←結論
激しい頭痛がして、私は目を覚ました。
体を起こして辺りを見回す。どうやら現在は夜のようだ。周囲は仄暗く、品の無い電飾が微かに景色の輪郭を浮かび上がらせていた。
目を凝らす。何処かの路地裏に、私は寝転んでいたようだ。やけに肌寒い。私は何一つ身につけて無いことに気がつく。
何故こんなところで、しかも全裸で寝ているのかは、思い出せなかった。後頭部が酷く痛む。自分が誰か、それすらも思い出せなかった。
箱が傍らにあった。Awazon超お急ぎ便と書いてある。「赤川辰巳様宛」と送り状が貼ってあった。目覚めた瞬間にこの箱は無かったはずだ。私は、箱を開封する。中には「これはあなたが10秒後に欲しくなる商品です」という書面と共に、衣服が入っていた。
寒風が一陣肌を舐めた。鳥肌が立つ。私は矢も盾もたまらず、衣服に袖を通した。サイズがちょうど良かったから、私宛に来たと見て間違いなさそうだ。私はおそらく「赤川辰巳」という男なのだろう。頭はまだ割れるように痛んでいた。
人の気配を感じた。離れたところから、男がこちらを眺めていた。組織という文字が頭に浮かぶ。心臓が早鐘を打っていた。気がついたときには私は逃げていた。
「待て!」
男が追ってくる。はっきりとは思い出せないが、男が着ているのは「組織」の人間が好んで着る服だ。そのことが、私の恐怖心を煽った。
長い一本道だった。走っている先に、同じ服を着た男が立っていた。私は意を決する。もう、強行突破しかない。
男たちは、前後から飛びかかってきた。私はあっという間に羽交い締めになる。男たちの力が強すぎた。
「お、お前らは一体誰だ! 何故私を追う!」
私は精一杯に叫んだ。
「こちらを見た瞬間に一目散に逃げ出したからですよ。それに、あなたが着ているものが、」
男は懐から警察手帳を取り出した。
「セーラー服だからです」




