第六十四話
「あはは…じゃあその内期待しておこうかな。ハルナちゃんは十分魅力的だし、顔には出さないけど、時々キュンとしちゃうんだけどねぇ…」
「むぅ?何か言ったのじゃ?」
「ううん、何でもない。それじゃフジミヤに帰ろうか。」
「うむ。凱旋なのじゃ!」
ご機嫌なハルナちゃんを引き連れてフジミヤへ帰還。別邸にハルナちゃんを送るとパーティハットと鼻眼鏡、クラッカーを持った師匠に遭遇した。
「何やってんですか、師匠…?浮かれ過ぎです。」
「むッ…ハルカか。何、かわいい姪の成長を祝おうとしたまでよ。アカネからの助言でな、何でも異邦人共の国ではこれが正装とのこと。折角なので着けてみたが、どうだ?似合うか?」
この姪馬鹿は何をやっているのだろう?
アカネさんの仕業か…後でお仕置きかな?
無理矢理従わされたのかヤエモンさんジンゴさんが師匠と同じ格好をしている。
「それはとても良いことだとは思うんですが、そもそも教わる人を間違えてます。ヤエモンさん達を巻き込んでやる事ですか?」
「ぬぅ…ダメだったか?」
「ダメでしょう?ほら、片付けて解散です。私は眠りに着きますのでお願いしますね?」
「分かった。ではまたな。」
「ハルカ様忝のうござる。」
「ハルカ様すまねえ…ゼンイチロウ様には逆らえなくてよ…」
自室に宛てがわれた部屋に向かう途中でヤエモンさん、ジンゴさんが謝ってきた。
私が次期当主となったことで二人は様付けで私のことを呼ぶ。
どうにも落ち着かないので以前通りに呼んで欲しいのだがどうにもそうはいかないらしい。だけど敬語だけは遠慮してもらえた。
「二人は何も悪くないですよ?悪いのは馬鹿師匠ですから。それは置いといてハルナちゃんの事、しっかり褒めてあげて下さいね?かなり強くなってて背中を預けるに足る力を付けてましたから。」
「そいつぁ良かった!姫様、ハルカ様の為に強くなりてえってキツい周回も日夜頑張ってたからな!俺達も手伝ったんだぜ?」
「うむ、ジンゴの言う通りだ。拙者も固有職へと至ったからな。無論ジンゴもだ。」
「へぇー!それは楽しみですね!今度手合わせでもしましょうか!それじゃあまた三日後に!」
「おう、またな!」「うむ、屋敷の事は任されよ!」
ということでログアウト。さてさて、先ずはアカネさんへのお説教かな?それから夕飯の準備をして、お風呂入って課題を纏めたら少しリアル配信でもしようかなー。何か題材は…決めた、夕飯の生配信しよーっと。
早速関係者(深雪さんや公式SNS、裏方の人達)に一斉に連絡。
今が18:30だから茜さんのお説教は出来て10分くらいかな?
「茜さん。……少しお話が。」
「ゔぇッ!何その覇気的なオーラは?!もしかして美空ちゃんの楽しみにしてたプリンの事?いや、アイスの事かな?…ん?違いそう?」
「…余罪が沢山有りそうですね。…まぁ、今はおいもの師匠の件からです。そこに正座して下さい。」
「ひぇっ…!!」
そこから約二十分間茜さんをお説教した。
「ふぅ…とりあえず今日はこんな所で我慢しておきます。それとこの後お料理配信するのでお手伝いお願いできますか?」
「はい、何でもお申し付け下さい…」
それじゃちゃちゃっと準備しますか!
食材は深雪さんが買ってきてくれるみたいなのでお任せしよう。今日は豚カツの気分だったので肩ロースとヒレ肉を頼んでおいた。
私は自室に戻りウィッグを装着。あ、お化粧どうしよ?深雪さんが居なきゃダメじゃん…と思ったら丁度帰ってきた。
助けてスノえも〜ん!
「ん。こっち座って。」
「ありがとうございます〜!」
流石深雪さん。十五分程でパパっと仕上げてくれた。
衣装も付けて準備完了、茜さんもばっちりメイクしてた。
「んんぅ〜?私の可愛いさに見とれちゃったかにゃ?ニャハハ!」
うーん、この人黙ってれば美人なのに…
「茜さんはどちらかと言うとキレイ系ですよね。残念美人寄りですけど。」
「ファッ?!それって褒められてるの?貶されてるの?」
「ご想像にお任せします。」
「じゃあポジティブで考えとこーっと!」
「茜、お気楽すぎ…」
「あ、そろそろ時間ですね。私調味料とかその辺準備しちゃうんで配置とかは任せますね!」
立ち位置は私が真ん中、茜さんが左、深雪さんが右になった。お肉やパン粉、卵等も用意を終えたのが19:30。
茜さんは20:25頃に夜番へ出るので少し巻いていかないと。




