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ダンジョン創世記0019

1層の混乱は暫く続きそうだがダンジョンに対しては問題はなさそうだな。

ただ…慌てて勢いで地上をダンジョンとして扱い手を下した部分は明らかに人工的な造りとなっていた。


この侭で放置した場合、この辺りに人の手が加えられた痕跡が残ってしまうこととなるだろう。

それはダンジョンが、この地に存在すると勘繰られる恐れを残すことになるだろうな。


そう考えた俺は手を加えた土手部分を自然に土砂が堆積して河から流れる水を堰き止めたように細工を施したんだが…これがさぁ中々の難事業って感じで参ったよ。

なにせ、下手をすると土砂と化した土塁が崩壊して1層へと大量の水が流れ込む危険性がねぇ。


色々とシミュレーションを行いつつも土塁に手を加えて行った苦労の甲斐あってか、自然に堆積したように見える程度には改善できたよ。

ただ…そんなことをしている間に【ツィーイック・ツィーツェ】君がさぁ、また遣ってくれていたんだよねぇ~


【ツィーイック・ツィーツェ】のスキルの1つには株分けスキルって言うのがあるんだけど…己の核を分離して新たな【ツィーイック・ツィーツェ】を産み出すスキルなんだよ、これ。

そんなスキルで複数の【ツィーイック・ツィーツェ】を産み出しては、水流を辿らせるように送り出していたんだ。


いやぁ、【ツィーイック・ツィーツェ】の滝登りって…0層から流れ込む水流に乗って0層へと【ツィーイック・ツィーツェ】が送り込まれて行ったらしいんだけどさぁ、土塁に対する対処中のことだったから全く気付かなかったんだよねぇ。

気付いた時には、1層と0層の彼方此方にある泉などに【ツィーイック・ツィーツェ】が陣取っている状態になっていたよ。


いや、マジで良いんかい、この状態…


既に【ツィーイック・ツィーツェ】君は俺の意図から離れて独自に動いているような感じなんですけど…参ったね、こりぁ…


ただ…そんな【ツィーイック・ツィーツェ】達が水質や辺りの環境を整え始めた影響なのか、この近辺の木々や草花に変化が生まれ始めているみたいだな。

魔樹系や魔草系などに変化して行きつつも繁殖力を増した植物達が勢いを増して息衝いて行く感じなんだよ。


完全に辺りの生態系に影響を与えてしまっているな、これ。

元から生息していた生き物達も新たな生態系の影響を受け始めているみたいだ。

ダンジョン内へと創生していた草食動物達も0層へと解き放たれ…いや君達さぁ…繁殖し過ぎじゃねぇ?


解き放たれた各々の【ツィーイック・ツィーツェ】からも大量のスライムが産み出され放たれているようで…うん、スライムによる環境維持が進められているみたいですねぇ。

いや、粘菌系や菌糸系の生き物が環境に仇名すのではなく、環境改善と維持に貢献しているようだな。

昆虫系なども生態系を整えるのに適合し始めているよ。


そして…


「なぁペシュエ」

「なんで御座いましょう?」

「0層がさぁ、どんどん広がって行ってるんだけど…明らかに1層よりも広がってね?これ?」って疑問を告げたところ…


「ああ、ダンジョン内に存在する最大広域に対する広さまでは広がりますわね」って言う(いら)えがね。


いや…最大広域って?

「1層が1番広かったんじゃなかったっけか?」

俺の記憶では1層が一番広かった筈なんだが…そう尋ねたらペシュエが溜息を吐いて教えてくれたよ。


「一番広いのはコアルームが存在する最深層で御座いますわ。

 元々広かったのですが…(あるじ)様が途中で水生物が生息する環境に合わせて自動的に部屋を拡張するようになされているではないですか」

そんな風な指摘をな。


っか、ああ、確かに…ペシュエ達を創生する前頃に拡張作業が追い付かなくなってな、1層以外の水生エリアの自動拡張をコアを通して設定したんだったか…

結構前だったからさぁ、つい、失念してしまってたぜっ!


ってぇ!現在って、どんだけ拡張されてんだぁっ!

全く確認していなかったよ、俺。ダメじゃん…


確認してみると…うん、北海道の3倍位を誇る面積は保持している状態だったよ…いや、マジですかぁ…

各層の上層部との出入り口は最端と最端に複数設けられており、水生生物達は、そこを経由して行き来しているみたいだ。

っか…行き来しているんだねぇ、君達ぃ…


当然、そんな広さである水生エリアに対する広さにて拡張可能な0層なんだけどさぁ、生態系を維持する環境の拡張に合わせて広がっているみたいなんだよねぇ…

これはダンジョンに属すると判断された生き物が生息する環境が広がるのに合わせて自動的に行われているみたいなんだよ。

それで良いのか?これってさぁ…


当然、下流に存在する湖もダンジョン領域へと飲み込まれて行く訳でぇ…まぁ、数週間後だったんだけどね。

そんな湖にも当然のように【ツィーイック・ツィーツェ】が放たれましたよ、ええ。


いやぁ…分離もあれば融合もある訳で…地底湖の【ツィーイック・ツィーツェ】を遥かに凌ぐ巨大【ツィーイック・ツィーツェ】が生み出されてしまいましたね、これ。


取り合えず、外輪連山たる峻峭(しゅんしょう)たる山々に阻まれるように0層によるダンジョン侵食は止められた訳だけど…カルデラ地域全般が0層っとなってしまったよ。


この過程にて判明したんだけどさぁ、カルデラ地域には人族の国などの生息地域は存在しなかったみたいだ。

ただ…エルフさんやドワーフさん達の妖精種が住まう里などは存在したよ。


そして…

「うん、ヤツパリ居たんだなぁ~」っとね思わず声がね。

「それはそうで御座いましょう。

 これだけ自然豊かな地で御座いますから」

ペシュエが苦笑しながら俺の呟きへと告げて来る。


そう、矢張り居ましたよ、ドラゴンさん達がね。

今の所はダンジョンに気付いてはいない様子なんだけどさぁ…0層の湖に放たれた【ツィーイック・ツィーツェ】へと群がるように、何処からか現れて身を清めるように浸かっているねぇ…

まるで人が温泉へでも浸かるような感じで御満悦なんですが…それで良いのかドラゴンぇ~

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