ダンジョン創世記0018
地鳴りが鳴り止んだと同時に…『ビィービィービィィッ』っと警報が鳴り響くと同時に赤い明かりで室内が満たされる。
ってぇっ!何事ぉぉぉっ!
『エマージェンシー!エマージェンシー!緊急事態発生!繰り返します!緊急事態発生中!』
えっ!?何が起こったんだぁっ!
『外部より1層へ大量の水が流入中!繰り返します!外部より1層へ大量の水が流入中!
速やかに処置せぬ場合、1層が水没致します。
外の地形状態にて完全水没まで2時間。
【ツィーイック・ツィーツェ】存在部屋の完水まで20分を切っております!』
ダンジョン内警報と警告が響いているんだけど、これもダンジョンの機能なんだろうか?
って、それどころじゃねぇぇぇっ!
慌ててコアを操作する。
いや、無意識に近い衝動的な行動だったのだけど…ダンジョン開放した地上を0層として扱いつつ流れ込む水の流れを制するように調整をな。
っか…地上をダンジョン扱いとして0層操作できるなんて思ってもいなかったんだけどさぁ、切羽詰った混乱状態にて咄嗟に行ってしまっていたんだよ。
ま、その甲斐あって流れ込む水は水源の川に土手が造り出され抑制さけたみたいだ。
地底湖の水面が多少上昇したが、それほど問題は起こってないみたいで安心した…っというか…【ツィーイック・ツィーツェ】が随分と水を吸って膨らんでらっしゃるような…ははは、良いのか?あれ?
水が外部より流れ込んで来るって言うアクシデントがあったけど、無事にダンジョンは開放されたみたいだ。
ただ…何処へ開放されたのかが不明って…うん、困った。
開放位置に対する情報などは全く開示されていないんだよなぁ~
ただ周辺の地形くらいは、流石に開示されるみたいでな、密林のような場所へとダンジョンは開放されたみたいなんだよ。
このダンジョン開放で俺のダンジョン形状に合わせて地形が変形しているらしい。
俺が造ったダンジョンの1層は【ツィーイック・ツィーツェ】部屋を底辺とした擂り鉢状の形状であるんだけれどもさ、その形状が災いして密林が擂り鉢状に陥没しているんだよ。
そして、所々に開いた穴から密林の基部からダンジョン内へと崩落が発生しているな。
生き物も巻き込まれて落ちている感じなんだが…いや、竜がね。
竜ってもドラゴンじゃないよ、恐竜って言われる系の竜なんだよ。
そんな竜が崩落に巻き込まれて落ちているんだけど…【ツィーイック・ツィーツェ】君…美味しいのかい?それ?
巻き込まれて落ちて来たらしいティラノザウルスみたいな竜とかを平らげてらっしゃいました。
うん、流石の暴君さんが哀れです。
いやぁ…小型の恐竜みたいなのも洞窟内へと入り込んで来ている訳でぇ…1層には草食動物しか創生してない都合上、うん、絶滅かな?
そう思って溜息を吐いていたんだけれども…
「なぁ、ペシュエ」
「なんで御座いましょう?」
「草食動物ってさぁ…あんなに強かったっけ?」
そうなんだよっ!ダンジョン内へと乱入して来た小型肉食恐竜達が、ダンジョン内へと創生していた草食動物達に返り討ちされてしまってんだよっ!なんでだぁぁぁっ!
俺の疑問にペシュエがコロコロと笑いながら応えてくれる。
「あらあら主様におかれましては、気付かれておられなかったのですわねぇ。
魔気力超純水を飲み魔草や魔果実などを食した生き物が強化されぬ筈がありませんわ。
あの程度の小物では立ち行きできないのも道理というものですわね」
そんなことをねぇ…ってぇ、マジでぇ?
俺はテッキリさぁ、草食動物は狩られる生き物って思っていたよ。
意外と草食動物って…恐ぇぇぇっ!
そんな騒ぎもあったのだけれど、落ち着いて来たので外の様子を伺うと…周囲を山々に囲まれた盆地っと言って良い場所へとダンジョンが開放されていることが発覚したんだ。
カルデラっと言って良い感じの場所なんだろうか?
ってもさぁ…外輪山って言う感じの山々は、かなりの高山みたいで頂きには白い雪を冠する感じの連山になっているんだよ。
確認した限りでは連山って言うか、外輪山は連なって存在している感じで外へと到るための渓谷などは存在していないね。
俺達のダンジョンが現れた場所から離れた場所には湖が存在し、河の水は、その湖へと流れ込んでいた。
いやぁ、川かと思っていたんだけどさぁ、結構な大河だったよ、あれさぁ。
流れ込んで来ていたのは大河のホンの1部に過ぎない程度だったみたい。
っか…湖や大河にダンジョンが開放されていたら…即座に1層は完水状態だった訳だ…運が良いのか悪いのか…全く。
ダンジョン機能で調べられる範囲内では街、いや町どころか村や集落さえ見当たらない。
文明の気配が全く感じられない場所なんだが…っというかさぁ、恐竜君が闊歩する場所ですからねぇ…
って思っているとぉ…コボルトやゴブリン、ワーキャットなどが洞窟内へと侵入して来ていた。
この世界には獣人が存在するが、基本的に人の姿に獣の耳や尻尾が付いた程度の生き物らしい。
そして獣が人のような立ち振る舞いをする生き物は亜人としては扱われず魔物としてカテゴライズされるのだとか。
まぁ、人との意思疎通は不可能らしいからねぇ…
言語も文字も持たず理解できないらしい。
いや、簡単な命令は犬などが理解する程度には理解できるそうなんだけどさぁ、それ以上の知性は育たないのだとか。
そんな彼らは、この地では弱者であるらしく、新たな洞窟に生息の場を求めて彷徨い込んで来たのだろう。
って…奥には恐ろしい草食動物達が闊歩しているからね、君達。
無事に生きて行けるのだろうか、ねぇ?




