第二十七話
そして始まったクインテット大会第六予選会場の決勝。
華天同士の対決が遂に幕を上げた。
先に動き出したのは舞侍さんとオヤカタ。
向こうは…いきなり琉歌さんとコトネちゃんか。
分が悪いだろうけど、そこはこの人が何とかしてくれる筈だ。
「さぁ、この楽しい余興に花を添えようか。〈狂笑賽子〉《幸運操作》〈幸運強奪〉」
もっセルさんがスキルを発動すると赤と黒のダイスが突然現れる。
1の面にはピエロが描かれておりケタケタと笑っていた。
ピエロがダイスを蹴り上げ、上昇し落下。
その時面は3を表していた。
3か‥と小さい声で呟いたもっセルさんの声が隣から聞こえる。
奇数は味方に、偶数は相手に効果があるようで、それぞれの出目によって与える効果が違う。
3は…パーティメンバーの能力を3つランダムで上げる効果だ。
《幸運操作》で着地したダイスが、出目を4に強制的に変えて数字は6になる。
6の効果は…ダイスが分裂し、相手に襲い掛かる強力な爆弾だ。
そして幸運強奪により、全員が致命的失敗となり、何も無い場所で転び始め爆撃の餌食となる。
「よし、ドーンさん今です!」
「おうよ!〈必中矢〉〈属性付与・火〉喰らえ!フレイムアロー!」
「チッ!ドーンを敵にすると厄介だね。〈雷撃〉〈サンダーフィールド〉!!」
いち早く復帰したガロウさん目掛けて、ドーンさんが放った矢が炎を帯びて襲い掛かるが、それを横跳びで避けて指から放たれた雷撃により撃ち落とされる。
続けて舞台全体が電気を帯び始める。
敵味方関係なく痺れ出すが、竜人として種族耐性を持つ琉歌さん、気合いで立ち上がったコトネちゃんには効果が薄い様だ。
「舞侍さん、コトネちゃんを止めて下さい。オヤカタは琉歌さんを。ドーンさんもっセルさんは二人のサポートお願いします。私は…数を減らします。」
ラクダを召喚し痺れから何とか逃れたモハメドさんを空中から踵落としで倒す。
次にガロウさんへ標的を変え雷撃を躱しその場でバク宙からの蹴り上げ‥所謂ムーンサルトを食らわせ更に拳に魔纏・氷で創り出した剣で串刺しに。これで二人脱落。
更に同じタイミングで舞侍さんがコトネちゃんと刺し違えてダウンして4対2。
向こうは…大丈夫そうだ。ドーンさんもっセルさんなら猪突タイプの琉歌さんとは相性が良い。引き撃ちしていれば勝てそうだね。
私はサクヤちゃんを前に身構える。
「流石ハルカお姉様です。一瞬で逆転されちゃいましたね。でも私にも意地ってものが有るんですよ!」
「そうだね、サクヤちゃんは芯が強い子だからね。今日は…勝たせて貰うよ。切札を切らせて貰うね。」
そうして私は未だに数えられる程度でしか勝てた事のない少女へと駆け出した。




