第一章1「プロローグ」
聖華王立魔法学校。
剣と魔法を学ぶために作られた学校。
クラスは大きく三つに分かれており、騎士クラス、魔術師クラス、そして一般クラス。
更に騎士と魔術師には特級クラスが存在している。
そんな学校の敷地内の最果て、鬱蒼とした森の奥に「開かずの時計塔」がそびえ立つ。
そこには、恐ろしい『時計塔の怪物』が棲みついており、近づいた者は呪われてしまう。
なんて不穏な噂がまことしやかに囁かれている。
けれど、その実態は――。
「ふ、ふえぇ……生クライン、尊い……今日も顔面の作画が神がかっておられるぅ……!」
これである。
埃ひとつない綺麗な時計塔の最上階。
神羅万象の魔力を宿す規格外の大魔法使い、ルウシェ・ホワイトは、愛用の特大毛布にくるまりながら空間に浮かべた『水鏡』を食い入るように見つめていた。
水鏡に映っているのは、学校の裏山。
そこで一人、大剣を構えて凶暴な魔獣・ギガントウルフの群れと対峙している黒髪の少年がいた。
クライン・ミストレイク
学校一の天才と称される特級騎士クラスの先輩。
そして、ルウシェにとっては、前世で人生を捧げる程にやり込んだ乙女ゲーム
『ロマンティック・ウィッチ』
の最推しキャラクターその人であった。




