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「電子書籍最高!」

 辰也は、読み終えた本を、()の最上部に重ねた。

 そのまま、万年床に寝転がる。全身に、心地よい疲労が溜まっていた。

 寝転がる辰也を、立ち並ぶ本棚の壁と、乱雑にそびえ立つ本の塔が取り囲んでいた。


 読書のためにあるような部屋であった。部屋のスペースの殆どが、本で占められている。キッチン、浴槽と、その通り道はなんとか確保していたが、それも侵食されつつある。

『重力の虹』のハードカバーを手に取る。ずしりと、重さが手に伝わる。

「存在していること」は素晴らしいと、辰也は思う。最近は電子書籍が隆盛しつつあるが、こうして確かな存在を感じ取れるのが、紙の本の魅力だと思う。


 一度、Awazonの電子書籍サービスを導入したことがあるが、どうにも味気ない。「果物」ではなく「果物味」を食べさせられてるような気分になる。タブレットの上で指を滑らせてページをめくる動作に、どうにも虚構感が拭えなかった。

『重力の虹』を塔に戻す。今日だけで5冊読んでいた。目薬を差す。眼球をマッサージして、大きく伸びをした。

 気分転換にSNSを眺める。フォローしてるのは、もっぱら出版社と作家のアカウントだ。さらさらと目を通すだけで、欲しい本が増えていく。

 Awazon超お急ぎ便の箱が次々と出現していた。読書漬けの生活と、このサービスはあまりにも相性が良い。辰也にとっては、書店に足を運ぶ時間すら勿体ない。

 ふと、早河書房のアカウントに目が止まる。辰也の目が輝く。


「600巻越えのSF大作!面白そうじゃん!」


 Awazon超お急ぎ便の箱が、更に出現した。

 床が、ぴしりと音を立てた。

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