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INFINITE Monsters Online~猫狂い少女による無自覚無双~  作者: 如月 隣夜
第二章 第一回公式イベント 五カ国親善試合
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第五十七話

『試合…開始!!』


「え?」


始まった瞬間私は目を疑った。

アーハーが地に伏していたのだ。


今にも体力ゲージが尽きそうで一拍遅れて回復しようとしたステラちゃんが間に合わなかった為そのままアーハーはリタイアとなる。


何が起きたの?


ステラちゃんを確認すると首を横に振っていた。理解出来てない様子だ。


「ハルカちゃん。試合前に氷織さんとセツナさんと握手を交わした時、一瞬魔力が動いた気がする。もしかしたら接触型の罠かも知れない。……やっぱり。私にも遅行毒ってステータスが表示されてます。ハルカちゃんは大丈夫ですか?」


「ん…私は状態異常無効だから大丈夫。ステラちゃんはディスペルしてからクレインロールさんをお願い。他の二人は私が受け持つよ。」


「分かりました!ハルカちゃんも気を付けて。」


ステラちゃんも気を付けてね、と返して氷織さんとセツナさんに視線を向ける。


アーハーが突然リタイアした理由について思考する。


んー…盤外戦術的なやつかな?

試合前の接触は禁止されてないし、その時点で判明していなければ試合のルール的には特に問題はない。


まぁそんなの正面から迎え撃って返り討ちにすれば良いだけだ。


「〈因子結束〉闇・土 モード=大地母神(デメテル)!地裂葬!蔦絡束槍(ウィップランス)!」


舞台の一枚岩に亀裂が走る。

足を取られ、氷織さん達がその場に転がった。


氷織さん達は後衛職だからそこまで敏捷は高くないと踏んでこの技を選んだ。


蔦の槍が体勢を崩した氷織さん達に襲い掛かる。

ダメージは稼げてるみたいだけど、致命傷には到らない…か。


あ、氷織さんがポーションで回復してる。

ふむふむ…ならば回復動作を防ぐのが効率的だよね。


「天之羽々(あまのはばきり)。」


日本神話とギリシア神話で全く関係ないんだけど、ゲームだし、別に良いよね。


手にした緑色の蔦の剣で氷織さんの腕から先を切り落とす。


序でに足も…と思った所で、セツナさんが私の蔦を編んで作ったらしいトラップ…吊るされた丸太が私の背後から突っ込んでくるのを蹴りで受け止めた。


「これ以上はやらせないよ!って…これも避けられちゃうかー…タハハ〜参っちゃうね〜…私には魔王退治は荷が重過ぎるよ…聖女狂いも手に余るけどね…」


そんなぼやきと共に虚空から手榴弾を取り出すセツナさん。

うーん…罠士中々厄介だ。


ウチのショミーさんもだけど、色んな素材を溜め込んでインベントリ内で幾らでも合成出来るから応用が利いて便利な職業なんだよね。1パーティに一人は欲しい職業!


手榴弾を天之羽々切で打ち返すとセツナさんにクリーンヒット…爆発した。


それでも食いしばり効果のある道具かスキルで一命を取り留めていた。


死にかけ(セツナさん)は放置。


とりあえず氷織さんを…と思った瞬間、足元からトラバサミが私に向かって飛び込んでくる。


慌てて天之羽々切で振り払い被弾は避けたが本当に罠士は厄介だ。



「へっへ〜ん!油断大敵だよ、魔王さん!」


予定変更。

このまま残してたら後が厄介だ、先にセツナさんを倒そう。


そう決めた私は蔦槍を百本生成する。

これだけあれば足りるだろう。


百飛蔦槍(ハンドレットランス)!ハリネズミにでもなってみます?」


軽い煽りを加えて。


「ぴぎゃあ〜!!クレちゃん助けて!」


「ごめん、こっちもキツい!」


セツナさんがクレインロールさんに助けを求めるも、ステラちゃんの猛撃に余裕の無い状態のクレインロールさんは捌くだけで精一杯の様だ。


とっとと終わらせようかな。


「〈チャージ〉…〈分身魂〉…ウルト発動。究極飛翔正義蹴撃(アルティメットバイカーシュート)!!」


分身して氷織さんとセツナさんに〈チャージ〉した究極飛翔正義蹴撃(アルティメットバイカーシュート)で止めを刺す。


残りはクレインロールさんだけだがステラちゃんが此処でリタイアとなった。


「やりますね。トリオで此処まで追い詰められた試合は始めてですよ?」


「あはは。こっちも切羽詰まっててさー。悪いけどハルカちゃん負けてくれないかなーなんて?」


「ふふ…無理な相談なので全力でお相手しますよ?〈因子結束〉氷・闇・影・念・風・土 未完乃魔王(ルシファー) 二速(セカンド)。…ウルト発動。暗黒決闘陣(ダークネスエリア)!行きますよ…?」


「うひゃー!来た来た!これがウルトかー!へぇー…これ動きが阻害されるような効果は無いみたい?〈筋力強化〉…けどスキルの発動が少し遅くなってる。なるほどね、反射神経の遅延か…ハッ!閃いた!じゃなくて…なら私の固有でも対応出来そうかな…ブツブツ」


私は何事かを呟くクレインロールさんを無視して思考を練る。タイムリミットは残り五十秒。


ステラちゃんを単独で倒すほどの猛者だがやってやれない事は無い。


イメージはお花畑。でも長閑な感じではない。

その一輪一輪が明確な殺意を持って襲ってくる狂気の楽園だ。


相手の血肉を養分として吸い絶え間なく咲き続ける血染めの花。


硬い鎧に包まれたクレインロールさんが一歩踏み出すと一輪を踏み潰した。


その踏み潰した花は槍へと代わりクレインロールさんの左足を貫いた。


慌てて下がろうとしたクレインロールさんはまた別の花を踏み抜いてしまうと、今度は剣で右足の太ももから先が消滅する。


そこからは早かった。

周囲の花が連鎖するかの様に次々と形を変え、クレインロールさんに襲い掛かり二十秒と掛からず光の粒子となって消えた。


試合後興奮した様子のクレインロールさんとフレンド交換をしてから客席に戻る道中アユミさんとメニーさんにすれ違った。


「あ、総長とハルカさんだ!勝利おめでとうございます!私達も頑張りますよ!」


「初めまして、ブルーローズのポンじゅれ、と申します。水玉海賊団所属です!この二人とは中学時代から友達で、その縁でパーティ組ませて貰ってます!」


「ありがとう!アユミさんも頑張ってね!ポンじゅれさんも宜しくね!メニーさん凄く体調悪そうだけど大丈夫?」


「ひうッ…えと…私なんかがこんな大舞台に立っていいのかな…怖いよ…なんでアユミとポンこは平然としていられるの…?」


「ほらほら、行くよ!それじゃ総長、ハルカさん、アーハーさん、またね!」


「失礼しますね。」


「ハルカしゃーん…たしゅ…け…てぇ!」


うん、メニーさん強く生きて。南無南無

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