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知識は力なり〜no-rezzi is pawaa〜

 博と力雄は、扉の前で1時間以上悪戦苦闘していた。

 扉には、三角と四角の図形を動かすパズルと、1から9までを入力するパネルが付いている。おそらく「正解の形」と「正解の数値」を入力したら開くのだろう。

 博は図形を動かして55165と入力する。ブザーが鳴る。これで71回目の失敗だ。博は口に拳を当てて思考する。


 この迷宮の謎解きはこれで4つ目だ。これまでの傾向を考えると、位相幾何学と、古代メソポタミア文明の法律に基づいた解法が求められるという予想は立った。しかし、博はそれらの知識に明るいわけではない。不勉強を悔やんだが、悔やんだところで知識が増えるというわけでもない。

 力雄は、博が謎を解いている横で、ずっとスクワットをしていた。舌打ちを我慢する。この迷宮に入ってから、力雄が役に立った場面は無い。


「せめて文献の一冊でもあれば」


 博は扉に愚痴るように呟いた。力雄が肩を叩く。


「博、見ろよこれ」


 力雄が、10cmは厚みがあろう、巨大な本を持っていた。「最強百科事典」と表紙に書いていた。足下に、Awazon超お急ぎ便の箱が転がっていた。


「入ってて良かったAwazonプライム」


 力雄が白い歯を見せた。百科事典を両手で頭上に掲げた。


「知識はァァァァ!! 力なりィィィィ!!」


 力雄が扉に百科事典をぶつけた。大きな亀裂が入る。扉は、あっさり崩壊した。

 力雄は満面の笑みを浮かべた。

 博は、早くここから出たいと思った。

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