レティシア式スパルタ王女教育 お風呂編ーレティシア視点ー
訓練が始まって数ヶ月がたったが以前と変わらずピース様とご一緒に入浴する日々を送っている。
まずはピース様がお体を洗うお手伝いをしてから自分のを洗う。
この時ピース様はすぐに湯舟へとかけて他のメイドと雑談をしに行ってしまう。
まぁ社交界での情報収集の練習と思えばあいつらなりにピース様の役に立っているようだ。
私が湯舟に向かうとピース様周りに群がっていたやつらが私が入る分のスペースを空ける。
この辺はメイド間の力関係の差とでもいうべきだろうか?
片やただの貴族子女の一般メイド…(それでも上位には位置しているが)…でしかない有象無象と誰かの専属メイドとでは待遇が違うのだ。
例えば彼女らは基本3日に1度しか大浴場に来れないが、私はピース様がここに来られるためその中でお世話をするという名目で毎日来ている。
これは業務範囲内なため追加料は掛からない。
ピース様個人用の湯舟もあるにはあるがピース様は大きなお風呂がお好きなのかこちらに入ることが可能となった日からはこちらで入られている。
一般メイドの中でも上位といったが彼女らはメイドでもあくまで貴族の子女である。
今は実際に家事を行いどこが汚れやすくどこで手抜きが起きやすいかを実地で体験し将来どこかに嫁いだ際に貴族婦人として使用人をまとめる研修期間のようなものだ。
実際に家事をするとはいえ洗濯物は比較的綺麗なものしか回されないし掃除も普段から行き届いている所に配置されるためどちらかというと王族の子や地位のある者の部屋の近くだったり役人同士が会議を行う際の小間使い、暗殺防止の監視役としておかれている意味合いのが大きい。
その結果彼女たちの噂話に拍車がかかるのだが…
そんなわけでハウスメイド、ランドリーメイド、スカラリーメイドなど本当の雑用に従事するメイドは別にいる。
そういうメイドたちはこの大浴場には入れない。
暗殺だったり単に顔や体に傷をつけられる可能性を排除するためだ。
私は常に魔力の流れを把握することに努めている。
不意打ちに備えるのは護衛の務めである。
急に湯舟の温度が上がり熱湯となり可能性もあるし、湯気を換気している風魔法使いが襲ってくるかもしれない。
そのためこれは必要な措置で副産物でピース様の素晴らしい裸体を拝めるのはのは偶然だ。
目を瞑ると脳裏に焼き付く黄金比の完璧な体には
この3ヶ月で引き締まった腰
余計な肉は付いていないが華奢とも言い難い瀟洒な体
これから豊かに実るであろう胸
今はまだ流線型を描く体のラインもそのうち美しい曲線を描くに違いない。
そんな一種の芸術品が日々作成されていく。
その記録を毎日取れるとは私はどれだけ幸運なのだろうか?
ピース様を膝の上で抱きかかえ至福の時間を満喫していると間近から水魔法を検知し慌てた警戒態勢に入る。
風魔法を使っている魔術は暗黙の了解でピース様から最も離れた位置にいる。
交代で別のが入ってきた様子もなかった。
周りのメイド達はピース様との会話に夢中だ。
ということは必然的に術者はピース様ということになる。
成り行きを見守っていると人のいない区画に波紋が広がりそれが外側にいたメイド達の体を揺らし数人から変な声が漏れてた。
水の揺れ程度で感じるとははしたないにもほどがある。
しかも王族との入浴中だというのに…
幸いお話に夢中になっているピース様は気づかれておられないご様子で安心した。
もし気づかれたらなんと説明したものか。
粗相をしたあの者たちを使って事細かに説明する手順を考えたが終盤になってピース様がまだ十歳だということに思い至り思考を破棄した。
いくらなんでもまだ早過ぎる。
あと2~3年経って情操教育が次の段階に入った際は私が一肌脱ぐとしよう。
そんな決意のもと私は新たな訓練方法を模索するのだった。
レティシアさんは8年ほど前にピース様に脳を焼かれましたが、現在は愛情があらぬ方向に乱舞しているようです。
ピー✖レティかレティ✖ピスどちらか見当もつきませんが次回作にご期待ください。




