝から追い出させるか貝の中で殺す様に追加で針を刺していく。
先ほどの攻撃に気をつけつつ、貝殻同士の付け根のあたりの隙間から針を刺して中身をグリグリといじくる。
鑑定眼を使いながらその作業を行う。ハルマナ貝が死んでから3本目の針を刺し、グリッと大きく貝の中を捻った瞬間、貝柱が切れたのかパカリと貝殻が開いて何かが勢い良く飛び出した。
海側に逃げられると困るので、素早く、しかしかなり手加減して海とは反対側に蹴飛ばす。さっさと殺して危険を排除したいのは山々だが、おそらく生きているうちでないと相手の持っている技能が確認できないと思ったからだ。
このことに関してのヨースケの予想は、死んだら拡散してしまう魂魄の中に技能の構成要素が含まれているからだと考えている。
岩鯨やボルパラ・クラブも死んだら素材扱いで、生前の技能を鑑定眼で確認することなどできなかったからだ。
貝の中にいた魔物の正体はエビだった。ヨースケの知っている伊勢エビ寄り少し大きい、30cm近い体躯に青い外殻、大きなビー玉の様な目を持っている。目に比べその鋏は結構小さい。さっきの攻撃が効いているのか見るからにヨロヨロと動いている。先ほどの攻撃に注意しながら、鑑定眼を使った。
バスター・シュリンプ
位階:Lv3
種族:甲殻類型魔物、(雄)
状態:衰弱
HP(生命総量):2/8
MP(魔力総量):10/30
SP(体力総量):4/5
ATK(最大筋量):3
DEF(物理耐性):15
MATK(最大魔術行使力):10
MDEF(魔術耐性):5
AGI:(敏捷性):5
技能:
魔力操作(Lv3)、水流操作(Lv3)、水中補正(Lv3)、甲殻外殻、共生、
詳細情報:
熱帯の海域を中心に生息するエビ型の魔物で大型の貝類や巣穴を作る大型のハゼ科の生物と共生することで知られている。巣穴や貝の中で生きる個体はその巣穴や貝の中に入り込んだ異物を取り除くだけでなく、自身の魔力を練り込んだハゼや貝の餌となる生物を呼び寄せるエキスを分泌する。このエキスは貝やハゼにも影響を与える様で、特に貝類はその外殻が通常の個体よりも固くなる事で知られている。その大きな目は低級の透視眼であると言われ、分泌液により自身の魔力が練りこまれた貝殻の外の世界を見通している。魔術の希少素材としても有名。
水中の中ではステータス以上にすばやくうごき、魔力を練り込んだ水流で外敵を撃退することで有名。その攻撃方法から一部の地域では「テッポウエビ」とも呼ばれている。
地上だからなのだろう、水流操作の技能が使えなから攻撃手段がない様だ。こちらを威嚇する様に両手を上げるその姿はアメリカザリガニを思いださせ微笑ましい。
まあ知りたい事も知れたのでさっさと忍者刀で胴体を真っ二つにした。流石に魔物としては弱すぎるのかLvが上がる様な感覚はない。今度は素材となったバスター・シュリンプを鑑定してみる。
バスター・シュリンプ
品質:普通
状態:やや悪い
耐久値:5/15
詳細情報:
熱帯の海域を中心に生息するエビ型の魔物で大型の貝類や巣穴を作る大型のハゼ科の生物と共生することで知られている。その捕獲の難しさから希少食材としても知られている。一部の地域では「テッポウエビ」とも呼ばれている。
その大きな目は低級の透視眼であると言われ、分泌液により自身の魔力が練りこまれた共生する貝の外殻の外側を見通している。魔術の希少素材としても有名。
おそらく状態の欄が「やや悪い」となっているのは蹴飛ばした胴体にヒビが入っているからだろう。大きな2つの目の部分を傷つけないよう慎重に取り外して再び鑑定してみる。岩鯨の時の経験からこれで鑑定結果が変わるはずだ。
水生魔物の透視眼
品質:良好
状態:普通
耐久値:3/3
詳細情報:
一部の水生魔物が持つ透視眼である。希少な魔術素材として有名。太古の魔術師がこの素材を元に透視眼鏡を作り上げたと言われている。
ほお、透視眼鏡ときましたか……。
ヨースケはついニヤリとしてしまい慌てて口元を抑える。全世界の漢の夢に挑戦を強いられている気がする。まあ「言われている。」という事は眉唾な話かもしれない。ここで焦ってもいい事はない。
モジョモにかなり怪訝そうな目で見られているがとりあえず今は無視しよう。
そんなことより確実な確認方法があるのでヨースケは迷わず、そのビー玉のような目を魔力眼に捧げた。スロットがあと1つ空いているので上手くいけば自分にも透視眼が手に入るかもしれない。無事手元から2つの目玉が消えた事を確認してステータスの魔眼の項目を確認してみた。すると、
下級透視眼(特殊)(未開放)〈4/1000〉
開放条件:透視系の能力を含む魂魄を規定値以上補充
詳細情報:
魔物の透視眼の眼球や一部の透視系アイテムなど、透視系の能力を含む魂魄を規定値以上補充する事によって使用可能。捧げられた魂魄に水生生物の透視眼が多く含まれる場合は水中透視の能力が追加で加えられる。
自身の魔力が付与してある対象や、自身の魔力によって生成された物は無条件で透視する事ができる。自身にゆかりの無いものを透視する場合は相当量の魔力を練り込む必要がある。
素晴らしい能力の開花が予感される。
内心ヨースケのテンションはだだ上がりなのだが、モジョモにバレると軽蔑されそうな気がする。魔力さえ練りこめばなんでもスケスケなわけだからね。
モジョモをどうやって誤魔化すかいつも以上に頭を回転させて作戦を練った。結論として魔力眼の必要不可欠な素材という事にして誤魔化そう。
こちらの様子に何か感じるものがあったのかモジョモが胡散臭そうなものを見る目でヨースケを見ていた。
「このエビの魔物の養殖を試みる事にします。」
ヨースケがそう宣言すると、モジョモに「何を急に言いだしてるの?」と益々疑わしいものを見る目つきをされる。
「さっきからニヤニヤして気持ち悪いわよ。それと何で急に敬語になるのよ。」
「いや、この魔物の目玉が魔力眼の覚醒に必要な素材という事がわかったんだ。この魔物はハルマナ貝の中に生息するみたいだから、貝殻の形をした罠を作ってこいつらの小さな個体を集めて、陸側に作った生簀で育ててみようと思う。上手くいくかは分からないけど、そも価値はある。」
少し早口になってしまったかもしれないと思いながらヨースケは一気にそこまで言い切った。
「何か邪なものを感じるのだけど……。」
ギクリとするがここで動揺してはいけない。いついかなる時も日本男児は冷静でなければならないのだ。
「それに希少食材かつ希少素材の魔物なんだ。養殖に成功すれば安定した食料供給の確立に繋がる。いつも同じものばかり食べてもいけないしね。」
と言うと。
「まあ、そういうなら止める理由もないし、別に止めたりはしないけど、一応魔物なんだから気をつけなさいよ。」
とモジョモに言われた。「何か怪しいのよね……。」と呟いてるのが聞こえたのでこの件は慎重に進める事にしよう。
魔力に余裕があるうちに防砂林の向こう側に深さ1.5m半径5mほどの生簀を作り海までかなり長い水道管を通して海水を供給する。モチロン水道管の中にはいくつか格子構造を作ってエビが逃げ出さないようにする。水道管は生簀の底の方からと上の方からの二本通して、片方は日の当たる海の海面近くに出口を作り、もう片方は岩場の先の方まで頑張って引っ張り、やや深めの水深に繋がるようにした。これで生簀内の水が上手く対流してくれることを願うばかりである。
最後に生簀の淵に大きめの返しを作り、ちゃんと水生生物が生きていけるか確認する為め、さっきこの浜に仕掛けたばかりの筒型の罠を引き上げ、かかっていた何匹かの魚を放り込んでおいた。
白い砂を使ってハルマナ貝の貝殻と同じ構造のものをいくつも作り海へ沈める。入り口は中にあるつっかえ棒でやや開くようにしておいて、中でかなり暴れた場合はそれが外れて閉じるようにしてみた。しばらくは様子見だが、ちゃんと毎日確認に来ようと心に誓う。
養殖が軌道に乗ったら生簀の数は増やす事にする。
放っていたハルマナ貝は向こうの浜に戻ってから解体する事にした。
思ったよりも時間をかけてしまったので案の定塩作りの為の火がきえていたが、余熱のおかげか結構海水が蒸発して、甕の内側に相当量の塩が析出し始めていた。再び魔導コンロに火を入れその辺の木の枝や枯れ葉を集めて燃料を足し、中に残った海水を30分程かけて蒸発させた。
終わった後は甕の外側を水で冷やし、触れるようになったら内側の塩をかき集めた。ドロドロに刻んで壺に入れていた魚醤の元を新しく作った小さめの3つの壺に分け、くわえる塩の量を変えて穴の開いた蓋をする。後は倉庫の中で発酵させるだけだ。上手くいくといいのだが。
その後は浜と倉庫を何往復かして今日の作業の片付けを行った。最後に燻製用に捌いた中くらいの魚を岩のフックに引っかけたものを持って帰るといつもの夕立が降り出した。
それらを燻製器にかけやっとハルマナ貝の解体に取り掛かる。モジョモはかなりワクワクと眺めているが正直ハルマナの宝珠がある確率はかなり低いはずだ。あのエビが住んでいたのだから中の異物は貝の外に放り出されているはずだからである。
真珠のできる経緯をモジョモに教えながら解体を進める。結局宝珠が出てこなかったので、モジョモが「あのエビの魔物をあの海域から減らすわよ。」と養殖のためにバスター・シュリンプを大量に捕獲することを推奨し始めた。ヨースケにとっては実に嬉しい誤算であった。
晩御飯を食べた後はハルマナ貝の身は刻んで陰干しをし、倉庫の整理を行った。今日はスライムの粘液を向こうから持って帰るのを忘れていた事に気付く。これのせいで作ろうと思っていた『土硬化』の魔法陣を組み込んだ岩の小楯を作れなかった。
あとルンガ粟の備蓄が減ってきていたので明日はその辺りの補充を忘れないようにしようと心に決めた。
魔力を適当な数値まで使い込んだ後、いつも寝ている時間よりもまだ少し早かったので下級剣術と下級刀剣術の訓練をする事にした。素振りメインであるが、『真言』から技能を発動させてその動きを覚え、真言』に頼らない技能発動が可能になる様に練習を重ねる。『水平一閃』などの技能はすぐに発動できるようになったが『一点突き』が中々上手くいかない。この技が『真言』なしで打てる様になれば、下級剣術のLv3も発現しやすいと予想できるので、明日以降も頑張る事にする。
いい汗をかくことができたので、その日のヨースケはゆっくりと風呂に入った後に気持ちの良い睡眠を取ることができた。
昨日の夜にあげたかったのですが疲れきって寝落ちしてましたすみません。
次の話もほぼ書き終えているので早めにあげれると思います。




