ダンジョン創世記0039
長々とレストランの一室を占拠しつつ行われた打合せにて今後の方針が決められて行く訳で、雅かドワーフ達やエルフ達もダンジョンとの交流に対しての方針が、このようにして決められて行っているとは思わないだろーなぁ。
しかし…呆れる程に良く食べる神様だよねぇ、神龍様ってさ。
その健啖振りに呆れてしまっていると、流石に神龍様も気付いたようで…
『こほん、実に美味い料理であるな、我は普段は神界より漏れ来る神素を取り込んで過しておる故に食すと言うことがないのである。
遥か昔に食べると言うことを行ったことはあるのじゃが、あれは食事と言うよりも餌を啄ばむと言った感じでのぅ。
食材とやらを調理と言う技法にて料理へと昇華させた此度とは違い素材その侭を食したものよ。
故に料理と言う代物を口にしたこと自体が始めてであるのじゃ。
許せ』
あ~…ま、そう言う理由なら…って、調理された物を食べること自体が始めてってさぁ、そんな生活は俺なら御免だな、うん。
そんな話をしていると…
『ぬっ?料理の味が変わったかえ?
質が上がったように思うのじゃが、はて?』
神龍様が、そのように言い始めたので俺にも料理を運ばせて食してみた所、確かに味の質が上がっていた。
んっ?態々注文したのかって?そりゃぁ俺達は既に食事を終えていたし紅茶を緩々と口に含む程度だったからな。
流石に延々と食事を続けることなど俺には不可能なんでね。
しかし、このクラスの料理を提供できるとしたら…デュカだな。
ダンジョン幹部として創生したクリチャーの1人である調理技能神であるデュカは、元々は調理技能を持ったクリチャーを創生することが目的で生み出したクリチャーなんだ。
だけど地水火風に光闇とか雷氷霧などなどの数多となる精霊種と共に合成しつつ創生したところ、ブラウニーだった彼は調理技能神として創生されてしまったんだよねぇ。
まぁダンジョン産の神族だから神龍様のような天然神族様方とは違う存在だとは思うんだけどね。
ただ流石は神と名乗るだけあり、その権能は凄まじいものだったんだよ。
しかも眷属として精霊と合成したブラウニーを呼び出したりもしている食材部門のダンジョンエースたる存在だったりするんだ。
そんな彼は多忙であり、数多の仕事を統括しつつ邁進させていた筈なのだが、はて?
「恐らくは我々のダンジョンにて食に対する統括を行っているデュカの作だと思われますね。
彼にはダンジョン内での食に対する所有生産・開発・研究に対して管理しつつ進めて貰っており、大変多忙な日々を送って頂いております。
故に通常は、このような場にて料理を振舞う暇などない筈なのですが、はて?」
そう告げつつ俺は首を傾げてしまう。
最近は俺でもデュカが調理した料理を口にする機会は減っており、特別なイベントを設けない限りは食べていないのだが…
そう思っているとデュカが挨拶に現れたようで。
「ウィ、ムッシュゥ、ボンジョールノォ。
マスタが戻らぁない、困ったと我が泣き付かれました故に様子伺いに参りましたぞ。
それで、まだ掛かりそうなのですかな?」
そう告げつつ入室したデュカを見て神龍様が仰天!
『なんで我以外の神が、この地へと降臨しておるのじゃっ!』ってね。
「ああ、彼はデュカと申しまして、我がダンジョンにて数多の精霊とブラウニーを合成創生したことで生み出された人工神なのですよ。
ですから神々が座す神界より降臨した訳ではないのです」
そう説明すると神龍様が呆れたように首を軽く左右に振りつつ言葉を漏らす。
『神を産み出すとは…ダンジョンとは無茶苦茶な存在であるなぁ…』っと。
まぁそうだよなぁ~神様を普通は人の手で産み出すなんてできる筈がない訳で…それができてしまうダンジョンって、ねぇ。
しかし確かに長々と会談を続け過ぎたな、ダンジョンマスターである俺も意外と多忙だったりする。
そんな業務を放置して神龍様と会談し続けていては業務が回らなくなるだろう。
そろそろ切り上げ時と考えるべきだろうな。
「では神龍様、申し訳御座いませぬが、そろそろこの辺りにて」って告げたところ…
『うむ、彼方への根回しなどは我に任せるが良いぞ。
おお、そうであったわっ!
我は、この地にて過すことに決めたでな、よろしゅう頼むぞえ』
行き成りの爆弾発言である!
「いや、神龍様?神殿の方は如何なさるので?」っと尋ねるとだ。
『ああ、彼方へは先程も申したように分体にて管理しておるでのぅ。
分体経由にて神素を取り込み我へ送り、我より送った神力を分体にて放ち隔離空間と結界の保持を行う故に問題はなかろうて。
それにのぅ、この地へ神力より生み出した魔力を供給するでダンジョンにとっても益はあろう。
そう言うことでよろしゅう頼むわえ』
いや、それは決定事項…なんですね?
何時の間にか居候が1人…いや、1柱増えたみたいです、なんでこうなったしっ!




