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ダンジョン創世記0047

使節団の収集編成が終わり交渉内容なども概要から詳細へまで纏まったので、いよいよ使節団を送り込むこととなった。

無論、護衛部隊の編成は完了し訓練も習熟したと言えよう。

何時でも使節団を送り込める体勢が整ったのだが、問題は何処から使節団を送り出すかと言う話にな。


現在の1層はプラチナドラゴンとホーリードラゴンの夫婦へと明け渡している状態と言って良いだろう。

神龍様より彼らへは、彼らが巣と定め暮している洞窟が実はダンジョンだと言うことは明かされてれている。

最初は驚いていたが、日々暮している地が悪しき地ではないと理解しており容易く理解を得られたのだが…

問題は2層からの出口なんだよなぁ、彼処は1層の地底湖に沈んでいるため、2層経由にて1層へ移動する場合は地底湖の湖底から行く必要があるんだ。

流石に、そんな形で使節団を送り出したくはないのでな。


それにドラゴン達も自分達の巣を経由してダンジョンクリチャーが行き来するのは面白くはあるまい。

彼らと要らぬ軋轢などを生む行為は避けた方が得策だろうよ。


では、どうするのか?それは出入り口を新たに設ければ良いだけの話なのだ。

以前から告げているようにカルデラ地帯はダンジョン0層に取り込まれている。

つまり地表もダンジョンの1部にすぎないのが現状といえよう。


そんなダンジョン内へはダンジョン機能にて転移が行えるんだ。

ただ単純に転移しては地上の民に疑いを持たれるし警戒されるだろう。

なにせダンジョンの者共が転移して自由に地上へと現れるんだぞ、何時襲撃されるかって恐れる者達だって現れる可能性がな。


正直言って今は神龍様の御威光にて里々の者達に納得させているにすぎないのが現状と言って良いだろう。

別に彼らがダンジョンを信じた訳でも理解を示した訳でもないのだ。

なので下手に刺激して激発させる訳にはいかない。

なにせ神龍様からの御依頼としてカルデラ地帯との交流を経て文化レベルの向上に対し下知頂いている身なのでな。


正直、俺としてはカルデラ地帯の者達との交流は行いたくはないのだ。

ダンジョン内だけで生活基盤は整っているし、文明レベルも向上し続けているのが現状だ。

既に俺が召喚拉致された時代の日本の文化レベルへ追い付くどころか追い越していると言って良いだろうさ。


つまりは日本が原住民の方々と文化交流し、彼らを日本の文化レベルまで持ち発展するように尽力する…例えるならば、そんな感じだろうか?

損得を考えるならば損だと言えるだろう。

関わることで多大な利益を得ることはなく、逆に手間と出費の方が嵩むと言えるのだからな。


まぁ、この度の場合はダンジョンより店を出してのむ交易を行い得た金で山岳地帯特有の物を仕入れることが可能となるのが利益だと言えるか。

彼方にはダンジョンに存在しない鉱石や植物なども多いとスパイ・ダーの調査にて判明している。

まぁ、ダンジョンコアにて創生できると言えばできるのだが、実はコアで創り出した物は実物よりは劣る傾向にあることが判明しているんだ。

ま、それでもダンジョン産の生物は各々の成長以外にダンジョンレベル向上に合わせて成長を促進されたりもする。

またダンジョン内ではダンジョンによる恩恵により成長し易くもなり、オリジナルの成長現界を超えての成長も可能なのだとか。

故に創生したばかりにはオリジナルより劣る生命体は成長が進めばオリジナル以上の力を身に付けられるのさ。


ただし、鉱石類は無理だけどな。

精製し続けて同一素材の密度を上げればオリジナル鉱石より得るインゴットを超えることも可能だろう。

だがコアでそれを行うと、莫大なコストが掛かることになってしまうんだよ。

メタル系スライムに存在する鉱石ならばスライムを増殖させて鉱石を生み出させれば大量にインゴットの精製も可能だろうな。


だが山岳地帯に存在する鉱石にはメタル系スライムに存在しない鉱石も多々存在するそうな。

そんな鉱石の特性が色々と有用ではないかと考えられており、是非とも仕入れたいとのこと。

ダンジョンからクリチャーを派遣して鉱石を得ることも考えたが、基本的にカルデラ地帯の者達が勝手に採掘や採取を禁じられている場にて行うのは拙いだろうな。

バレたら軋轢どころか争いにまで発展しかねないだろうよ。


そう考えたら彼方との交渉というか交易にて素材を得れれば問題は解決する。

できたら植物は種か苗などが欲しいところだ。

それさえ手に入れることができればダンジョン内にて育てることも可能となるだろう。


なにせダンジョンにて創生させられる生命体は、高位体を創生した生き物と同一種で高位体より劣る個体しか創生は行えない法則があるようなんだよなぁ。

だからカルデラ地帯が0層になった今はカルデラ地帯で亡くなった生命体ならば創生可能とはなってはいる。

だが山岳地帯はダンジョンに取り込まれていないので無理なのだよ。

それもあり、彼方特有の生命体をダンジョンへ取り込むために植物だけでも欲しいところなんだ。


流石に山岳地帯固有の生き物を生かした侭で得るのは厳しいだろう。

仕入れる場合は理由などを考える必要もあるだろうし、生かした侭と言うのが特に難しいと思われる。

それに相手が小さ過ぎて巨人達には捕まえることが困難な生き物も居るみたいなのでな。


巨人達がエルフやドワーフなどのカルデラ地帯の者達の協力を是として行うならば可能だろうが…

基本的に巨人国に住む巨人達はカルデラ地帯に住む者達を蛮族と卑下している傾向にあるようだ。

取り合えずは交易を行ってはいるが、カルデラ地帯にて作られる品は質が悪く使い難いとの評価でしかない。

っかさぁ、サイズが違い過ぎて交易自体が厳しいらしいんだよな、あれはさぁ。


巨人国の発行硬貨もカルデラ地帯にて流通はしているんだが、通常はドワーフが造った硬貨が流通しているそうな。

なにせ巨人国発行の硬貨は1枚が手の平を軽く超える大きさだからなぁ。

巨人達にとっては小さな硬貨に過ぎなくてもカルデラ地帯に住まう者達にとってはデカ過ぎる代物だ。

そんな物は日常では使い難いってことで、通常では使われずにドワーフ貨幣が使用されているのさ。


当然、彼方との交易には巨人硬貨が使用させれるため、巨人硬貨はストックされてはいるぞ。

まぁ巨人達もドワーフ達が造る酒とカルデラ湖の水産物にエルフ達が造る反物と薬品などに対しては評価しているらしい。

特に反物はエルフ独自の製法にて織られた品がご婦人達に人気であり、カルデラ地帯を卑下する男達の知り叩きにて得ているのだとか。

いつの世も何時の時代でも場所や世界が代わろうともご婦人達は逞しいようである。


おっとぉ、話が逸れてしまっていたようだ。

そうそう使節団の派遣をどのようにって話だったな。


それなのだが、結論から言えばカルデラ地帯へ転移先を設ける話となっているぞ。

候補は3箇所ほど上がっているのだが、いっそのこと全ての候補地に転移拠点を構築しようかと思っている。


そして、この度使節団が使用するのは滝裏へ洞窟を穿ち、その内部へ広い空間を創り出した広場へ創生した洋館だな。

この洋館の地下へ転移の間を設けて、そこへ転移してカルデラ地帯へと赴くように考えているんだ。


取り敢えずは突貫で構築したので追々整備して行くとして、取り敢えずはこれで良いだろう。

フィレーユとティアも納得しているようだし、さて何時頃に送り出すかな。

神龍様にも話を通しておかねば、ふぅ、何気に忙しいぜっ!

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