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ダンジョン創世記0058

ぐだぐだな決闘が終息を向かえた訳だが、里の者…いや里上役に連なる者達の顔色は悪い。

なにせ馬鹿4人衆に巻き込まれた形とは言え里からの追放と農奴落ちが決まったようなものだからな。


里長の独断に近い再決闘だった訳だが、それを諌め止めることは上役ならば行えた訳だ。

それを行わなかった時点で上役達は同罪だといえるだろうな。


ただ完全に巻き込まれる形の親類縁者達なのだが…スパイ・ダー調べでは全員が権力を笠に着て好き放題していたことが発覚している。

幼子も同様な感じで子供達の間で威張り散らしており、親達に染まっているといえるだろうな。


っか、親と子を引き裂くことは考えられないので一緒に農奴落ちとなるだろう。


まぁ農奴っと言っても巨人族の者達が経営する農園にて従事する小作農のような位置付けであり奴隷とは違う。

給金も支払われ買い物も可能、住む場所も用意されており、その住まいは魔導具仕様のバス・トイレ付きだしキッチンも魔導具仕様だな。

魔導具による空調なども整っているから、ハッキリ言って里の住まいよりも居住性は上っと言って良いだろう。


ただし農園から外へと出ることはできないし、巨人から委託された者達による監視と監督がなされている環境に住むことになるがな。

ハッキリ言って自由はないに等しいだろうさ。

買い物も農園内へと出されている店でしか買うことはできないので、多様性のある商品を選んで買うなどの贅沢は不可能だ。


里人レベルではあるが、贅沢と我侭に慣れたヤツらにはキツイやもしれんなぁ。


しかし里人達から搾取して押さえ込んでいた里上役達が消えることで里人達が開放されたような状態となっている。

ただ里を取り纏める者達が居なくなってしまうのだが…


『なお、ダンジョンより里を取り纏める者としてダンジョンよりエルフを遣わすこととする!』

えっ?神龍様?何言って下さってんのん?

『あのですね、神龍様。里のことは里で決めた方が宜しいのでは?

 我々は交易を行うだけの立場でしかないのですが?』

取り敢えずは諌めてみたのだが…

『ならぬ!神聖たる決闘の決着を反故にし遣り直しを強行させ破れしは里側ぞっ!

 我の裁定に従わず強行せし罪は(あがな)って貰わねばならぬであろうて』


あっ!これを狙って村長の横暴を許したのか!?

確かに里を導く者達の怠惰な暮らしと押さえ付けが文明の発達を阻害していたとも言えるだろう。

だから蓋となっていた里の支配者達を一掃し入れ替える訳だな、ただ里の者を登用した場合は同じことが起こる可能性は否めないだろう。

それ故、ダンジョンの者を登用すると…


いきなり話が進められ、里の者達が動揺しているな。


そんな風に俺達が話しを進めている間なんだがな、決闘を終えたファルをフィレーユが慰めているようだ。

「ふぇぇぇん、ごあがづだぁでぇずぅ~」って泣いてフィレーユへ縋り付いているファル。

そんなファルの頭を優しく撫でながらフィレーユが優しく宥めているな。


一応、魔導スーツのヘルメットは外している状態だが、スーツ自体は纏っている状態だ。

ただ魔導スーツのパワーアシストシステムは、魔導スーツの重量を打ち消し動ける程度にしか稼動していない状態だ。

だからファルがフィレーユに縋り付くように抱き付いていてもフィレーユに害はない状態っとなっている。


この魔導スーツの機能制限は決闘前から行っているんだ。

スーツに求めたのはファルに対しての安全性であり、それに止めておいたんだよ。

魔導スーツの機能をフルに発揮すれば決闘相手は粉微塵なミンチ状態と成り果ててしまうだろうからなぁ。

流石にスプラッタな虐殺は望んでいないので、防御重視のタイムアウト的な勝利を狙ってたんだよ。


まさか文系文学少女的なひ弱そうなで運動音痴と思われる少女が高速移動して敵を吹き飛ばせるなんて思いもしなかったのでなぁ。

ティアは腕を組んでドヤ顔でウンウンっと頷きつつ2人を見ているんだが…分ってファルに突撃させたのか?まさかなぁ~


おーっと、里の者達が動揺しているのでファル達に目を移し時間を与えた訳だが、里の者達も諦めたように受け入れを表明しているな。

里上役達と、その親類縁者達は項垂れて諦めきっているんだが…

里長の女将だけが憎悪の眼差しで使節団の者達を睨め回している。


まぁ息子は傷付けられ夫は石化させられたんだから気持ちは分らんでもない。

特に彼女も上役一族の出で甘やかされて生きて来た者の1人。

元来エルフとは太り難くスレンダー体型な者が多い種族なんだよ。

それが膨よかたる女将さん体型ってさぁ、どんだけ美食を尽くしてんだって話だ。


そんな贅沢を、この規模の里で行うっと言うことはだ、それだけ気張って働き金を儲けるか搾取するかのどちらかだな。

そして彼女は明らかに後者であり、甘やかされ我侭に育って来た者なんだよ。

だから自制心など皆無に近いと言え、原因が自分の息子で夫が罪を犯したと言うことを理解できていないみたいだ。


だが流石に騒ぎを起こす前に息子達と親類縁者の者達に連れられてこの場を去って行ったよ。

ふぅ、これで騒ぎが完全に終息したで良いのかな?


でも、最初に使節団が訪れた里でこれではなぁ、これからどうなるのやら…とほほほほほぉ。

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