ダンジョン創世記0032
俺が沐浴場を用意すると告げたところ…
『ま、真であるかぁぁぁっ!はよ、早っ、用意してたもれっ!』って急かすようにな。
いや神龍様…どんだけ【ツィーイック・ツィーツェ】…いや、【ゴッド・ツィーツェ】に魅了されてるんですかぁぁぁっ!
俺は早速、超神水と【ゴッド・ツィーツェ】を隔離した隔離空間を神龍様が寛げる広さへ拡張を行うことに。
その際に0層にて超神水の影響を受けた土壌や植物、菌類などなども同時に隔離空間へと移す。
危ないところだったぜ、気付かなかったら神力ハザードまっしぐらってな。
困った神龍様だよ、全く…
そんな作業を行っている間も待ち切れないのかソワソワしている神龍様である。
困った方だなぁ…
何とか場を整え終わり、その場所へと転移することを告げると…
『むっ?用意できたであるや?
転移は無用ぞぇ、我が己にて行こうわぇ』
そんなことを仰ると…どうやら俺から隔離空間に対するイメージを読み取られ独自に隔離空間へ移動されたようで…
『ふぃぃぃっ…中断されたが…矢張り、【ツィーイック・ツィーツェ】は良いのぅ…』
そんな声が、ね。
いやアンタは温泉場で温泉に浸かるオヤジ族かなんかかぁっ!っと、思わず突っ込みしそうになったぜっ!
そんな神龍様に纏わる騒動を終息させたっと、その時に俺は思ったのだけれども…実は騒ぎの始まりだったりした。
実は神龍様が消えるのを見ていた者達が…そう、当然だよなぁ~、うん、ドラゴン達だよ、ドラゴン達。
自分達が崇める神である神龍様が現れると、突然湖にて沐浴を行い…突如消える。
うむ、怪奇現象である。
そんなドラゴン達の会話なのだが…スパイ・ダーが拾っていたんだよ。
いやぁ~実に優秀だね、君達ってさぁ。
『し、神龍様が消えられた!?これは、一大事ぞっ!』
『原因はなんぞやっ!?』
『一瞬だが…ダンジョンの気配がせなんだか?』
『ぬっ!ダンジョンだとぉっ!まさかぁっ!』
『そんなバカなっ!神龍様ぞっ!ダンジョンなどに討たれるなどと…』
『なにぃっ!ダンジョンに神龍様が討たれたと申すかぁっ!』
『ひ、ひぇっ!な、なんとぉぉぉっ!神龍様が身罷られただとぉぉぉっ!おのれ難っくきダンジョン目がぁぁぁっ!』
『おおっ!赦すまじダンジョンっ!神龍様の仇じぁぁぁっ!』
……… ……… ……… いや、貴方達…神龍様さぁ…死んだことにされてますが?っかぁ!俺達が何をしたぁぁぁぁっ!
どうやら敵性ダンジョンっとドラゴン達と看做されたようで…どどどど、どうすんだぁぁぁっ、これぇぇぇぇっ!
俺が狼狽えていると…
『囀るなぁっ小童どもがぁぁぁっ!何時、我が身罷ったとぉっ?』
あれぇっ?何時の間にか神龍様が彼らの前へと玉体を運ばれておられる御様子。
って、何時の間に?
隔離空間に居られた神龍様が何時の間にか騒いでいたドラゴン達の前へと姿を現したではあ~りませんかぁっ!
っかさぁ…隔離空間は別次元扱いだった筈なんだけど…そこから0層の騒ぎに気付いて行かれたと?
マジですか?
『良いか、そなたら!此処のダンジョンへ手を出したら我が赦さぬからのぅ』って告げ、ギロリとドラゴン達を睨め付ける。
『ですが神龍様!相手は、あのっ!ダンジョンで御座いまするぞっ!手遅れになっては…』
『【ツィーイック・ツィーツェ】』
『はぁっ?』
『【ツィーイック・ツィーツェ】じゃっ、馬鹿者っ!』
『いえ、【ツィーイック・ツィーツェ】は分かり申しまするが…』っと首を傾げるドラゴンに溜息を吐かれて吐き出すように告げられる。
『分からぬか…そうか…のぅ、おぬしら、突如現れた【ツィーイック・ツィーツェ】に疑問は持たなかったのかえ?』
諭すように告げられた、その言葉を聞き…いや、何故そこで首を傾げるドラゴン共ぉぉぉっ!
神龍様も俺と同様にイラッと来た御様子にて…
『ダンジョンが創り出したダンジョン産【ツィーイック・ツィーツェ】だと、何故気付かぬのじゃぁぁぁっ!
ダンジョンを討つと同時に【ツィーイック・ツィーツェ】が消えると、何故気付かぬ!
この規模の【ツィーイック・ツィーツェ】が大人しく湖に留まるどころか周囲の環境整備まで行っておるのじゃぞっ!
天然の【ツィーイック・ツィーツェ】であれば、この地帯一帯が消え去っておろうよっ!
なにせ【ツィーイック・ツィーツェ】とは天災扱いの危険生物であるからのぅ。
木々に囲まれた自然豊かなる場にて【ツィーイック・ツィーツェ】へ浸れるなど前代未聞の珍事!
本来は生き物が絶えた荒涼たる荒地にしか【ツィーイック・ツィーツェ】は存在せぬものじゃ。
そんなことも分からぬのか、おぬしらはっ!』
そう説教されておられる神龍様の言葉に驚く、俺。
いや【ツィーイック・ツィーツェ】って…そういう存在だったのね…
気楽に呼び出していたけどさぁ、結構危険な行為だったみたいだ。
まぁ、ダンジョンクリチャーたる家の【ツィーイック・ツィーツェ】は優秀だから大丈夫さ。
何せダンジョンに縛られているから勝手な行動は起こさないし、今では環境を整え共存することに喜びを覚えているようだからね。
ビバ【ツィーイック・ツィーツェ】ってかぁっ!
神龍様から説教を受けたドラゴン達だが…
『なっ!【ツィーイック・ツィーツェ】が、消え去る、だっ、とぉっ!』
『ひっ!い、いゃぁぁぁっ!』
『っがぁぁぁっ!【ツィーイック・ツィーツェ】ぇぇぇぇっ!』
うん、阿鼻叫喚ですなぁっ…っか、どんだけ【ツィーイック・ツィーツェ】好きなんやねんなぁぁぁっ!
【ツィーイック・ツィーツェ】を盾に説教は、相当堪えた模様。
疲れを癒すように次々と【ツィーイック・ツィーツェ】へ浸り始め、って、いや…マイペースやねぇ、君達…
っかさぁ、神龍様も何時の間にか隔離空間へと戻られて【ゴッド・ツィーツェ】浴を楽しんでおられる。
自由かっ!
一応、この場は収まったのだが…ダンジョンの存在が外の世界に知られてしまう事態へと。
一体これからどうなるのやら…困ったものです。




