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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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64/68

◎不夜城 早朝 誰がために鐘は鳴るのか②

お読み頂きありがとうございます

イイねが増えて感謝の踊りが絶えません。

オーレィ オーレー ♪ ʅ(◞‿◟)ʃ 御礼 ダカダン♪

中々裸踊りまで辿りつきませんが

お楽しみ頂ければ幸いです



◎ バグの食べた悪夢①。

 

 火事場の臭い。

 

 うわぁあああ…。

 「し、消臭剤をくれぇ! 」

 断末魔の叫びを上げながら、救いを求めるように手を伸ばす俺。

 

 この世界、消臭剤(救い)なんて…ないのはわかっているが…。

 

 「消臭剤登場(救世主)! 」

 

 バンと勢いよく扉を開けて俺の元護衛騎士が消臭剤を片手に勢いよく入って来た。

 俺が幼少の可(・)愛(・)い(・)盛(・)り(・)の頃、護衛騎士だった奴、コードネームは護衛4(笑)。

 

 うわぁあ お前か!。

 来てたのか、久しぶりぃ!。

 

 てか、何 俺の考え読んでいるんだよ。

 久しぶりの再会の上、成人男性として独り立ちして俺も王子の護衛騎士になったというのに、俺に対するテンションが子供の頃と一緒って…。

 

 「坊ちゃんと殿下達が火災に在(あ)ったと聞いて持ってきました! 」

 消臭剤をか!

 こいつは王宮の王族のいる部屋だと言うのに通販番組の商品を進めるように霧吹きを掲げてやってきた。

 

 似合ってるな、そのポーズと通販の説明…そして嬉しそう…なんで?。

 

 あと、俺を坊ちゃん呼びするのはやめろ。

 

 「火事場の臭いもバッチリ消臭! 」

 

 ゴフッ!

 エセエリクサー飲まされた時を思い出す。

 思い出させるなぁ!

 頭痛がぶり返して頭をかかえる。

 

 「焼肉の臭いでもこれで一発消臭!」

 

 うっと胃と口を抑える一兄。

 繊細だな一兄。

 よし、こいつ後で絞めよう。

  

 アイン殿下もピクリと動くのを感じた。

 己(おのれ)!

 護衛4、あとで袋詰め(マジックバッグ)して領都に返品。

 アイン殿下と一兄の様子を察知したツヴァイ殿下は護衛4を睨む。

 堕天使降臨か? 天使を怒らせたな。

 

 俺とツヴァイ殿下に睨まれて、はい? という疑問形な顔をする護衛4。

 空気読めよ、デリカシー枯渇してるのか?

 お前、モテないだろ。


 お前が来たという事は他にも元護衛騎士も来ているのか?

 …一兄と二兄の幼少の頃の護衛1・2(コードネームだよ?)とか?…。

 護衛4が入って来て開けたままの入口の先を伺っていると(元護衛騎士なら扉を閉める気遣いを見せろ)、嬉し気に護衛4が近づいてくる。

 

 護衛4、童顔の30代東域辺境伯領の普通に騎士。

 俺と似た配色のアッシュグレイに黒が混じる金眼の青年。

 ちょっと線の細い美青年風だが、こいつお調子者の脳筋。

 モテなくなる呪いを受けやがれ!

 

 って、それより…消臭剤…マジかよ!

 

 護衛4の手に握られる霧吹き。

 クラシカルなボタニカル柄の銀細工で覆われた透明な霧吹きの中に青っぽい液体が…消臭剤? 

 

 三男の趣味の園芸に使っている霧吹きに似ている。

 てか、ままじゃね?

 

 いつも葉っぱに虫よけ吹きかけている三兄(さんにい)の後ろ姿を思い出す。

 

 麦わら帽に作業衣で地べたに屈んでぶしぶし植物の葉っぱに…虫よけとかナメクジよけかけていたなあ。

 

 それ(ナメクジよけ)じゃねえよな?

 

 突然の闖入者にアイン殿下が何を思ったか、よろよろと起き上がり、王族の矜持とばかりにシャキッと座ろうと頑張る。

 ううっ! ロイヤル(健気な王子)!

 殿下ぁー! ウチのモン(ミネルバ家)に気を使わなくても大丈夫ですよぉ!

 ロイヤル(頑張って王子)しているのは分かりますが俺の膝の上に正座、座りにくくないすか。

 

 てか、何で正座?

 

 今だにふらついてるし。

 多分混乱しているアイン殿下の背中を慌てて支え、ひょいと膝の上からソファに普通に座して頂く。

 

 「このお調子者には気を使わないで大丈夫ですから! 」

 

 殿下方を侍らす俺を見て、両手に華ですね、と嗤うお調子者。

 ツヴァイ殿下がアイン殿下を支えようと殿下の横にしがみつくように座る。

 

 俺は黙って立ち上がり、護衛4に膝裏蹴り。

 お約束のヒザカックン! からの恥ずかし固め(笑)

 「いやぁぁあああ! 」

 この技、未成年禁止技だと記憶している。

 センシティブな画像をお見せして申し訳ありません殿下方。

 でも、俺ら成人男性!(笑) 外してみやがれ! ぐいぐいぐぐい!

 

 「こいつ学園に通うまでの俺の護衛騎士だった騎士です」

 恥ずかし固めのまま親指で軽く指さして紹介する。

 

 スン、とアイン殿下が座ったまま俺を見上げて眉間に皺をよせてる。

 

 「いい年したおじさんのじゃれあい? 」

 蔑んだ瞳で俺たちを見下すツヴァイ殿下、ちょっと癖になりそう。

 

 「いい年…」護衛4が恥ずかし固め以上のダメージをツヴァイ殿下の言葉に受けている…。

 兄上達も呆れて見てる!


 俺にもダメージ1000! がふぅ!

 

 からの立ち直り。

 俺まだ20代! 頑張れ俺!

 

 頑張れと己(おのれ)を鼓舞しても派手に動くと眩暈がする。

 俺も火事の影響が少なからず後を引いている。

 俺の顔色を伺って眉を潜めている護衛4。

 仕方ない、許してやろう。

 この後ニコライ閣下との会見が残っているので余計な体力使いたくない。


 俺の場合、騎士団の取り調べも結構きつかったからなぁ…。

 二兄の…副長と対立する派閥の、なかなか嫌味な奴らに尋問されたし。

 

 絡め手をといて何もなかったかのように、パンパンとお互い埃を払って自立した。

 

 おし!

 

 「こいつは大概礼儀知らずな所がありますが剣は俺とタメ張れる位強いですよ」

 部下は褒めて伸ばしてやろう。


 「いや、ディーオイレ坊ちゃん剣は中の下位で普通じゃないすか」


 ゴブっ!

 おい? 護衛騎士としての俺の立場は?

 

 中の下と言われてブチっとな、来たよ ちょっと黙れお調子者が!

  俺にダメージ2000!

 俺は西洋剣とかは苦手なんだよ、押し潰すとか力業で叩くとかがさ、片手剣とか日本刀ならもう少しイケるぞ! 

 あと、包丁使いも上手いと褒められた事がある。


 てか、兄貴と比べてるな? 兄貴は剣鬼と呼ばれる国で1、2の剣豪だぞ!

 片手、両手、双剣、刃物ならなんでも戦闘に使えるらしい。

 くそっ! これがチートか!

 

 護衛4の言い分にぷんすかする俺、と 護衛4を見比べて微妙なというか不思議そうな顔をするアイン殿下。

 

 そして、ちぃーすっと殿下方にも礼儀知らずの自己紹介、挨拶をかますこの男、勝手に俺に消臭剤を向けてきおった。

 

 ぶしぶし!

 

 俺に… いきなり不敬!

 

 「ゲオルグ坊ちゃん(三男坊)が開発した植物由来の消臭剤です」

 ドヤ顔で製品説明、これはまだ商品化していないものか。

 冒険者ギルドに売ったら売れそう。

 あそこ、ギルド全体が体育会系の部室の臭いがするからな。

 

 ぶしぶし。

 

 おい、こら! 

 

 「聖魔法で優しい成分に仕上げた植物成分メインで人体に影響なし、俺も制作協力してるっすよ 魔法のクリーンと同じ作用が得られる上にグリーンノートに隠しシトラスが香る、爽やかな香りが残ります ちょっとディーオイレ坊ちゃんで試してみましたけど、どうですか? 使いますか? 」

 

 確認を求めるように、ぶしぶし。

 

 「おい…」ちょっと止めろや、俺は実験台か! 

 と言いながら、消臭剤かけられるとちょっと元気になる?

 聖魔法(癒し)入っているとな?

 

 俺に護衛騎士がいたことが不思議なのだろうかじっと俺とミネルバ家の護衛を見比べる殿下方。

 

 あれ? 金の散る瞳の金が盛大に散っている?

 何視えてる?


 まあ、普通の貴族家なら四男ごときに護衛騎士なんぞつけないけどな…。

 

 ぶしぶし。

 

 興に乗って来たのかポーズを付けながら嬉し気に消臭剤をかけてくる。

 はいはい、好きにしろ。

 

 「ディーオイレ坊ちゃん……」ハシビロコウが呟く。

 「坊ちゃん…」虚をつかれてチベットスナギツネが降臨した天使も呟く。

 じっと俺の顔を見ながら坊ちゃん、坊ちゃんと何か納得するように呟く子供達。

 

 そっちか! はずかし言葉攻めか!

 お子様に言われるとク(・)ル(・)……くっ恥ずかしい!

 

 「…坊ちゃん…」俺の真後ろのバルトが笑いをこらえている。

 コ(・)イ(・)ツ(・)に言われると腹立たしいだけ!。


 みょんみょんが! お前も坊ちゃん呼び仲間だって知ってるぞ!

 

 俺に対する問いかけも、返事も待たずに護衛4が俺の頭にまでぷしぷし消臭剤をかけて来た。

 

 待てや! 直接人体にかけて平気なのか! 俺で実験か!

 

 消臭剤は確かにグリーンノートのような香りがする。

 直接頭にかけられたから匂うわ。

 先ほどから引きずっている火事場の臭いよりはましだが。

 

 ぶしぶし 俺に盛大にぶしぶししおって! 

 

 一瞬しけるが、そう煩わしい湿気ではない すぐ乾くし(笑)

 俺の肌に異常なし。

 おお、人体には大丈夫そう。

 

 俺ら二人の掛け合いを見ないように、頑張ってプルプル腹筋を抑えているところ悪いが殿下方の顔を自分の手で押さえて貰って液を直接吸わないよう、注意して消臭剤をぷしゅぷしゅしてみる。


 仕草が子供らしくて可愛いなあ、おい(笑)


 なんてことでしょう、殿下方にはグリーンノートよりシトラスの爽やかな香りがきらきらと舞い上がります。

 年齢によって匂い変わるのか?

 

 「おお! 聖魔法が入っているせいかきらきらしますねぇ」

 奇妙な現象に鷹揚な護衛4。

 

 俺の時にはなかったきらきらが殿下方に散っている。

 

 何でキラキラ?

 でも、うん かわいい 天使マシマシ!

 

 「聖魔法のクリーンで臭いが落ちるなら僕がクリーンかけてもよかったんですね」

 自分の服の匂いを嗅ぎながら微妙な顔のツヴァイ殿下 聖魔法持ち。


 「でもシトラスの香りまでは再現できないでしょう」

 鼻高々の護衛、そこ お前が自慢するところ?

 

 こいつ、ミネルバ辺境伯家内極秘事項だが、聖女の称号を持っている。

 

 マジかって? マジだよ(笑)

 多分聖魔法を消臭剤にいれたのはこいつだろう。

 普段はミネルバ家内で使う生食用の卵に聖魔法をかける内職もしているらしい。


 聖女とは……。

 

 教会にバレたら不敬って煽られるだろう、不敬っていうならコイツが聖(・)女(・)ってのも不敬だと愚考します。

 

 「気になる臭いが消えたなら、もう少し休んでても大丈夫ですよ」


 ニコラス閣下からはまだ呼び出しはない。


 アイン殿下をソファに寝かしつけるように背もたれ越しに頭を撫でる。

 アイン殿下に肩を寄せるように寄りかかるツヴァイ殿下もおつかれさまです。

 

 俺も…休みてぇ…。

 遠い目をしてしまった。

 

 皺にならないよう脱いだ上着はお調子者の騎士に渡せばハンガーにかけてブラシをかけるてくれるが、何故かきらきらが舞う。

 キラキラ…綺麗…?

 

 三兄…何作ったんだ? 消臭剤だよな?

 

 ツヴァイ殿下も自ら上着を脱いで部屋付きの侍女に渡している。

 その上着もやっぱりブラッシングするとキラキラが舞う。

 

 ついでに殿下方の髪やいろいろケアしてくれないかなと思っていたら二兄の元護衛騎士、護衛2(しつこいようだが東域辺境伯家騎士団内:コードネーム)がぞろぞろ使用人達を連れて来た。

 この人数、今回の国葬参加の為、領都から連れて来た人員全員か?


 国葬ギリギリで到着。

 

 何故かトビアス君と猫侍女が最後に入ってきた?

 え? 関係者扱い?

 

 何かの包みを抱えて挙動不審なトビアス君。

 

 巻き込まれての人見知り発動?

 それともミネルバ家の侍女の制服を着た女性が多いせいだろうか。

 まあ、いつもより大分ロイヤルな部屋だからな。

 いつものアイン殿下の部屋より豪華(笑)

 

 此処は元アイン殿下の母上が住んでいた後宮管理の離宮。

 ここで王子妃は亡くなり。

 アイン殿下達はそのまま此(・)処(・)に遺棄された。

 

 ニコラス閣下は、わかっていながらアイン殿下の後見となるミネルバ家にこの離宮を下賜したのだろうか。

 

 遠い目でベランダの外を見る。

 王宮の庭の向こうに王都が見える。

 高低差と城を囲む湖のせいで果てしなく家が並ぶように見える。

 

 世界はこんなに広々しているのに。

 アイン殿下達の世界は手にとれる箱庭の範囲しかない。

 

 部屋からぼんやり外の風景を眺めていたら結構な数の侍女、侍従、騎士が揃っていた。

 これでも両親と騎士隊隊長、護衛1がいない。

 うん、使用人達は両親が連れて来たなら大丈夫な人選だろうけど…多いな!。

 

 ミネルバ家の侍女服は踝までのスカートに黒のマオカラーのシャツに白のひらひらエプロン。

 今は喪中で白のエプロンが灰色になって腕にミネルバ家の紋章をつけている。

 もちろんまるっとフクロウの紋章(笑)

 ウチの紋章がコスプレ感満載。

 トビアス君のメイド服考察に火が付くぞ!

 というか、もう凄い観察している メモ帳に書きなぐる姿がすでに挙動不審な変態だ!

 

 トビアス君の所の猫侍女は胸元強調のフリルがついた萌え系メイド服だがウチのはイギリス風のお上品なビクトリア朝侍女服。

 王城は髪の毛の丸っとかくれる学校給食でつけるような三角錦のような帽子に胸元は白のレースと、膨らんだ袖、下まですとんと足元が隠れるスカートにおなかが隠れるエプロン。

 中世西洋史の挿絵に出てきそうな侍女服。

 トビアス君説によると18世紀ドイツ風のメイド服だそうだ。

 

 前に王城職員食堂でそういう説明をされたときのトビアス君のメイド服の知識と拘りが怖い。

 これが前世知識チートというものか、と 慄いた。

 その知識がメイド服とフィギュア作りにの(・)み(・)生きていないか? あと乙女ゲームの歩く設定資料集。

 今も袋を抱えながらミネルバ家の侍女達を観察・記録するトビアス君の情熱とメモ魔な姿が既に恐怖。

 

 何故かしれっと猫侍女がウチの侍女のあとについている。

 制服が違うからメッチャ目立つんだけど。

 

 「メイド喫茶のメイドさん…」

 猫侍女を見て また、護衛4がくだらない知識を口走りおった。

 

 メイド服の考察に考えを向けていたら護衛2(二兄の子供の頃の護衛騎士:コードネームは護衛2…まんまや!)他の騎士、侍従、侍女もぞろぞろ整列。

 騎士は皆、ミネルバ辺境伯の護衛騎士の式典用の制服に揃いの紋章入りの短いマントを片方の肩に居並ぶ。

 いつのまにかちゃっかり護衛4も騎士団の末席に並んでいる。

 強面騎士の肩にファンシーなふくろうの紋章…。

 

 別な意味でバルトが口を抑える。

 吹いたら部屋から出すからな、バルト。

 

 兄上達の元護衛騎士と両親の護衛やらでミネルバ家の国葬参加班 騎士、侍女、侍従全員集合。


 俺と兄上達も殿下達の後ろに整列、後ろで手を組む 騎士の正式な立ち姿。

 

 離宮の部屋の中は急ごしらえの割に落ち着いた白を基調とした上品なタイプなのに。

 軽やかな部屋の雰囲気をぶち壊した黒を基調とした筋肉共とやっぱり黒を基調とした辺境伯家の使用人達満載です。

 

 そして涼やかなレースのカーテンのかかるベランダの手前にミネルバ家の旗が半旗で専用スタンドに掲げられている。

 

 この離宮がミネルバ辺境伯領と同じ法的扱いになるという印。

 権限全て辺境伯当主たる父上にある、次席は惣領の長兄。

 

 まるっとした可愛らしい梟の紋章。

 考えたの絶対転生者だろ? 威厳よりもかわいらしさ重視なトコ。

 

 東域辺境伯騎士団がザッと並ぶとトビアス君は慌てて壁際へ避難 空気になる。


 まあ、一緒には並べないよな、貴族とはいえ民間人だし。

 挨拶は今更いいよ。

 殿下方と一緒に太ったマシュマロ(大福)食べた仲だし。

 

 この離宮で殿下方の世話、護衛をするだろう騎士が全て居並んだ所でごあいさつ。

 

 「王国の若き麦の穂たるアイン ドンナー ノイエクラッセ殿下、ツヴァイ レーゲン ノイエクラッセ両殿下に拝謁賜り恐悦至極でございます」

 と、ミネルバ家から連れて来た侍女、侍従、護衛騎士全員が頭を垂れ、ひざまづく。

 

 何故か猫侍女が侍女の後についてひざまづいている。

 トビアス君がゴフっと吹く。

 何事も経験だよ、トビアス君。

 

 これは王子方に挨拶する正式の文言(きまりもんく)。

 ノイエクラッセ王国のというかこの世界の頂点の女神はケレスティア(豊穣神、大地の女神、冥界の女神)は象徴として黄金の麦で表わされる。

 

 ノイエクラッセ王国の第1神はユースティティア。

 正義(ジャスティス)と天秤を咥える鷹と稲妻…色は金色 

 〈若き麦の穂〉は女神ケレスティア由来の言いまわしだ。

 豊穣を願う寿ぎのようなもの。

 国王陛下、王太子になるとまた呼び方が違う 面倒。

 

 アイン殿下、ツヴァイ殿下は連れ立って立ち上がり、頭を垂れるミネルバ家の使用人達の前に立つ。

 

 こうしてみるとマジモンの王子様だよ。

 いや、本物の第一王子と第二王子なんすけど。

 

 「アイン ドンナー ノイエクラッセ 第一王子だ」

 「ツヴァイ レーゲン ノイエクラッセ 第二王子」

 

 ハシビロコンドロール(魔鳥)のようなお顔ですがアイン殿下、シゴデキです。

 ツヴァイ殿下はかわいらしさ天元突破ですが、ある意味それブロッサムマンティス(花かまきり)的擬態です 天使ですけど要注意です。


 一兄が総領として殿下にご挨拶。

 「ミネルバ辺境伯家、ここにいる者達、誠心誠意を持って殿下方のお世話に勤めたいと存じます。」

 一兄は右手を心臓に当て、深々礼をする。

 「どうぞお心おきなく我らをお使い下さい」

 

 「面(おもて)を上げよ」

 アイン殿下が一歩前へ出る。

 先程までへばって丸まっていた子供ではなく、威厳と矜持を持ち、民を導く王族の顔だ。


 部下として、誇らしくもあり、子供にさせるには痛ましい姿。


 「皆には世話になる、弟のツヴァイと共によろしく頼む」


 今までこんな正当な身分の受け答えなどしたことがないのにご立派になられて…。

 ちょっと泣きそうです。


 まあ、この後のニコライ陛下やら元老院の出方では冒険者になるんだけどね。


 今時の王族はそんな丁寧なあいさつしないぞ?

 こうやって王子様仕様の殿下方を見ていると、なんで王位継承に物言いがつくか不思議だ。

 主にイチャモン付けて来てるのは第三王子派、北の国の息のかかった貴族共・元老院の一部。

 

 余りのアイン殿下に対する傍若無人さに王位継承権に対して辺境伯家三家は物言いを付けたのが今回のお家騒動拡大の原因。


 三家からというより自分(みずか)らは冒険者になりたいと宣(のたま)ったアイン殿下をこちら(東域辺境)にツヴァイ殿下と共に取り込みたい一兄の策略に二兄が面白半分に乗っかった結果。

 

 第一王子の王位継承に関する物言い。

 これは第三王子を擁立する側妃派の言いがかり。

 

 第三王子の王家継承に関する物言い。

 阿呆を傀儡の王にしたい派VS・阿呆は要らない派。

 

 王弟は他国の籍を取得しているとのことで王位継承権は放棄。

 しかし、王弟派は王位を諦めていない様子。

 王弟、オペル公爵は行方不明になる前から一部熱狂的な人望があったらしい。

 どんな人望?

 でも王弟のおっちゃん、行方不明中他の国で結婚して子供もいるらしい。

 やるな黒メガネの怪しいおっちゃんの癖に。

 

 他国籍のある人間は基本王位が継げない。


 その混乱と混沌を改善すべくノイエクラッセの守護とする女神の契約に基づき(建国神話)契約の色〈金 銀 赤〉を持つ者を四家から王位継承権のあるものとして招集されることと、元老院、貴族院で可決されて、今。

 

 尚混乱するんじゃね?

 

 元老院、創始の貴族家〈王家含む東西南北の女神の加護を持つ辺境伯、公爵家〉の中から、ニコラス閣下、元老院、貴族院の総意の元に、この選ばれた王位継承権を持つものの中から王位に就くものが選ばれる。

 …はず。

 

 一部下位貴族家から〈ノイエクラッセの、女神との契約の色〉による女神との契約とは如何なものかと問題になったりしているがな。


 いい度胸というか…歴史とか、政治とか勉強してから物言いを付けろや。

 

 というのがこれまでの経緯そして…。

 

 先王と元老院が各継承権持ちを呼び出し一か所に招集 王位継承権の採用試験みたいな面接を行う予定だった。

 

 しかしそこで〈ノイエクラッセの、女神との契約の色〉を持つ王位継承権持ちが襲われた。

 

 マジ、頭いてぇ…。


 今日から国葬が始まると言うのに。


 現在、朝、王宮への登庁には早い時間。

 国葬の1日目は夕刻。

 前世のお通夜の時間位か?


 俺、体力持つかな?


 


第一王子が王宮で生存戦略、ロイヤルなサバイバルで魑魅魍魎蔓延る王宮で生き残る話が第一王子の護衛騎士のディーオイレ ミネルバ卿らの魔法✖️転生知識チートvs転生物理知識チートの争いの様相を呈してきました。

何故?

ミネルバ卿:〈オレノカンガエタサイキョウノブキ〉です! 護身用に持って下さい!

アイン:ガコン!

両手で持ったのに重さに耐えられず床に落とす殿下。

アイン:……。

呆然とするハシビロコウ。

ツッコミ不在の周囲。

床に落ちた小型拳銃。

兵器戦以前に殿下の腕力が無かった。

お後がよろし……くなかった。

次回、ぴょんが再登場か?


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