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開眼

時系列的にはやっとの事で第0話に追いつきました。これからどんどん話を広げていくつもりです。


*12/17加筆修正しました。

ヨースケは悩んでいた。


どうすればモジョモは6階層を探索する許可をくれるのだろうかと。いや、確認で一瞬降りるだけならモジョモもすぐに納得する気がする。この試練の祠があっちの祠と本当に同一の場所に繋がっているのかは、はっきりとは分かっていないからだ。だからもし仮にその許可が出て、実際に6階層に行った時その階層がこの前と違う感じの階層であればモジョモは普通に探索続行を許可する気がする。

問題は同じだった場合だ。正直ヨースケとしてはこっちの方が良かった。なぜなら、あの階層はステータスをものすごいスピードでどんどんあげていくことができる可能性が高いからだ。しかしモジョモの未知の危険が伴う可能性が高いという言い分もよくわかる。試練の祠をここしか知らないヨースケでさえモジョモに言われたことを考えてみるとあの階層の不自然さは何となくではあるが感じ取れたのだ。

それでも階段のそばで行動する分には問題ないとヨースケは思っている。もし低レベルで強敵を倒すことがGPを入手するための条件の一つとなるのなら、あの階層は最高の狩場となる筈だ。中級吸魔の指輪なんかも手に入るのであれば手に入れたいし。


「なあ、6階層に行ってみようと思うんだが。」


そうモジョモに行ってみると、


「反対よ。危ないと思うわ。」


やっぱり随分と消極的だ。


「まあそりゃ確実に此処よりは危険だろうとは俺も思ってるよ。でも試練の祠で絶対に安全な場所なんてないし、それに今後のことを思えばどんな感じなのか確認だけでもしといた方がいいと思うんだ。そもそもこの試練の祠とあっちの試練の祠が同じものかどうかさえまだ確定してるわけじゃないし、こっちは意外と全然別な感じになってる可能性だってあるだろ?」


ヨースケはそういってなんとかモジョモの説得を試みる


「そう言われると、確かにそうだけど……。ねえ、何でそんなにステータス上げるのに拘るの?」


モジョモがそう聞いてきたので素直に答えてやる。


「そうだな、理由は結構あるぞ。強い方が生存率が上がるってのが一つ、師匠からとにかく魂魄を鍛えろと言われているので二つ、あの海蛇をなんとか倒して安心したいってので三つ、このままだといつかジリ貧になるかもしれないからできるだけ今のうちにやれることはやっときたいので四つってとこかな。あ、あと可能な限りこの島を早く出たいってのもある。」


まあ、単純に今よりもっと強くなりたいっていう子供みたいな理由が一番なんだけどなんかいうとばかにされそうだしな……。


「そんなに早く島を出ていったい何がしたいの?」


「そうだな……世界を見て回りたいっていう理由があるな。師匠にもそうしろって言われてたし。それにお前も両親が生きてるうちに会って話をしたいだろ?それだとできるだけ早くこの島を出た方がいいだろ。」


と、言うと何故か顔を真っ赤にして


「そ、そうね……。」


と言ったきりうつむいて何かブツブツとつぶやき始めた。「そんなに……両…に挨拶したい……、……。」という風に声が小さすぎて何を言っているのかはよく聞こえない。まあ聞こえたところでいつものよくわからない彼女の思考過程から導き出される戯言だろう。そんな理解できないものを深く考える意味もないので、ここからどうやって説得していこうか悩んでいると。


「し、仕方ないわね。そういう理由なら私もちょっと覗くくらいなら反対しないわ。安全第一で行動するなら6階層に行ってみてもいいわよ。ただし向こうと同じ感じだったならすぐ撤退よ。」


などと言い出した。何故か嬉しそうな顔をしている。本当によくわからない奴である。今までの会話の中でこいつが喜ぶ要素ってなんかあったか?まあ、両親に早く会えるかもしれないと思えば嬉しいか。それはもういいとして彼女の提案自体はごく当たり前の条件だったので、


「そりゃそうだな、同じだったら、さっさと5階層に逃げ帰るよ。」


そんな風に話がまとまった時、気を利かせてくれたのか、スライム・エレメントが階層主の魔石を拾ってきてくれた。やや大きいのが1つに小さいのが3つである。あっけなさすぎてすっかり忘れていた。ドロップは溜まりに溜まっている色のスライムの粘液だったので放置することにした。


下の階層には俺とモジョモで行くことにしてここにはスライム・エレメントを置いて行くことにした。リヤカーを見張ってもらうという理由もあるがもし下の階層で急に素早い敵が出てきた場合まだ今のこいつでは危ないと思ったからだ。こいつ素早さ低いし……。まあ物理耐性はかなり強いのでこの階層ですぐに死ぬようなことはないだろう。いつまでもスライム・エレメントだと呼びにくいのでモジョモにはさっさと名前を付けてもらいたい。



降り立った6階層の雰囲気はやはりというかあっちの祠とほとんど同じだった。見える範囲に魔物はいないようだ。感知能力の方では前回のようにやはり4種類の反応があるように思える。スライム、ゴブリン、吸魔、あとは何だろうか。とりあえずまだ見たことのない魔物のようだ。割合的には吸魔が多い気がするが……、どれもこれも感知に反応している魔力の強さが一定じゃないので、実際はどうなのか確実なことは分からない。ひょっとしたらもっと多くの種類の魔物がいるかもしれない。


周囲の床を調べるとやはりというかレベルダウンのトラップがある。今のところ前回のように魔物が近づいてくる様子はない。


「とりあえず踏んでいいか?」


モジョモに確認を取る。


「駄目よ。戻るわよ。ってか何で嬉しそうな顔して聞くの?やっぱりここはあっちと同じみたいだし約束通りさっさと戻る。踏みたいのなら平野のやつを踏みなさい。」


くそう、ここで踏んだほうがステ上げには効率がいいに決まってるのに、まあ約束だし仕方ない。しかし嬉しそうって何だ。罠が見つかって効率が上がるからちょっと嬉しそうな顔にはなっていたかもしれないが、別に罠を踏むこと自体に悦びを感じたりはしてないぞ。


俺は仕方なしに5階層への階段を昇りつつ、


「ならせめて、この階層を探索していい条件を決めようぜ。」


と提案してみた。実はこうやって妥協案を引き出すことも考えていた。さすがに全面禁止はモジョモも提案しづらい都思ったからだ。


「……そうね。とにかく一番初めの頃のステータスより高くなるのは最低条件ね。あの時ちゃんと状況に対応できてるとは言えなかったんだから、ステータスをオール800以上にしましょう。

あとは罠解除は……、鍛えようがないわね。あの罠に対するなんらかの対処法を確立してからにしてちょうだい。まだ確認していない魔物が吸魔よりも弱い保証はないし、Lvが低いままだと次以降の階層のどこかでつまづく可能性もあるから。確か一定レベル以上じゃないとくぐれないゲートの罠とかあった気がするし。」


至極真っ当な意見である。しかしそんなゲートの罠があった場合は完全に詰んでないか?まあしばらくはひたすら1〜5階層で頑張るか。オール800越えは苦労しそうだな。今のペースだと補正込みで、頑張れば半日で20は上げれるからあれ意外とすぐ到達しそうだな。罠の対処法も考えなければ。あとは何か問題あったっけ?まあその辺は戻りながら考えることにする。


5階層に戻り、スライム・エレメントと合流しリアカーを押して地上へ戻ることにする。途中倒したスライムから新たなスライムの核石が一つ入手できたこと以外は特に変わったことはなかった。



草原の魔法陣まで戻って罠を踏む。もう慣れたものである。ちょっと変な声は出たし、ちょっと一人と一匹に変な目で見られた気はするが……。


まあそれはいいとして、一つ問題を思い出した。


「なあ、鑑定石板が明後日あたり使えなくなるはずなんだが……。」


なんとなしにモジョモに言ってみる。


「えっ、そうなの。なんで?」


「師匠がそのくらいには消えて無くなるって言ってたから。」


「すごい便利アイテムなのに。ケチくさい師匠ね。」


そんなこと言うなよ。ただ入門セットだよこれ。30GPで大活躍だよ。本当に30GPかよってぐらい活躍してるしな。


「うーん、結構そこらじゅう調べ回ったから、これ以上調べるものがあんまり思い当たらないんだよね。強いて言えば海産物くらいか。」


海の生物に関しては多様すぎて期間内に調べきれる気がしないんだよな。


「使い道ね……。もし祠の祭壇が発見できてそこに捧げたら、結構な魂魄量に変わりそうなのに……。」


とモジョモが言う。


捧げるか……。そういえば全く普通の目と変わらないせいでこの左目の魔眼のことをずいぶんとほったらかしにしていたけど。この魔眼もアイテムやなんかを祭壇みたいに『捧げて』能力を解放するみたいな説明だったよな。折角だから鑑定石板を試しにダメ元で捧げてみるか。


といつものようによく考えもせず行動したのが良くなかった。魔眼の方に鑑定石板を持って行き、捧げるよう念じてみると。鑑定石板が持っていた手からスッと消えた。「やべ、せめて明日にするんだった。」と思った瞬間に、


情報の洪水が頭の中で起こった。


「あがあああああ。」


目を閉じて倒れこむ。頭中を何度も直接殴られたような感覚がして物凄く痛かった。


「ちょっと、大丈夫なの?」


モジョモが慌てて声をかけ近寄ってくる。スライム・エレメントの方も表情はないが、一瞬ビクッと動いたのを倒れ込んでいく瞬間に視界の隅に捉えていたのでわかったが、こいつも珍しくだいぶ驚いていたようだ。


目を閉じたまま息を整える。脳みそが沸騰するかと思った。新しく生まれた魔眼の使い方に慣れていないせいで、視界に映っているものを手当たり次第に『鑑定』したせいだとわかる。そう、つまりどうやら俺に鑑定眼が開眼してしまったようだ。


「だ、大丈夫。どうやら鑑定眼が開眼しちゃったみたい……。」


左目を抑えながらそうなんとかそう答えると、


「はあ?」


もう訳がわからないという表情をモジョモは浮かべた。まあ石板のこの使い方は古白や神様も予想外だろう。石板の予定通りにこの能力が明後日に消失してないといいのだが……。ただ勝手な予想だが、この魔眼が祭壇に類似した方法で能力を得ていると仮定すれば、いわゆる魂魄の変換というやつが行われているはずである。前のものとは全く別の存在としてこの世界に影響を与えているのでおそらく消えないのではないだろうか。


一度手をどけて左目をうっすらと開けようとするが、また頭の奥がズキンッと痛んだ。しょうがないので左目を掌で覆い隠して立ち上がった。これは慣れるまであの眼帯のお世話になるしかない。人が全然いなかったせいで目を隠す必要もなかったし、むしろ視界が半分になるデメリットしかなかったからだ。

しかし眼帯をして謎のポーズをとる自分を想像してしまった。そんな姿をモジョモに見られたらすごく笑われそうでなんか嫌だ。なぜ俺はそんな想像をしてしまったのか……。


ステータスをチェックすると技能の項目に下級鑑定眼(Lv10)、中級鑑定眼(Lv10)、上級鑑定眼(Lv3)が増えていた。つまり魔眼のスロットが残り1になってしまった。ていうかこいつらみんな別枠なのかよ。意外な落とし穴であったが能力の強力さを考えれば納得いかないことはない。


ちょっとしんどいので今日はもうこのまま左目を抑えて帰ることにする。しかし、当面の目標はたった。ガンガンステータスを上げてさっさと6階層に挑戦してやるぜ。


基本的に私はiPadかスマホからの投稿をしているのですが、全ての文章で文章開始の一字下げを行っているにもかかわらず、ネットでページを見ると反映されてない気がします。pdfの方はちゃんと反映されてるっぽいのですが。その辺がよくわからないので知っている方がおられたら感想か活動報告で教えていただけると助かります。


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