レティシア式スパルタ王女教育 観察眼編2ーレティシア視点ー
あの後露店では魔術書以外でめぼしいものを発見できなかった。
私はピース様が他の露店に行かれている間にこっそりと魔術書を2冊買った。
これはピース様のお誕生日ですのでそのプレゼントと、私が許可を出して「王立魔法蔵書室」に入室できるようになった際のご褒美に1冊ずつお渡しする用だ。
普段ならばあり得ないことですがお昼ご飯を向かい合って二人で食べ終えるとピース様は一つの商店に入られた。
確かあそこはドレス生地を主力商品している新進気鋭の商店だったと記憶している。
ピース様が何を求めているのかわからなかったが私に深淵の黒真珠を見せるよう命令されたところでだいたい把握できた。
この真珠にあったドレスを仕立てるつもりなのだ。
なるほど宝が無ければ作ってしまえばいいというわけか。
少々グレーな手段だが実際あれだけ露店を探し回ったが私の目から見ても魔術所以外は及第点にすら届かない始末。
ここは闇雲に店に訪れるのではなくこういった柔軟な発想に至ったピース様を褒めるべきだろう。
3店目では靴をお仕立てなされた。この店は特筆すべき点のない普通の店だが、採寸の際に事件が起きた。
店主の手がピース様の素足に触れたのだ。ピース様に気にされた様子は無いが、危うく私は切りかかりかけた。
ピース様が「お宝探しはここまでにして魔術書を買いに行く」とおっしゃられたので6冊買うことができると説明するとウキウキで場所を呼び魔術書を買いに向かわれた。
どうやら目星を付けていたのが丁度6冊だったようで後悔の念に押し潰されそうだが何とか平常心を保ち王宮への帰路についた。
そういえば今回商会での金銭取引は私が担当した。
理由の一つがあの下の店でまともな金銭面のやり取りや対応がなされるとは到底思えなかったからである。
まず前提として貴族は王国民の税で生活しているといっても過言ではない。
そのため貴族が買い物をする際は相手の言い値に手間賃として1~2割ほど多めに払うが通例だ。
これにより市場は循環する。
一見損をしていると思うがそこは貴族個人の手腕しだいだ。
そこの所ピース様は幼いころから事前に厳選された品とはいえ売り込みでのお買い物には貴族的な値段の付け方での適正金額で買われている。
ただこいつは下。
ピース様を相手に適正金額を示すとは思えないため私がやさしく商談をしてやることにした。
しぶしぶだが隣室で値段を伝えてきたがやはり法外だった。
たっぷり時間をかけて話合い満足のいく結果になった。
ほか午後に寄った2軒は適正額を付けてきたためスムーズに終わった。
この2軒は王女殿下のドレスと靴を仕立てたとして触れ回るだろうがそれは当然の権利なので気にしない。
商会はこういった幸運や地道な努力で貴族とのコネを築いていくのだ。
さて後処理が終わったら今回の遠征は終了となる。
ピース様はお楽しみ頂けただろうか?
文字数が過去最少との記録更新となりましたがお楽しみいただけましたでしょうか?
これからもまったり自分のペースで投稿していこうと思いますのでよろしくお願いいたします。




