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再就職先は異世界の十三王女でした

 女性だった。


 ごく普通の民間軍事会社(P M C)職員だった私は何の因果か王族として転生した。


 名前はカー…じゃなくてピース、ピース=メッセン=キャロル


 キャロル王国第十三王女。それが私の新しい名であり地位だ。


「ピース様」やら「十三王女殿下」とか「ピース王女殿下」「十三の姫」と呼ばれている。


 年齢は十歳になりこの生活にも随分慣れてきたと思う。全ては時間が解決してくれるというのはあながち間違いではないのかもしれない。


 そう解決してくれたのである。違和感に気づいたのは2~3歳のころだろうか?


 1~2歳のころは体を思うように動かせないので脳内シミュレーションに明け暮れていた。


 だからこのころは気が付かなかったのだ。決して私が鈍いとか鈍感だとかでは断じてない!


 やっていたことといえば

 どこの所属か知らない兵士の訓練を見学し魔法ありの戦術や対魔物の戦い方を学んだり(兵士からは我々の訓練を視察していただきありがとうございます!と何故か感激された。私まだ幼児の年齢ぞ?)


 4~5歳のころに王立一般蔵書室…(私は勝手に第一図書館って呼んでる)…で初級魔術書を読んだりして、この世界のレベルを頭の中にインプットしてた感じ。


 図書館の管理人…(勝手に司書さんって呼んでる)…からは

「本日もいらっしゃっていただきありがとうございます。王族の方が足(しげ)く通われる蔵書室と呼ばれ私は鼻が高いです!宮廷魔術師の方々も将来ピース様に魔法を教える際の参考にと大勢来られて読まれた本などをチャックしに来られるんですよ?これピース様が読まれそうな品をあらかじめ確保しておきました」

 なんて言って特別扱いしてもらっている。うれしい。でもこの子、結構神経が図太いのだ。あれは第一図書館初めて来たときのことだ。



「どこの家の子かな?迷子?お姉さんと一緒にここでおうちの人が来るの待ってようね」


 なんて言ってあれよあれよと膝の上に私を座らせて童話を永遠と読み聞かせてくれたのは忘れんぞ。


 昼食の時間になっても

「おうちの人遅いね~お話合いが長引いてるのかな~?」


 なんてのんきなこと言ってるが読み聞かせ終わった本の塔が4本作られてるのに気づいてる?

 あ、こら5本目に取り掛かるんじゃない!


 その後姿の見えない私を心配した父さんが第一図書館まで、メイドさんを迎えに出してくれた。


 その人から私がどこの誰で今どんな状態か説明されて青くなってたけど知ったこっちゃないね。


 食事中にこの恨みどうしてくれようか悩んだ末。父さんに


「今日、本を読んでくれたお姉さんを夜の寝る時の読み聞かせの人になってほしい」

 って無理難題を吹っ掛けることでチャラにした。

 だってねぇ図書館管理人って朝4の刻(9時)から夜2の刻(20時)の11時間勤務だよ?

 昼と夜を食べる用にそれぞれ1時間ずつの休憩時間は設けられているけどそれでも9時間労働である。

 そこから私が寝るのが夜3の刻(21時)だから1時間の残業。んーブラック。


 因みにこの世界では1日を朝の1~6の刻(6時~11時)、昼1~6の刻(12時~17時)、夜1~12の刻(18時~5時)で区分されている。


 ただここで問題発生である。王宮内かつまだ1~2歳ということで行動範囲もたかが知れていた私には専属メイドが居なかった。


 というよりは基本部屋で過ごしていた私は呼び鈴を鳴らすと何故か都合よく近くで掃除や巡回をしていたメイドが対応する。


 そしてなんだかんだ理由をつけてずっと私の相手をしている状態だった。


 つまり誰かしら部屋にいるのだ。


 しかし今回図書館とはいえ一応王宮の外で起こったことだ。



 ということで少し早いが私に専属メイドが護衛兼教育係(監視役)の名目でついたのだがその人は父さんが迎えによこした人だった。


 あとで小耳にはさんだが何人もの立候補があった中、最終選考まで残り父さんの指名を経て勝ち抜いたらしい。


 そのメイド…「レティシア」はとにかく私に付きっきりだった。

 流石に食事中やお手洗いは違ったけどどこに行くにもぴったり3歩後ろを歩く。

 なにか頼みごとをしても平然とベルを鳴らして悔しそうな顔をしながら部屋に入ってきたメイドに任せる。

 いや仕事を他の人に任せてそんな顔するなら自分で行けばいいじゃん…

 あ、私が一人になるのは許容できないですかそうですか。



 ある日ふと本格的な歴史書が読みたいって言ったらまだ早いとかなんとかひらりとかわされた。

 生々しい話はまだ早いとかなんとか言って。


 情操教育かなのかは知らないけど年相応の本とかでごまかすのやめてほしいな。

 いやまぁこれでもある程度は王国や諸外国の歴史が知れるのはありがたいよ?

 子供向けというか姿勢向けの。私はちゃんとした歴史が知りたいのに…

 はっ!これが大人の処世術⁉


 ならばそっちがその気ならこっちにだって考えがあるもんね~

 夜図書館に忍び込んでやる!



 なおこの暴挙は起き抜け3秒でレティシアに見つかりバレそうになるのを

「お手洗い行きたい(モジモジ)」

 という迫真の演技をかますことで難を逃れた。

 ピース一生の不覚。



 そうそう話が脱線しまくったけどなんで違和感に気づいたのだったね。

 それはズバリ毎朝メイド達に着せてもらう服がどれもこれも可愛らしいのだ。

 フリルがついてたりピンクや空色、白に黄緑とお姫様が着る色しかない。

 いや現にお姫様なのだから間違ってはいないのだが…黒を着させろ!黒を!


 極めつけはレティシアから

「ピース様は女の子なのですからもっと可愛く着飾りませんと…それにそろそろブローチやネックレスなどのアクセサリーもお似合いになるご年齢かと」

 なんて言われた。やだね!



 とまぁ愚痴はこの辺にしてこの世界について分かったことを整理すると魔法あり剣術あり武術あり銃なしの中世ヨーロッパみたいな感じ。


 銃が無いのは至極当然で火球(ファイアーボール)水球(ウォーターボール)風の刃(ウィンドエッジ)を飛ばすほうが補給要らずで効率的だし、仮に銃があったとしてもそれは地面に魔力を流して土流壁(ウォール)を作れば簡単に無効化できる。


 対物(アンチマテリアル)ライフルやRPGがあれば突破はできるだろうけど前述した魔法のほうが次弾発射が早いのである。術者の詠唱速度依存だけどね。


 あと魔術師は基本飛行魔法で移動しながら有利位置(ポジション)を取り合う関係上戦闘が高速化しやすい傾向にある。

 スナイパーが一発撃ったら即離脱して反撃(カウンターショット)を受けないようにする感じ。


 でもお互い空飛んだり身体強化で移動するから遠距離戦は序盤の小手調べくらいでしかやらず、決着がつくのは格闘戦も含めた近距離での接近戦だね。


 うん。つまり魔法戦は私の土俵尽くめってわけ。早くやりたいぜ。

名前についてですが

ピース(個人名)=メッセン(家の名前)=キャロル(王族の証)という想定をしています。

他の貴族や一般市民は(個人名)=(家の名前)です。また○○○と個人名しかない者は家名を名乗ると不利益がある者で「訳アリの人」です。

今後登場した際に思い返していただけると幸いです。



まさかの約3年の間自分の性別に気が付かなかったピース様。鈍いですねぇ。

国王陛下は「ピース」としか呼んでいませんでしたし、周りのメイドは「ピース様」と呼んでいたという偶然が重なった結果でもあります。

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