第二十六話
その後控室で落ち着いた頃を見計らってオヤカタが話を切り出す。
表情が固く、口を開いては閉じ言い淀んだ雰囲気だ。
他のパーティメンバーの私を見る目が少し不安げなのが気になるが、私は身内に甘いタイプだ。しっかり励まそう。
「すまねえな、嬢ちゃん。ワシは戦闘が苦手でよぉ。迷惑掛けちまう。」
「オヤカタ、そういうのは無しですよ?その為に皆で援護し合おうって決めたじゃないですか。それに動きも全然悪くないですし気にすることありませんよ!」
「そうだよ、オヤカタ。後ろにはこのボクとハルカ君がいるのだから気にせずどんと構えてくれ給え!舞侍くんもドーン君も皆が助けてくれるさ。」
神妙な顔付きのオヤカタが謝ってくる。
パーティ最年長で動きが悪いのを自覚しているのか済まなそうな表情で頭を下げていた。
私やもっセルさんがフォローして何とか頭は上がったがそれでも少し曇り顔だ。
そこで映像媒体を出して先程の試合の動きで何処が良かったか、何処が駄目だったのかを指摘し合い意見を交換していく。
全試合を公式が録画しているようでアーカイブから見れるようになっているのでこういう勉強会には必須である。
段々といつもの調子を取り戻し始めた四人が意見を活発化していった。
うん、これでよし、と。
それから他のチームも続々戻ってきて、皆笑顔が出るくらいには元気になっていた。
そして試合の時間が来た。
「ハルカお姉様!私達、負けませんからッ!」
「うん、全力でおいで!…と言っても私、今はステータス下がってるからコトネちゃんの方が強いんだろうけどね。まぁ…そこは姉としての威厳を見せるよ。チームDは油断ならない人が多いからね。」
「わー!やっぱりカッコいい!それでこそハルカお姉様です!サクヤちゃん頑張ろうね!」
「フフフ、コトネはまだまだ甘いね。ハルカお姉様は油断を誘ってるんだよ。でも私がいる限りそんな心配はないから安心してね!」
「ふふーふ!ワタしも微力ながら頑張リマすぞ!」
「アタシは好き勝手させてもらうからな?」
「あ、あの皆さん落ち着いて…ふぅ…僕の話なんかどうせ誰も聞いてくれないんだ…もういいや…全部…壊しちゃえ。あはは!」
お、おう?私油断を誘ってなんか無いんだけどな?まぁいいか。
二人の距離も縮まってるし仲良いのは見てて嬉しいからね。
モハさんは相変わらず片言だし、琉歌さんはマイペースだ。
最後のはガロウさん、話聞いて貰えなくて拗ねちゃったよ。
見た目は黒髪マッシュヘアで草食系ショタって感じなんだけど、遠慮がちで自己主張が苦手らしい。
でも戦うとなると素の部分が出るのか好戦的になる一面も持ち合わせている。
扱いづらい人だけど、戦闘になれば頼れる人なんだよね。今回は敵なんだけど。
「じゃあ私達もいきましょうか。ドーンさん、一言お願いします。」
「ここで俺に振るか普通?!まぁ、一応リーダーってことになってるし、この際いいや。あー…いざ何か言おうとすると何も出てこねえな…とりあえず、それぞれ出来ることやろうか。ボスに甘えてばっかじゃねぇってとこ見せ付けようぜ!」
「「「おう!」」」




