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レティシア式スパルタ王女教育 剣術編

 父さんから条件を出された私はここ数か月午前中に座学、午後に訓練、夜は一応自由時間というルーティンを行っている。


 レティシアと剣を交えるのは不思議と苦じゃない。


 レティシアは私のレベルより少し上の力しか意図的に出さずに私に訓練を施している。


 私が今レティシアの出しているレベルに到達したら次の段階が即座に用意される。その繰り返しだ。




 木刀を寸止めされた私が疲労困憊で倒れこむと心配そうに駆け寄ってきてしゃがみ込み、優しく微笑む。長い銀髪がはらりと落ち、それを指で(すく)った。


「ピース様大丈夫ですか?お怪我はございませんか?」


 などと聞いてくる。怪我はないけど誰のせいで疲れとると思っとんのじゃい!

「怪我はないよ。少し休憩したら続きしよ?」


「分かりました。冷たい紅茶を用意いたしますね」


 などと供述…じゃなくて準備に取り掛かったレティシアは汗一つかいていなかった。マジかよ。


 休憩も終わり訓練が再開したのだが、レティシアの剣の腕前はかなりのもので、訓練が始まって少ししたころ兵士にしつこく絡まれていた時があった。


 私がどうしようか悩んで視線を外したわずかな時間であっという間に相手の剣を奪いその首元に突きつけたのを見たことがある。


 真面目で美人だが融通が利かない、ちょっとおっかない人。それがレティシアだ。


 だから私が手を抜いていたらすぐ見抜いてくるので、剣術は本気でやる必要がある。


 だが今まで私は全力全快で相手していたわけじゃない。


 そう私はこの訓練の間魔法を一切使っていない。


 それがどんな評価になっているのか定かではないがここいらで魔法も解禁していこう。



「さて第二ラウンドを始めようか!」


「…?えぇ前後左右どこからでもいらしてください!」


 ごめんそのどこからでもないんだ。


 この世界において魔法とはどれだけイメージできるかで決まるといってもいい。


 例えば炎系の魔法だと暖炉の火しか見たことない人間と山火事を見たことのある人間だと後者の方が強力な火を出せる。


 だからスクラップを溶かす溶鉱炉や火力発電の映像を見たことのある私がイメージする炎はこの世界換算だと規格外となる。


 そんな私も流石に永遠の炎(エターナルフレイム)なんてものは出せない。


 原子核の炎(ニュークリアフレイム)なら何とかなるかもしれないが土地の汚染とかの二次被害の規模がわからない以上気軽に練習することができない。


 そんな危険な魔法をレティシアに使う気なんてないけどね。


 余談だが生まれた時に守護地域がどうこうって会話があったけどあれはそこを見ることで魔法のイメージを掴みやすくするためみたい。


 波で水のイメージと潮風で風のイメージを膨らませるのが目的だと父さんからレティシアが退出した後にアドバイスしてくれた。


 あとは国王になるための事前教育の「統治」の舞台と他の兄姉(けいし)が王位を継いだ場合にその土地が自分の領地となり身分も公爵となる。


 ということで今回使うのは身体強化で筋力を向上させ瞬歩に近い速度で一気に間合いを詰めると同時に飛行魔法で空に飛び土魔法でレティシアの足場を上にかち上げ間合いをぐちゃぐちゃにする方法だ。


 これに剣を振り下ろす時は風魔法と飛行魔法を解除することで自由落下運動の力も加えられる。


 模擬戦では役に立ちそうなプランてんこ盛りなのだがどこまで通用するのやら…


 始めはブラフのために普通に切り合ってみる。


 かん!かん!かん!かん!私とレティシアの木刀が切り結ばれるたびに甲高く気持ちのいい乾いた音が幾度となく響く。


 レティシアは木刀を握り、真っ直ぐに切り掛かってくる。


 振り下ろす剣を軽くいなしながら、レティシアへと木刀の切っ先を返した。


 レティシアはそれを受け、距離を取った。勝負はここだ!


 今まではここで次の作戦を考える間があったが今回はそれがない。


 実戦ではわずかなスキが命取りって教えてくれたのはレティシアだ。


 ならこのスキを生かさずして勝利など無いのだ!


 私はかねてより用意していた作戦を実行した結果。




「身体強化と飛行魔法を組み合わせえて間合いを一気に詰めると同時に身長差をカバー、土魔法で私の足場を奪い風魔法とこちらも身体強化で腕力を上げた一撃。お見事ですが魔力の流れが(いささ)か分かりやすすぎます。」


 レティシアは私のやろうとしていたことのほぼ全てを言い当ててから自ら競り上がった足場から飛び降りることで私の間合いから外れた。


 私は理解が追い付かなかったせいで飛行魔法の展開が遅れたがあらかじめ落下地点に待ち構えていたレティシアに抱えられる形で事なきを得た。


「ありがとう」


「どういたしまして。それにしてもやっと魔法を使われましたね。以前魔法と様々な流派の剣術や武術を組み合わせて画期的な戦闘方法を模索されていましたが目途がつかれましたか?」


「あーそういうのもやってたね~もう一回チャレンジしてみるよ!」


「はい!私は水や風といった攻撃魔法を使われても問題ございません。持てる力のすべてを使って私に向ってきてください!では宣言通りもう一本行きましょう!」


「え⁉なんでそうなるの…」


 レティシアのもう一本はその後昼5の刻(16時)まで続いた。

やっとピース様が魔法を使われ始めました。これでキーワード詐欺回避です。

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