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ダンジョン創世記0031

俺は慌てて湖へスパイ・ダーを派遣することにした。

無論、神龍様とのコンタクトを取るためである。


『神龍様ぁっ!神龍様ぁぁぁぁっ!』っとスパイ・ダーを介して念話して語り掛けるが…


『ふ~ん、ふふぅ~ん♪快楽、快楽、愉悦よのぅ、こりゃ極楽じゃて』って悦楽に浸って気付いて頂けません、グッスン。

湖の周辺ではドラゴンさん達が神龍様の沐浴を遠巻きにしつつ伺っておられますねぇ~


俺が困っていると…スパイ・ダーの一体が、何を考えたのか湖の中へと入り神龍様の元へと。

い、いや、君…何しとんの?


そんなスパイ・ダー君は神龍様の元へと辿り着くと、神龍様の体を攀じ登り始めたではないか!

なんたる暴挙っ!

俺達が驚いて見ていると、スパイ・ダー君は神龍様の頭部へと。

そして…『神龍様ぁっ!神龍様ぁぁぁぁっ!』っと、俺の発した声を録音を流したようにリフレインさせ…


『うぉっ!な、何であるかぁぁぁっ!』

驚いた神龍様が辺りをキョロキョロと見られ…現状を認識されましたとさ。

いや、スパイ・ダー君さぁ…君ぃ、無茶するねぇ…相手は神族様なんだけど…大丈夫なのか、これ?


まぁ、此方の話が通るようになったと思われるので…

『神龍様!聞えますか?』っと問い掛けてみることに。


『ぬっ、その声はドラクルかや?如何いたしたのじゃ?』っと訝しげに尋ねられるので…

『申し訳ありませぬが、湖から退去願えませんでしょうか?』っとお願いしてみる。


『うぬぅ…それは何故(なにゆえ)じゃ?』って不機嫌そうに…いや、普通に恐いんですがぁっ!


『実はですね、湖と【ツィーイック・ツィーツェ】へ神龍様の神力が蔓延しておりまして…

 辺りへも影響が出始めているようなのですよ。

 この侭では生態系にも影響が出そうなので、一度湖より退去して頂けないかと…』

冷や汗を掻き掻きお願いして見た所…


『ぬぅっ?こ、これはぁっ!』って告げられ、慌てたように湖から飛び立たれる。

神龍様が湖から退去されたことで神力の蔓延は止まったが、既に侵食された水とか【ツィーイック・ツィーツェ】は元には戻らない。

これは困ったぞっ!


『ううむぅ…これはどうしたことじゃ?

 神力が水や【ツィーイック・ツィーツェ】へ容易く浸透するなど聞いたこともないわぇ。

 魔気力超純水などのレアな水ならば、いざ知らず、何故、只の水に?』

そのように呟かれ首を傾げておられますが…


『あのですね』

『なんぞぇ?』

『その湖の水は魔気力超純水でして…【ツィーイック・ツィーツェ】も、その水を取り込んでおりましたが?』


『……… ……… ………』

『……… ……… ………』


神龍様が沈黙されたので、此方も沈黙って感じで…暫くは辺りを静寂が…ねっ。


『何故に魔気力超純水などがぁっ!この世界に存在するのじゃぁぁぁっ!』

うん、行き成り絶叫されましたです、はい。


『いや、あのですね…ダンジョン産でして…』てへっ♪って言うのは言いそうになりましたが付けませんでしたよ、はい。

一応は空気が読めると自認している男なのです、他人がどう思っているのかは別ですけどね。


そんな遣り取りをしている時、オペレーターの1人が申し訳なさそうに報告を。

「マスター、神力と魔気力超純水の親和性が高いのか河が侵食されております。

 そのため、1層へと流れ込む水にまで影響が出始めておりまして…」


そう告げるオペレーターのコンソール前ディスプレイへと映し出されている映像には1層に住まうドラゴン夫婦の姿が…

いや、これは拙いのでは?

あの水が、どのように影響するのかが不明な訳で…


そんなことを思っていると…

『むぅ…水が超神水と化し、【ツィーイック・ツィーツェ】が【ゴッド・ツィーツェ】へと到るか…

 水に住まう生き物は神力に耐え切れずに…惨いことをしてしもうた…』って悄気ておられますが…いや、それが本当だったら益々拙いのでは?


「直ちに隔離層を造り、超浸水と【ゴッド・ツィーツェ】を隔離!

 新たな魔気力超純水と【ツィーイック・ツィーツェ】と入れ替えよっ!

 急げっ!」

そうダンジョンコアへと指示を飛ばす!


なんとか1層へと被害が及ぶ前に対処できましたよ、ええ。

他にも水辺付近の木々にも類が及んでいたので、それらも隔離層へと…

死滅した生き物は、どう影響するかふめいだったが…うん、全て【ゴッド・ツィーツェ】が始末しているな。

ならば問題はあるまい。


ってぇ!

『何を、またぁっ、シレッと入ろうとしているんですかぁぁぁっ!』

神龍様が沐浴の魅力に耐えかねたようにフラフラって…ダメですからねっ、絶対っ!


『むぅ…分かっておる、分かってわおるのじゃが…ぐぬぬぬぬぬっ』って、いや、困った方ですねぇ…

って言っても、長年山頂部の神殿にて1人此処を見守って来られた神龍様にとっては久々のバカンスって感じなのだろう。

その誘惑にグラついておられる御様子。

ならば…


『ダンジョン内へ神龍様用の場を用意いたしますので、暫しお待ちを』っと告げてみる。

いや、地表の湖にて沐浴され神力ハザードを起こされるよりは遥かにマシだろうさ、うん。

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