第三十話
何とかサクヤちゃんに勝利した私達は明日の本戦への切符を手に入れた。
その後はウルトを考えたり、従魔達とコミュニケーションを取ったりしてイベント会場や島の中を巡り、時刻は19時、この後初のリアル配信があるのでその日はログアウトした。
リアルに戻って来るとメッセージが入っていた。
深雪さんからで隣の配信部屋に居るからおいでー、と書かれていた。
私がモタモタしている内にペルソナガールズのメンバーが既に準備を始めていたようだ。
毬萌さんと初音さんが紙皿や紙コップ、具材などを買い出しした物を広げていて、深雪さんはたこ焼き器の準備。
朔久耶ちゃんは茜さんの部屋からクッションやミニテーブル等を掻き集めたり、世麗那さんと桃瀬さんはカメラ機材などの調整をしている。
「美空、お化粧はする?それともウィッグとマスク?」
やる事を終えて手が空いたのか、深雪さんがそう尋ねてくる。
「そうですねー。マスクでもどうせ食べる時は外すんで軽く目元だけお化粧しようかな、と。ウィッグ、見せて貰えますか?」
「勿論。沢山あるから好きなの選んで。」
そう言うと深雪さんの指差す方向には沢山のウィッグがバリエーション豊かに並んでいた。
おぉー、趣味でコスプレするとは聞いてたけどこんなに揃えてたんだ。
ちなみにペルソナガールズのメンバーはそれぞれ食事用に口元がない仮面を用意しているみたい。準備良いなぁ。
後から聞いた話だけど実際にステージで使ってた備品を買い取ったらしい。
毬萌さん初音さんはモデルとして顔出ししているけど、配信の時は仮面を付けるんだって。
なんかアレだよね…
そう、エモいってやつ。
解散しててもペルソナガールズの事を大事にしてるんだって思った。
エモいは最近朔久耶ちゃんに教わった。
深雪さんはおかめ、世麗那さんはパピヨンマスク、朔久耶ちゃんは狐面で、毬萌さんはプロレスラーのマスク、初音さんは鉄仮面、とそれぞれ決めているらしい。
私も何か仮面を付けた方が良いのだろうか…残っているのはペストマスクとキャラクターのお面くらいなんだけど…両方茜さんの私物らしい。
ペストマスクが私物…?
「美空は仮面を被らなくていい。そのままで十分素敵。」
「そうですよ!美空お姉様はありのままで素敵なんですから仮面なんていりません。」
クッションを運び終えた朔久耶ちゃんも会話に混ざってくる。
そこまで言われると照れるなぁ…
「ありがとうございます。朔久耶ちゃんもありがとね。そのままで行くよ。えーと…ウィッグは…HALCAに近付けるとしてピンクのツインテール?この辺かー。」
深雪さんのコレクションを眺めながら呟く。
ビビッドピンクやパッションピンク、桜色などバリエーション豊かだ。
色的には桜色なんだけど、ミディアムボブだから長さが少し足りないかな。
長さ的にはパッションピンク辺りだろうか。
「おすすめは桜色にピンクブロンドを重ねる感じかな。美空ちょっと被ってみて。うん、良さそう。朔久耶どう思う?」
「ほわー!美空お姉様似合い過ぎですー!HALCAが現実に降臨したみたい!」
鏡に映る自分を見てみると確かにハルカにそっくりだ。まぁリアルコンバートした訳だから当たり前なんだけど。
「じゃあこれにします。深雪さん、朔久耶ちゃんありがとう!」
私が笑顔でそう言うと深雪さんと朔久耶ちゃんも微笑んだ。
うん、可愛い。




