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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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◎閑話休題 梟の野望は東の辺境から12

お読みいただきありがとうございます

閑話休題、次回から本編に戻ります

邯鄲の枕、胡蝶の夢 と言うのは夢の中で別の人生を体験したという物語です。

異世界転生ってこの話に似てるなと、フラグをブッこんでみました。

 ブッブツ立てまくったフラグをお楽しみ頂れば幸いです。 はい、ブッツリ ブツブツ。

 ◎胡蝶の夢 残心

  

 誰かと闇の中、手をつないで歩いていた。

 誰か分からない。

 大人の手だ。

 

 俺の足に合わせて歩いてくれる。

 お互いの顔も姿も分からないが、その掌だけは暖かく安心できた。

 すっと闇だったのに。

 世界が薄っすら明るくなったが、その先に進めない。

 

 「どうした? 」

 暖かい手のぬくもりの持ち主が声をかけてきた。

 知っているようで知らない男の声。

 父上でも兄弟でも俺の護衛騎士でもない大人の…。

 

 「護衛騎士が死んじゃった」

 俯くと微かに明暗があって自分の足が見えた。

 はだしだ。

 隣の人は靴をはいている。

 見たことないゴツイ紐で編み上げるやつ。

 男の足元に赤いものが落ちて来る。

 点々と…。

 「花…?」

 

 男は笑ってもう片方の手で頭をなでてくれた。

 でも男の顔はわからない。

 

 「護衛騎士が死んじゃった」

 また、くりかえす。

 

 殴られて、吐きそうに気持ち悪いのと痛いのとでふらふらしていたら首を切られそうになって…襲って来た男と護衛騎士とでもみ合いになって…刺された。

 俺を庇って刺された。


 目の前で動かなくなった。

 

 自分も何か、たくさん針を刺されたきがする。


 「一兄は長兄だから大事。」

 兄上の盾になる様、侍従や家庭教師に言われたから護衛騎士の次に俺がと前に出ようとしたら侍女が兄上と俺を両脇に抱えて走った。

 けれど、その侍女も倒れた。

 侍女を担いで俺と兄上を守ってくれていた護衛騎士は…。

 

 「気持ち悪い」

 男が屈んで頭をなでてくれる。

 屈んでも男の顔はわからない。

 

 「ぎゅっとしていいか? 」

 男は敵意がないというように両手を広げた。

 「それは彼女にやってあげなよ」

 襲撃された時一緒だった侍女は好きな騎士にそうしてもらうと元気が出ると言っていた。

 時期が来たら結婚すると。

 

 「兄上と兄上の護衛騎士と侍女はどうしたんだろう」

 いいとも何も言わないのに男は俺をぎゅっとしてきた。

 あたたかい…けど身体の中を風がふいているような感じ。

 血の臭いがする。

 

 「騎士と侍女は助けがくるように手当して置いてきた」

 抱きしめながら子供をあやすよう頭をなでてくれる。

 「流石にガタイのいい騎士と大人の女性と君の兄上を担いでは移動できない」

 

 そっか。

 

 「兄上はちゃんと連れて帰ったから安心しろ」

 「うん」

 

 ならいいや。

 消えても。


 「お前も帰ろう」

 男が俺を抱きしめながら頭を撫でている。


 ?


 「何処へ? 」


 男は抱きしめていた腕(かいな)をほどいて立ち上がる。


 何処へ行こうというのだろう。

 俺はきょんと男を見上げる。


 やっぱり顔はわからない。

 

 おっきい大人の男の人。

 つないだ手から赤い水がながれている。

 

 「君は帰るんだ」


 何処へ?

 

 「ミネルバ辺境伯家へ」

 

 「ディーオイレ ミネルバ」

 男は俺の名前を呼んだ。

 忘れていた、けどしっくりするから俺の名前なんだろうとストンと落ちた。

 

 夜明けの一刻のよう、世界に薄く光が戻る。

 それでも男の顔はわからない。

 

 そして手をつないで歩いた。

 風をつかんでいるような手。

 

 「君の兄のホーク ゲイガン ミネルバも」

 頭を撫でてくれる手のはずが風が撫でているように現実味がない。

 

 いや、元から現実味などなかった。

 

 この男も自分も。

 

 「君が担いで家に連れ帰ったパウル レオン ミネルバも君を待っている」

 

 長兄の名前だ。

 担いで帰ったのは覚えてない。

 記憶が曖昧でぼやけている。

 

 「君の護衛騎士は残念だったが」

 

 ふと目線が下に行く。

 

 魚の取り方を教えてくれた。

 釣りの穴場も教えてくれた。

 木の登り方も。

 拾った棒で剣術のまねごとをした時も一緒だったのに。

 

 そこだけはっきり思い出した。

 ああ、俺はディーオイレ ミネルバだ。

 

 ふと、誰かが男の反対の方から頭を撫でてくれる。

 

 「?」

 

 「騎士の最上位の敬礼を覚えてお墓に行こう」

 男は続ける。

 

 「花も持って行こう」

 やはり誰かが男の反対側から撫でてくれている。

 

 「皆が君を待っている」

 男は俺の手を引いた。

 「生き残ればもうけもんさ」

 また少し明るくなる。

 「大丈夫、だから帰ろう」

 

 手をぎゅっとされる。

 

 でもそれは前より儚げでふわふわした雲をつかんでいるようだった。

 

 「帰ったら、いつか あいつに聞いてくれ」


 誰に?

 

 「子供は助かったのかと」

 手が離れ、男とも距離が離れる。

 

 歩いている感覚はないのに 距離が離れていく。

 

 誰の事?

 

 子供って誰?

 

 「それと」

 

 その時、その言葉を吐く時だけ男の存在感が増す。

 

 「運営に気を付けろ」

 

 は?

 

 うんえい?

 不思議な音だった。

 

 音は分解されて記憶の底に沈む。

 そのときまで。

 

◼️◼️◼️

 

 気が付いたら部屋で寝ていた。

 「知らない天井だ」

 

 いや、家の客間だ。

 お客様に挨拶しにきたり、お客様の子供と遊んだことがある部屋。

 

 なんで自分の部屋じゃなくて客間?

 

 少し目がしょぼしょぼするのは寝起きだからだろうか?

 口がめちゃくちゃ乾いている。

 「牛丼…まだ残っているかな」

 おなかすいた。

 喉も乾いている。

 

 なんか管が腕から伸びている。


 凄く抜きたい。

 

 「お前、寝起きで牛丼かよ」

 聞きなれた声がした。

 「また暫くおもゆだってさ」

 

 二兄(にあに)だった。

 

 「え? おもゆって何? 今日一、二、三兄とで魚釣りに行く約束だったじゃん」

 二兄が水差しから汲んでくれた水の入ったコップを持ったまま固まった。

 

 なに? 俺変なこと言った?

 

 「俺の護衛騎士が教えてくれた穴場に行こうって 忘れたのか…」

 起き上がろうとしてぐらりと身体がまわる。

 

 「?」

 

 二兄がベッドで突っ伏してうごうごしている俺を助け起こして寝かせてくれた。

 「お前、三日寝ていたの覚えてないのか? 」

 「三日? なんで! 」

 俺の上でベッドに押し付けるように抑えている二兄が微妙な顔をしている。

 「てか、なんで俺の部屋じゃないの? 」

 客間のベッドは普通のサイズのベッドだ。

 兄弟みんなで寝られないじゃん。

 

 すうっと息を吸い込む二兄。

 何か覚悟を決めた顔。

 

 「お前の部屋に氷竜が飛び込んできて、退治したら部屋が滅茶苦茶になったので客室で寝ていたんだよ」

 

 「どらごん?! 」

 スゲー見たい! 死体でもみたい。

 

 「解体しちゃったからもうないよ」

 ちぇーー! っとぶーたれたら苦虫噛み潰したような顔で俺を見ている。

 「俺の部屋、なんで竜がツッコんできたんだ?」

 「知らん」

 

 にべもなし。 

 「美味しいものでもあったんじゃないか?」

 「俺? 」

 乙女のように両手を頬にあててみょんみょんしてみる。

 二兄は困ったような悲しいような微妙な顔をしながら水の入ったコップを渡してくれた。


 ウケなかった。

 

 ちょっとあったかい白湯だった けどちょっとあったかい所がおいしい。

 

 白湯を飲み終えて、ぷはーとしてたら二兄は空のコップを取り上げてサイドテーブルに置きながら、自身ベッドの上に上がって俺の顔を覗き込む。

 

 「ディーオイレ ミネルバ」


 ?


 「みんなフルネームで呼ぶよな」

 きょんと首をかしげて兄上を見る。

 

 二兄、美少年だよな俺に似て(笑)

 

 「みんな? 」

 「知らんおっさんとかが俺のこと『ディーオイレ ミネルバ』ってフルネームで呼んでさ。

 ?

  「「帰ったら、いつか 聞いてくれ」? って言われた」

 「帰ったら? いつの話だ? 」

 んーっと。

 「さっき」

 「さっき? 」

 物騒な顔の二兄、オウム返しに聞いてくるけど威圧もれてるよ怖いよ。

 

 「それで」

  「んーーー? 忘れた」


 ?


 だよな。

 わかんないよ、なんのことだか。

 

 二兄、俺の顔を両手でむにょっと挟むとじっと眼を覗き込む。

 「眼の色戻ってる」

 「?」

 わかんないこと言われた。

 

 「片方金赤の眼が元に戻っている」

 顎とかぐいぐい持ち上げないでくれ。

 「髪色とか戻っていないのに」


 「?」

 気配もなく二兄の護衛騎士も兄上の背後から俺を覗き込んでいる。

 

 視覚の暴力って侍女達がいってたのはこれかと思った。

 二人並べるとなんかキラキラしてる。

 キラキラ うざい。


 どうでもいいけど、ほんと顔むぎゅっとしないでくれ。

 

 兄上の護衛騎士はポケットから小さい鏡を取り出して俺に見せてくれた。

 護衛騎士が持ってた時は小さかったのに俺が持つとデカくなる?

 鏡のなかの俺は髪色が黒からアッシュグレイと銀と黒になっていた。


 はい?


 俺、兄弟達と同じ黒多め、メッシュでアッシュグレイが入っていなかったか?

 「ギャ―――一夜にして白髪に! 」

 「白髪でもねーし、一夜でもねー…似たようなものか」

 二兄は俺の肩に手を置くと盛大なため息をついた。

 「その髪色は色変わりだ、落ち着け白髪じゃねえ 一兄と父上と同じ配色だろう」

 二兄の言葉でちょっと落ち着く。

 「なるほど」

 しげしげと鏡を見る。

 父上と一兄と同じようなアッシュグレイと銀と黒のミックス。

 「三毛」

 ちょっと面白いと思った。

 「猫か! 」

 素晴らしいツッコミです二兄。

 そんな兄弟の語らいの中、二兄の護衛騎士がじっと俺をみていた。


 「ぴょん助」


 「?」

 なんですか?

 変な名前で呼んでおいて自分が傷ついた顔すんなよー。

 二兄が凄い不機嫌そうに護衛騎士を見ていた。

 「お前、おれよりぴょんに懐いていたな」

 「小さい子は皆可愛いです」


 変態だ!


 「俺、10歳」

 ドヤ顔で自慢する兄、カワイイと言われたいのか。

 13〜4に間違えられる、大人より鬼つよな兄。


 「そこ、自慢する所ですか?」


 俺、わからないけど。

 ぴょんとかぴょん助って何?


 「俺、嫌われてる? 」


 音がする勢いで二人が俺を見る。

 「みんな、俺が嫌いで影で変なあだ名つけて悪口言ってる? 」

 兄達を攻めようと言った発言なのに自分にダメージ入って泣きそうです。


 「一兄が生き残れば俺いらないって」

 だから悪口いわれるのか?


 二兄から殺気が飛ぶ、目が怖い。

 強いけど殺気飛ばすコントロールが出来ないって言っていた、兄弟で飛ばされるの迷惑。


 「誰がそんな事言った! 」

 怖いから二兄。

 ほっぺたむにむに痛いから!


 二兄、泣きそうな顔なのに怖い!

 泣きたいのは俺だから。

 なんか色々思い立って止まらなくなる。

 「本当に必要なのは後継だけだから、政略結婚にも使えない男子は肉壁にしかならないって…礼儀作法の先生とか侍従とかみんな言ってる」


 自分で言ったのに喉が詰まって嗚咽がでる。

 「だから一兄守って連れて帰って来た」

 皆(・)で(・)逃げるんじゃなくて

 一兄(後継)を守(・)る(・)為(・)、皆命をかけた。

 俺も。

 

 二兄の護衛騎士が控の侍女に合図すると侍女は一礼して静かに下がった。


 目から水が出てくる。

 泣いてない。

 泣いてないと思う程水が垂れ流しになる。


 「なんの騒ぎだね? 」


 父上来た。

 尚、水が垂れ流しになる。

 泣いてないもん。

 鼻からも水が垂れ流し。

 なんだか色々思い出して水垂れてくる。

 

 屋台のおっちゃんに串焼き一切れ貰って食べたり、闘技場で二兄に会ったり、殴られて身体強化かけて殴り返した。

 牛丼食べた、紅生姜が好き、一兄担いで帰ったら引かれた。

 針沢山刺されて気持ち悪い、俺のモンスターコレクションに潜るのもふもふして好き。

 なのに血まみればらばらになっちゃった、悲しい。

 兄弟が、父上、母上が、顔のわからないおっさんが頭撫でて……。


 「うわぁああぁああ!」

 どうしようもなく泣いた。


 泣くと色々な出来事が考えがまとまってストンと落ちた。


 父上も二兄も護衛騎士も皆戸惑って抱きしめたり頭撫でてくれたりした。


 記憶の統合性が取れるまで泣くしかない、と 誰かが呟き風が通るような手で撫でられた。


 「ホーク ゲイカン ミネルバ、設定(運命)は変わった、お前の物語はお前のものだ」


 頭を撫でてくれていた二兄手が止まる。

 目を見開いて何か別の生き物を見る様に弟を見る。

 

 「ディーオイレ?」


 二兄の手が躊躇する様に離れた。


 俺から知らない男の声が聞こえる。

 「運…うん…◼️に…」


 父上の手が強く肩を掴む。

 逃がさないと、護衛騎士が腕を掴んでいる。


 「…ぴょん?」

 少し俺から身体を離して顔を覗き込む二兄。


 「うん●」


 一瞬の空白 二兄の眼が点になった。

 SSレアな二兄を見てしまった。


 「誰か壺持ってこい!」

 沈黙のあと、一番に再起動したのは父上。

 「あと、先生と助手が隣で待機してるから呼べ!」

 次は壺の一言で現実に戻った俺。

 「トイレ行くぅ! ウォシュレット使う! 」

 ジタバタもがく俺を父上が抱き上げた。


 「ずっと寝ていたから立ち上がるのは危ないよ」

 父上は優しく言い聞かせているつもりだろうが今の俺にはそんな優しさはいらない。


 「上下水道完備って自慢してるのに何で壺なんか未だにあるんだよー」

 「これ、四(よん)だわ」

 しょっぱい顔の二兄が宣告する。

 「ディーオイレだね」父上も肯定。

 「ディーオイレ坊ちゃんですね」

 護衛騎士がうんうんと頷くが、一瞬寂しげに俺を見た。


 俺はオレ! 父上の抱っこ拒否で海老反りになりながら壺を否定する。


 泣くだけ泣いて無理無理トイレ行ったらスッキリした。

 何故か二兄が寝るまで手を握ってくれる。

 父上も付き添ってくれる。

 何故か二兄の護衛騎士が頭を撫でて二兄に手を払われていた。

 俺の頭の上でケンカしないで欲しいんだけど。


 凄く眠い。


 あれ? このひとになにかつたえようと……。



 

 ◼️◼️◼️

 


 ベランダから見える王都の空は晴天だか風はなく、掲げられた半旗はだらりと垂れ下がっている。

 

 明日から国王陛下の葬儀が始まる。

 

 騎士団統括局副長専用の執務室で昨夜領都から届いたミネルバ辺境伯家の紋章の入った兄弟揃いの喪服に着替える。


 弟のディーオイレにもミネルバ辺境伯家揃いの喪服を渡したので別室で着替えているだろう。


 本来なら騎士団統括局副長として騎士団の制服着用で葬儀の警備に当たる筈だった。


 弟のディーオイレに女神の契約の色が出ていなければ……。


 気がつけば、四男の瞳がま(・)た(・)色変わりしていた。


 第一王子の執務室である図書館資料室に暗殺者が大挙押し寄せて死にかけた後から眼鏡を掛け始めてたのは頭良さげに見せる為ではなく、瞳の色を隠す為だと白状させた。


 よんの癖に小癪な真似を。

 モテたくて眼鏡を掛けたという、くだらない言い訳を信じた俺にもイラッとする。

 

 ガン! と、エア壁ドンを足でしてみる。

 四(よん)を。

 そんなコトしてもヘラっと逃げるんだろうな、ア(・)イ(・)ツ(・)は。

 

 四年、家族にも隠していた。

 女神との誓約の赤と金と銀を持つ弟。


 その色を持つものを王家、辺境伯家から王位継承権のある者として出すように要請があり、当家からはディーオイレ、四男を出す事となったが むざむざ王家に弟をくれてやる義理はミネルバ辺境伯家にはない。


「そろそろディーオイレ坊ちゃんの所へ参りますか?」


 俺がエア壁ドンで壁蹴りをしていたのを止めもせず、にまにま見ていた俺の護衛が声をかけてくる。

 

 国葬の為の装(・)備(・)一(・)式(・)を運んできた俺の子供の頃の護衛騎士は、今やミネルバ辺境伯家の騎士団の幹部。

 「坊ちゃんは止めてやれ」

 ニンマリ、肯定だか否定だか分からない微笑みが性格悪くなったなと、昔を思い出された。


 今回、ミネルバ辺境伯家の一人として、ディーオイレの後見となる俺の護衛として葬儀に出席する。

 横ににまにましながら立つ騎士も子供の頃の四の護衛騎士。

 「懐かしいですね、悪(・)巧(・)み(・)年(・)長(・)組(・)そろいぶみで」


 「子供の頃なんざ皆同じ様にヤンチャなもんだろ」

 「いえ、ヤンチャな盛りだからとゴブリン大規模集落を子供だけで殲滅したりしませんよ?」

 昔の話を。

 腰のあたりのジャケットのシワを気にしてたら護衛がチェックがてら確認して直してくれる。

 そして微妙な顔。

 「坊ちゃん、武装し過ぎでは?」

 今武装解除されたら武器の小山が出来る自信がある(笑)

 ディーオイレの〈おれのかんがえたさいきょうのぶき〉シリーズ。

 便利に使わせて貰っている。

 

 『ホーク ゲイカン ミネルバ、設定(運命)は変わった、お前の物語はお前のものだ』

 

 ふと、昔を思い出す。

 ディーオイレの中にいた、弟の前世かもしれない男の言。

 俺の物語とは何だ?

 それなら自分の、弟自身の物語とは?

 

 「設定(運命)って何だろうな」

 別に誰かに答えを求めた訳ではなかったが…。


 「黒歴史っすか?」

 言い得て妙な答えが元弟の護衛騎士から返ってきた。


 「……」

 俺と護衛2にスナギツネが降臨する。


 …四(よん)のおかしな言動はコイツの影響ではないかと疑っていたが…今、腑に落ちた。


 聖女の称号を持つ、俺の護衛騎士が見出(みいだ)し、父上が四の護衛騎士にと抜擢した、もげた脚でも秒で繋げられると豪語する奇跡の脳筋。


 見た目、普通に筋肉マシマシの脳筋野朗なんだが…。

 

 その脳筋が屈託のない子供のような笑顔で宣言する。


 「そろそろ坊ちゃん迎えに行かないとま(・)た(・)暴走しますよ?」


 聖女の恐ろしい予言に俺らは急ぎディーオイレの元に向かう、やめてくれ。


 途中、護衛2が呟く声が聞こえた。


 「奥さん、事件の予感です」


 おい! フラグ立ててんじゃねぇよ!

  

この世界の物語では〈聖女〉は大人気です。

ドアマット聖女、腐聖女、戦闘特化聖女…。

密かにマニア受けなのが

皇国の銀の聖女と聖女に付き従う黒の護衛騎士。

と、思いきや黒の護衛騎士の方が聖女(男)!という話もあるそうです。

だから四の護衛騎士が脳筋童顔30男の聖女と言うのもアリだと愚考します。

次回から本編。

教会未登録 筋肉マシマシ脳筋聖女(男)が大活躍……するのか?


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