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BIG MOTHER IS WACHING YOU
『Round2 Fight!』
テレビ画面に、2人のキャラが対峙している様子が映る。
良二は、終始春一を圧倒していた。思わず笑みがこぼれる。徹夜でこのゲームを練習した甲斐があった。
だが、良二は嫌な予感がしていた。Awazon超お急ぎ便の箱が、自分と兄の傍に出現したのだ。
良二の操るキャラは、春一の操るキャラの攻撃をほとんど食らっていなかった。普段虐げられている恨みを、ささやかながら返せる。
「よっしゃ、これで終わり!」
とどめの必殺技コマンドを入力した途端、画面が明滅して、良二の操るキャラが倒れていた。良二は驚愕した。こんな状況は今まで見たことがない。兄の顔を見ると、下卑た笑みを浮かべていた。裏技か。良二は激しい怒りを覚えた。
「うわっ! 良二てめえ何しやがる!」
良二はコンセントを抜いた。画面が暗転する。良二はAwazon超お急ぎ便から木刀を出した。兄も木刀を出した。
良二は決意した。この暴虐非道たる兄を除かなければならない。ここからが本当の戦いだ。
良二は突撃した。兄は迎え撃った。母の拳が両者の頭上に落ちた。
「仲良く遊べ言うてるやろが!」
良二も兄も、あまりの激痛にうずくまった。




