表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミュ障魔女の推し活動〜最強の隠密バフで推し騎士を完全無双させていたら、扉を物理破壊されて求婚されました。  作者: あめのしずく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/26

第一章2「隠密強化魔法」

 前世のルウシェは人間関係のトラウマを抱え、今や生身の人間を前にすると「あ、う、あ」となってしまい、上手く喋れなくなる重度のコミュ障になってしまった。

 ただ一つ『推し活』に関してだけは話が別だ。


「見てピィちゃん、あの流し目と敵を睨みつける冷徹な瞳! 

でも、実は無理して学校の平和を守ろうと一人で抱え込んじゃう不器用キャライベ直前なんだよ、これ……!

あぁ、愛おしすぎて心臓がドキドキしちゃう!」


「はいはい、お嬢様。血圧上がってますよ。あと『作画』とかいう前世の謎言語を使うのはおやめください。それと、推しが尊いのは結構ですが、状況は普通にピンチのようですよ」


 ルウシェの肩にちょこんと乗ったのは、彼女が退屈しのぎに生み出した精霊のピィちゃん。

 愛らしい小鳥の姿をしているが、中身はルウシェのオタク用語を完璧に理解した相棒である。


 ピィちゃんの言う通り、水鏡に映るクラインは息を切らしていた。

 いくら天才とはいえ、十数匹もの上位魔獣を一人で相手にするのは無茶がすぎる。


「しまった……!

後ろからもう一匹――!」


 クラインの死角から、巨大な爪が迫る。

 それを見た瞬間、ルウシェの目がガタッと見開かれた。


「――っ、私の推しに傷一つ付けさせてたまるかぁぁぁ!!」


 ルウシェは毛布から出て、空間に凄まじい密度の魔法陣を展開する。

 本来なら数人がかりで数十分の詠唱を要する神級の『隠密強化魔法』だ。それを彼女は、ノンタイム・無詠唱で発動させた。


「私の代わりに推しを全力で護れぇぇぇ!!」


 ドォン! と時計塔の窓から放たれた魔力光弾が、一瞬で裏山へと着弾する。



◇◇◇


「……くっ!」


 背後からの気配に気づいたクラインは、回避が間に合わないことを悟り、歯を食いしばった。

 しかし、衝撃は来ない。

 それどころか、自分の身体の内側から、未だかつて体感したことのない『超絶的な力』が湧き上がるのを感じた。


(なんだ、この感覚……!?

身体が軽い。魔力が十倍……いや、それ以上に膨れ上がっているだと……!?)


 身体を包む、温かくも圧倒的な光の加護。

 クラインの瞳に鋭い光が戻る。彼は剣を握り直すと、一閃。

 ただの横薙ぎの一撃から放たれた衝撃波は、迫り来る魔獣・ギガントウルフの群れを一瞬で、跡形もなく吹き飛ばしてしまった。


「……終わった、のか?」


 静まり返る裏山で、クラインは己の手を見つめる。

 これで何度目だ。

 最近、自分が危機に陥るたび、どこからともなく『護りの加護』が飛んできて、護ってくれる。ただ通常の加護とは違い、魔力を向上させる能力も入った、もはや神の領域レベルの魔法。


(誰かが、俺をずっと見守っているのか?

それにこの魔法は一体……)


 クラインの胸に、正体不明の救世主への強い執着と、微かな熱が宿りはじめていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ