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付与魔術で遊ぼう!いざ実践編

「さーて、早速始めるぞ~」

 まず手に取ったのは沢山数のある鋼の剣、練習用だね!まずはこの辺りから試して付与魔術の感覚を養っていこう。

 あらかじめ小分けにしてある魔液を、鋼の剣に術式を編み込んでいく。

 とりあえず強度増加を三重+鋭利増加くらいでお試し。

 術式を編み込んだ魔液を一本目の鋼の剣に塗り、自然乾燥させる。

 ここでずぼらをして風の魔法なんて使った日には未定着の術式がどこかに飛んでいった先で定着してしまうなんて事故が発生する。


「……ん?」


 しばらく観察していると、剣にいくつも細いヒビが入りピキ、ピキとひびが入るような音が鳴り、やがてヒビがつながり剣は真っ二つに折れてしまった。


「ありゃ、慣らしでも耐えれなかったか」

 魔液は新品だと魔力伝導効率が良すぎる欠点がある。だから何度か使用して慣らしの作業が必要なのだ。

 これは買ってきた本に書いてあったのだが、いい買い物をしたものだ。

 慣らし作業で10本ほど折れたが必要経費と割り切っていたらようやく「強度増加を三重+鋭利増加」の付与が定着するようになった。

 とりあえず訓練用と携帯用と予備で50本くらい付与魔術を施した剣を用意した。

 色々試してたら30本ほど失敗したのであと20本くらい残っているのだろうか?

 色々準備してくれたウルメリアお(にい)さまには近衛に渡すものよりランクの高い剣を渡したい。

 なんて考えてたらウルメリアお(にい)さまのとこのメイドさんが

「ご主人様より言伝(ことずて)がございます。『ピース様が付与魔術に慣れたらこれを渡してくれ』とのことです」

 そういってなんか高そうな剣を渡された。

 なんじゃこりゃ?

「これただ高い剣じゃないよね?」

「はい。火炎鉱が芯に使用された魔剣にございます」

 魔剣には剣を鍛える段階から術式を組み込んだものと、属性に好相性を持つ鉱石で作られたものの2種類がある。

 前者の場合は鉄を叩きながら付与魔術で術式を練りこみ、折り曲げてまた術式を練りこむ。

 これを何度も繰り返すことにより、通常の付与とは比べ物にならないほどの術式を編練りんでいる。

 手間のかかり具合も全く違うのでかなり高価らしい。

 この手の魔剣は魔法が苦手な者でも膨大な魔力を込めれば付与された魔法がある程度の威力を出せるように作られている。

 逆に得意な者が使うと燃費がよくなる。

 私はこの手の外付けアイテムが大嫌いなのでもし作るなら「強度増加を三重+鋭利増加を五重+形状記憶」くらいだろうか?

 形状記憶とは剣に己の形を覚えさせ魔力を込めるか、純度の高い魔鉱と一緒に再度鍛えると記憶させた形に戻る付与術式のことを指す。



 後者の場合は火山で採れる金属に火炎鉱という炎の魔法に相性のいい鉱石で作られた剣だ。

 これは持っているだけで触媒としての役割を果たし魔性の威力が上がる。

 で、ウルメリアお(にい)さまはこんな剣に更に付与魔術を施そうとしているのだ。

「ウルメリアおにいさまはどんな術式を付与したいとか言ってた?」

「『魔力増幅と安定率増加があれば射程1000mの大台も突破できる』とおっしゃっておりました」

「了解。残りの20本ちょいで練習して最後にメインディッシュをいただきますか~!」



 最後の1本以外粉々に砕けてしまったがなんとか付与できる術式を見つけた。

「よーし!ほぼぶっつけ本番だけどいざ尋常に勝負!」

 術式付与が終わると、剣から「シューー」という音と白い煙が昇り始めた。

 アカンこれ爆破するやつや…

 そんなことを思っているといきなりウルメリアお(にい)さまのとこのメイドさんが私に覆いかぶり押し倒してきた。

 驚き目を見張っているとしだいに音がなくなったので窓を開けてもらい、充満していた煙を風の魔法で排出した。

「結果何ともなかったけど助けてくれてありがとう」

「い、いえ…咄嗟(とっさ)にできるのはあれくらいでしたから」

 なんてやり取りをしながら魔剣の状態を確認するがしっかりと付与は定着したようだ。

 めでたしめででたし。



 では終わらなかった。

 付与魔術用の部屋で白煙が昇ったのだ。

 しかも十三王女殿下のいる部屋でだ。

 大惨事にならないわけがない。

 隣にいた宮廷魔術師たちが部屋に突入した瞬間水の魔術を発動し消火を試みた結果私とウルメリアおにいさまのとこのメイドさんはその水の魔法をもろにくらった。

「ドンドンドン!ピース様大丈夫ですか!?」

「おい!それよりも消火だ!」

「扉を開けると同時に水魔法だ!一刻を争うぞ!」

「突入!」

「「「「「アクアウェーブ!!!!!」」」」」

「「へ?」」

バシャーン!って感じ。

何かのコントかな?



「「「「「「申し訳ありませんでした」」」」」」

「もとはと言えば白煙を出しちゃった私が悪いんだから気にしないで?それよりも助けようとしてくれてありがとね?」

「私の方からもお礼申し上げます。大惨事になる可能性もございましたので皆さまには感謝しております。ではここの後片付けを頼んでもよろしいですか?我々は行くところができましたので…」

「行くところ?」

「はい。ピース様のお召し物が濡れてしまったので着替えに行こうかと。ついでにわたくしも」

「あ!どうぞどうぞ」

 そんなこんなで私は2時間後に付与魔術用の部屋(事件現場)に戻ってきたところあと片づけは済んでいた。

 因みに先に付与魔術を施した剣たちは魔剣に付与する時に爆発してもいいように結界を張っていたので無事だった。

「そういえばあなたのことずっとウルメリアお(にい)さまのとこのメイドさんって呼んでたけど長いわね。あなた名前はなんというの?」

「え?サラ、サラ=レオニーって言います」

「サラか~今日はありがとね~」

「ッ!こちらこそ貴重な機会をありがとうございました!」

ここまで毎日投稿にお付き合いいただきありがとうございました。

しばらくの間、水曜、土日祝日の週3+α投稿にしようと思います。

変則的な投稿間隔ですが、楽しく読んでいただけると幸いです!

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