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カールの転生先

夜にもう一話投稿する予定ですのでそちらも読んでいただけると幸いです。

(知らない天井だ…)


 目が覚めると、ふとそんなことを思った。


 白い壁、窓は無い。


 蠟燭の明かりに照らされて机やクローゼット等のアンティーク調の家具、赤ん坊がキャッキャと喜びそうな手作りっぽいぬいぐるみ……


 そして、ベッドに寝かされている私。


 ここは赤ん坊の部屋だろうか?


 ここは冷静になって自分が何者か把握する方が先決じゃないか?


(えーと)


 私の名前はカール・J(ジョセフ)・ミラー、38歳。186cm,74kgというすらっとした長身に肩胛骨のあたりまで伸ばしたサラサラの黒髪、色白の肌に黒のトレンチコートがトレードマークの男。趣味はチェスと将棋で好きな酒はマティーニ。

 親の顔も名前も知らない。どうぞよろしく


 親の名より言い慣れた自己紹介の決まり文句。まぁ顔も名前も知らないんだから当たり前だ。これで一笑い起きてアイスブレイクは終了ってわけ簡単だろ?


 問題は今見てる景色が「いつも」と違う点だ。

 視界内の手はふっくらと丸いし声を出そうにも上手くいかない。

 現状を打開できないかと試行錯誤していると巨人が視界に入った。

 音や気配で接敵に気づけないとは…完全に失態だ。

 そんな私にできたのは目を見張ることくらいだった。



「あら 笑ってる。可愛い」


 そんな声が聞こえたが気がするが警戒を怠った(おこたった)自分自身に悪態をつきながら懸命に手を動かし戦闘態勢(ファイティングポーズ)を取った。

 しかし目の前の巨人は無警戒に…いや愛おしそうに頬に手をやり撫でてきた。

 気持ちいい。


(母さん?)


 は?私は何を言っているんだ?親の顔も名前も知らんと言ってきただろう。

 あ、いや思っただけだからおかしなことではないのか。

 ならば親の愛情というのはこういうものなのだろうか?

 初体験だがこれはくすぐったいな。


(あぁこのまま身を任せて、眠ってしまいたい)


 推定母親が母性を滲み出させて私を見守ってくれている中で眠りかけていると


 ガタン、と音を立てて、離れた所でドアが開く音と、複数人の足音が聞こえた。


「陛下!」


 え、陛下?


 母さんがびっくりして音の方を見たが、その呼び名に私はもっとびっくりした。


(お偉いさんじゃないですかやだー)


 いかんいかん仲間の口癖が出てしまうくらいには驚いてしまった。


「よいよい、そのままにしておれ」


 威厳のある声の後に、足音がこっちに近づいてきた。


 母さんと入れ替わりに、今度は金髪に白が混じった五十から六十ほどに見えるじいさんが顔をのぞき込んできた。


 老兵を見たら生き残りと思うように刷り込まれている私は険しい(当社比)顔をした。


「壮観で凛々しい顔をしているな」

「あらさっきまで天使のような顔をしていたのに…陛下の御前と理解したのかしら?」

「はっはっはっ!そうだとすると賢い子よ」


(いやまぁ敬意をもって接しようと体が動いただけですね。でもまぁいい感じに解釈してくれたからこれはこれでいいのか?)


「ふむ、いい顔だ。目もとにお前の面影がある」

「ありがとうございます。わたくしには、鼻や表情が陛下そっくりに見えます」

「そうか。お前が言うのならその通りなのだろうな」


 え?なに、面影とか、そっくりとか……。私はこのじいさんと母さんの子供…?


(なぜにそうなった???)


 っていかんいかんまた仲間の口癖が…っておかしい。

 もしかしてキャラというか口調が私とこの赤ん坊とで混ざり合ってる?


 兵士としてなぜこうんな事象が起きたのか理解しないといけないんだろうが止められないものはどうしようもないしなぁ…

 なるようになれ~


(父さんが抱きかかえてくれたが睡魔に耐えられず微睡む(まどろむ)ことにした。

 あーあ。ここでの初睡眠は母さんの腕の中が良かったんだけどな~

 なんてのんきなことを考えられる今の私のことを幸せ者と呼ぶのだろうか?)


「それよりも陛下、この子に名前を」

「うむ、それならもう決めてある。この子はピース」

「まあ……素敵な名前」

平和(peace)か。いい名前だなぁ)


「陛下」


父さんの更に向こうから若い落ち着いた男の声が聞こえてきた。


(一緒に入ってきた人たちかな?今家族団らんしてるんだから邪魔しないでよ~)


「サームか」

「はい」

「なんだ?」

「守護地域を決めませんと」

「どこをあてがうべきだろうか?」

「ご兄弟との兼ね合いを考えますと風関係でしょうか」

「風か。候補は?」

「風にまつわる土地ですと海と山、平原の3種類ございます。」


(山山山!山で!山にしてくれ~!)


「ご成長なされた際に何かと有利かと。」

(なにに?)

「うむ、ではピースの守護地域は港の城塞都市カレントモルトにすることに決めた。万事滞りなくすすめよ」

「御意」


(港…海か~この世界に海鮮料理って存在するのかな?)


「疲れただろう?ゆっくり休め」

「はい。そうさせていただきます」

(それはそうと色々難しそうな話が出てきてなんだか一気に目が覚めちゃったよ。風かー。んー(テンペスト)?あれには泣かされたな~せっかく張ったテントがおじゃんだもんな~山の天気は変わりやすいからってそりゃないぜって何度愚痴ったものか)



 ん?そんなこんな考えてたらみんないなくなっちゃった…

 えーこういうのってかわいいメイドさんとかがつきっきりで寝かしつけてくれるものじゃないの?


 それにしてもこの世界(?)には魔法があるのか~?楽しみだな~

 近接格闘術(C Q C)に色んなもの付与したら使い勝手いいだろうな~

 銃は無いだろうから走ったり剣とか持てるようになるまでは脳内シミュレーションしまくるぞ~


 正直この時うかれていた。そのせいの確認しておかなければならないことが抜け落ちていたことを認めざるをえない。


 そして脳内シミュレーションに没頭していた私はそれらに気づかぬまま成長していった。


 そのうちの一つが自分の性別である。



 私の性別は

お知らせにも書きましたが本作品はお話の流れがぐちゃぐちゃになると判断し【戦場生まれPMC育ちの転職譚】シリーズともう片方の作品にお話を分けることとなりました。

【戦場生まれPMC育ちの転職譚】シリーズはキャロル王国がある世界のお話を描きますのでどうぞよろしくお願いします。

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