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may探偵×may走×may推理
探偵は頭を抱えた。密室殺人のトリックは解明したが、物証が一向に見つからないのだ。
謎は私の掌の上です。そう言ってしまった手前、今更引くことなど出来ない。
「どうしたんですか探偵さん? 謎は掌の上なのでは?」
被害者の息子である近藤卓志がニヤニヤとこちらを見ている。探偵は歯噛みした。状況証拠だけなら、どう考えても彼奴が犯人だ。
探偵は部屋中を這いずり回った。引き出しの中、新聞の隅、こんなとこにあるはずもないのか?
ソファの下に手を伸ばす。何かが指先に当たった。覗き込む。小さい箱があった。Awazon超お急ぎ便、そう書いてあった。
探偵は誰にも気取られないようにそれを開ける。小さな釣針が入っていた。それを、見せつけるように掲げた。卓志が目を見開いた。
「物証ならここにあったぞ!」
「ば、馬鹿な! 犯行に使った釣針は私の部屋の床に隠し……あっ!」
卓志は、口に手を当てた。
探偵はにやりと笑みを浮かべた。
「皆さん、謎は私の掌の上です」




