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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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48/56

◎不夜城 夜明け 開校! ノイエクラッセ王城小学校! ③

数ある物語の中から見つけていただきありがとうございます。

てへ。

お外の暑さとエアコンの効いた室内との差に眼鏡が一気に結露して真っ白になります。

東の辺境、冷房魔道具が充実していそうです。

ミネルバ卿の眼鏡も結露で真っ白になるのでしょうか…。

パキーン!

 お楽しみ頂ければ幸いです。

異物(バグ)は愚考する

 トビアス君(おとうさん)に丸投げしたい、と…。


 「よんちゃん…」

 バルトがおかしな顔で俺を見る。

 いいじゃん! 子供同士の呼び名なんて。


 「よんちゃん」

 バリエが面白そうに口を抑えている。

 「四番目だから? よんちゃん…」

 ツヴァイ殿下がによによしてる。

 何処が可笑しい? 八人も兄弟いるんだから長い名前なんざ呼び合うに不便だろーが!

 

 お前らだって次男坊だろ!

 ツヴァイ殿下も二番目!

 二人なら兄上だの弟呼びで足りるだろうが、コチとら八人分名前覚えるの大変なんだぞ!

 

  と言いつつ アイン殿下の関係者、次男多いな。


 あだ名呼びに、によによされで俺のメンタルがゴリゴリ鬼おろしで削られてる。

 ゴーリゴリゴリ。

 ずっとそのあだ名で兄弟に呼ばれていたので抵抗はない…けど。

 そんなにおかしい渾名か? 


 ゴーりゴリゴリ


 一兄(いちあに)が領都のお姉様方に呼ばれてる〈受様(うけさま)〉よりまし。


 …受様ってどいう意味?

 

 「兄弟仲いいんだね」

 

 ぽそり、と俯き加減のアイン殿下が呟いた。

 何故かアイン殿下推し次男坊軍団界隈が沈黙する。

 

 で、殿下ぁあああ!

 何故か書類ポンポン揃えながら凹んでいる?

 

 「兄上には僕がいます! 兄弟なんて僕一人いれば十分ですよね? 」

 ツヴァイ殿下がタックル即フォロー。

 酷いこと言いながら、しがみついている腕にぐりぐりデコをすりつけている。

 マーキングか?

 

 テーブルの向こう側で微妙な顔してる第四王子。

 

 彼も母親違いの異母兄弟…悪い子ではない…らしいので仲間に入れてあげてください。

 悪い噂というかそういう噂を聞いたことがないな、本好きはアイン殿下と同じなので話が合うかもしれません。

  

 ぐいぐい来るツヴァイ殿下に気を使ったアイン殿下が目配せしたので俺とツヴァイ殿下の席を入れ替えた。

 護衛騎士の立ち位置も変わるのでバルトも移動。

 すれ違いざまに二兄(にあに)がしれっとナニかを俺の手に押し付けてきた。

 

 太くて堅いモノを身体毎グイグイと…魔道銃、フォルスターごと身体の影で隠すように渡される。

 ゴツイ、銃身ちょっと長い感じ、硬質な金属の本体がナニかの神具ようだが、それでもフォルムはこの世界では異質。

 これは俺が前世を思い出す前の子供の頃に言い出した()()を錬金術師の工房が研究制作、10年以上かけて作られた。

 

 この世界にはない異物(バグ)

 

 銃器。

 

 魔導士が使う武器ではない。

 魔導士ではなくても使える戦う為の武器。

 剣士でも使える殺戮の魔道具。


 前世の記憶が湧いて出た時、領都の領主館 アヅチ城を思い出して〈ナニヤッテンダヨ前世持ちの先輩!〉と、あわあわしたが俺もきっと他の前世持ちに言われると思う。

 何、前世の銃器もちこんでるんだよー! と。

 其処(そこ)はすまない。

 

 一兄(いちあに)も魔道銃を持っていたのを地下会議場で見たな。

 銃身が短い手の中に納まるタイプ。

 少ない魔力で威力を増す武器。

 二兄(にあに)、いろんなもん持ち込んでいるな。

 

 「技術開発の工房長がお前が考えたんだから初号機はお前に渡せと持たせてきた、渡しておくぞ」

 ワザと耳元寄ってきて囁きやがった。

 ギャ――! 兄弟でセクハラ! いじめ?


 コレ、一番初めに考えたハンドガン 銃というよりハンドミサイル…の低威力版。

 よりによってドアをも粉砕するコレが初号機か!

 頭抱えた。

 

 俺より背の高い二兄(にあに)を見上げる。

 ニヤッと嗤う二兄(にあに)、なんだか凶悪さがにじみ出てるんすけど。

 悪い顔してますよ?


 「ちょーっとお聞きいたしますが」

 おずおず聞いてみた。


 「コレ、試し撃ちしました? 」

 「した」

 シンプルなお答え頂きました。


 ざわり 悪い予感。


 「感想は? 」

 にやり、悪い顔の二兄。

 「スッキリした」

 「? 」


 「だが、素材も跡形も無くなるのは困る」


 はい?

 跡形も亡くなったんすか。


 「技術開発担当が泡喰って威力調整三段階付けた」

 

 「お前が子供の頃考えてた〈おれのかんがえたさいきょうのぶき〉シリーズだってな」

 おぶぅ!

 「夢が叶ったじゃないか」

 

 ぎゃ――――!

 やめて黒歴史!

 

 「お前のスキル対応で最強の威力が出ると制作協力の猫が自慢げに言っていたぞ」

 試し撃ち、何撃った!

 「俺の試し撃ちだと崖崩れで何年も道塞いでた邪魔な大岩消し飛んだぞ?」

 ウエェェエ――――! 

 銃じゃね! それはハンド()()()()

 

 猫にまで〈おれのかんがえたさいきょうのぶき〉が、俺の痛い黒歴史がぁ!

 トビアス君の〈オレノヨメ〉シリーズを笑えないぃ!。

 というか、猫 何処にでも潜り込んで来るな? 車のボンネットを猫バンバンしないとダメか?

 車ないけど。

 

 そんな狼狽え悶える俺を見た二兄(にあに)が、頭に手を置いた。

 アイアンクローかましてくると、身構えたら撫でてきた。

 珍しい、熱ある?。

 

 「お前の回りって変なヤツ集まるよな、人望? というか類友か」

 

 ほめてない。


 撫でていたのがいつの間にか頭皮掴みになってる。

 面白がって頭クシャクシャにするなよー。


 一兄(いちあに)も面白そうに笑ってんじゃねーよぉ!

 

 俺は両手で顔を覆ったまま天を仰いだ。

 というより頭に置かれた手を払うためにブルブル頭を振りながら雄叫ってみた。

 

 「いいじゃん、類友! オレのカンガエタサイキョウノブキなんてオトコの夢じゃん! 」

 

 「類友って何? 」

 きょんと首を傾げる殿下。

 アイン殿下ぁ!


 …可愛い。

 

 俺は両手で顔を覆ったまま固まった。

 もちろん指の隙間からアイン殿下の可愛さは見逃さない。

 

 お約束のアイン殿下の質問ターイム。

 他の連中の疑問は後で調べるとか聞いてこないのに、俺の物言いで分からないことがあると直で聞いてくる 何故? そこに愛? 単純に調べても解らないからか、俺の前世由来のコトばかり聞いてくるなぁ。

 答えにくい質問ばかり!

 

 「類友とは〈類は友を呼ぶ〉という東の辺境でも格言を縮めた言い方です」

 東の辺境、なんでもアリ(笑)

 一兄(いちあに)がにこやかに説明する。

 「類とは同じような趣味趣向の友のことで、友達の紹介で似たような友達が増えるという話です」

 ふーんと兄弟で話を聞いている。

 ほのぼの。

 二人が並ぶとツヴァイ殿下の方が育っているのでちょっと兄弟逆に見える。

 

 そういえば東の辺境には前世で良く呟かれた異世界の言い回しが結構残っている。

 何故かな? どうしてかなぁ? 野良転移者とか未確認転生者とか多そうだな~ 卵かけご飯も東の領地の食堂にあるし?

 そこはかとなく流行ってます。

 卵かけご飯と納豆かけご飯。

 

 「東の辺境には面白い言い回しが多いですよ? 」

 ニコニコ分かりやすく話す一兄(いちあに)は子供の扱いが上手い。

 

 「東の領都で良く言う言い回しで

  鳴かぬなら鳴くまで拷問ホットギスギス

  鳴かぬなら魔獣のエサだホットギスギス

  鳴かぬなら鳴くまで監禁ホットギスギス

 というのもあります」

 

 「何ソレ怖い! 」

 マジな顔でツヴァイ殿下がビビっている。

 

 油断してたら一兄、それ子供にする話じゃねーよ。

 

 野望のヒトが言い始めたホトトギスの句だよな。

 気の長い●康と気の短い●長と人心掌握に長けた●吉の性格を表しているという話だよな?


 因みにホットギスギスは領都に春を告げに来る綺麗な鳴き声の鳥なんだが、番が決まると断末魔のような鳴き声になるという微妙な鳥。

 

 何故そんな話を…。

 暇つぶし? まだ来ないのかよ元老院と先王!

 兄貴達が東の辺境自慢始めちゃうよ!

 

 焦っていたらバリエがお代わりのお茶を入れてくれる。

 

 落ち着けと言いたいのか、三杯目(笑)

 

 何故か皆、護衛騎士が茶と茶菓子を用意している。

 子供を長い事じっとさせる為の対策?


 皆、色々な事に敏感になっているから各自で茶や茶菓子を用意していたる。


 そりゃそうだな、王位継承権を持つライバルたちが集まっている。

 

 側妃派から見たら全員毒殺対象なんだろうなぁ。

 最下位の第三王子の所に継承権が行くまで何人消さなきゃいけなくなったんだろうな。

 嗤うわ。

 

 しかし未だかよ、待たせるな主催の前王陛下。

 子供を大人しくさせているのは大変なんだよ。

 ほら、第三王子がジッとしてられないぞ。

 

 南の辺境伯の王位継承候補は三女のアマリア エア シュヴェールトヴ辺境伯令嬢。

 金の髪に赤がひと房、銀の瞳の13歳。

 第三王子と一緒の年代か。

 ツヴァイ殿下が眼が合ったと小さく手をふると笑顔で振り返してくれている。

 ええ子や。

 

 児童より落ち着かない第三王子はあちこちに喧嘩ふっかけている。

 落ち着けよ!

 

 今度は南の辺境伯家令嬢にふっかけておるのか。

 君の頭脳で勝てる相手ではないよ? 辺境伯家令嬢だぞ?

 

 第三王子にモラハラされても鼻で嗤うアマリア嬢。

 「女なんかを王位継承候補にして南の辺境伯家は何考えているんだ! 」

 そんな子供の内から男尊女卑かよ第三王子。

 あの〈俺は偉い貴族家の頂点でござい〉な顔した婿養子のじいさんの入れ知恵か?

 「女なんか何の役にも立たない、お前なんかに王位継承権はもったいない 帰れ! 」

 胃を抑えて聞いている白宰相、死に体。


 「学園で成績が()の下の其方よりマシだわ」

 扇を揺らしながら侮蔑の目線で第三王子を斜め見るアマリア嬢 恐いオーラが半端ないのに良くつっかかっていけるな、第三。

 

 「一姉様はもう結婚してますし、二姉様にもちゃんと婚約者がいて王位継承は嫌だと言ってました、三姉様はエリアス兄様が廃嫡されたら領地を継がせたいと辺境伯が教育してました、正義感強いし剣も強い、学園では毎学年トップの成績だったので三姉様なら王様、向いているかもしれません」

 こそっとツヴァイ殿下の解説。

 ツヴァイ殿下、南の辺境伯で可愛がられているようで良かった。


 が、不穏な情報 エリアスお前廃嫡されるようなことナニカしたのか!

 ショタがキモいとかシスコンがヤバイとか。

 わははは。

 

 アイン殿下もツヴァイ殿下の解説を聞きながらもアマリア嬢と第三の話を注視している。

 

 俺達の視線に気が付いて扇にぶら下げていた小さな人形をふりふりしている、が 若干後ろのエリアスの顔色が悪い。

 第三王子の旗色も悪い。

 

 ほら、ウチの姫様になんばしちょる? と後ろの護衛騎士がいきり立っている。

 剣の柄に手をかける南の護衛騎士、殺オーラが半端ないのに気づかない第三王子、その一触即発状態で令嬢に不敬働いたら本当死ぬぞ、止めろや。

 

 「我ら辺境伯家の継承の色持ちは元老院、辺境伯家の要請により招集されて来た」

 うんうん。

 「君にとやかく言われる筋合いはないと思うが? 」

 ハラハラ そやね。

 「創国の女神の盟約により辺境伯4家の色持ちが呼ばれたというのに何も色が入っていない君は何故此処にいるんだ? 」


 きょんと不思議そうな顔で小首をかしげて第三王子を見下げるる令嬢。


 ヅカの男役のような強気の物言いから可愛らしい令嬢の仕草をされるとギャップ萌え? 可愛いなぁ。

 

 何を言われているのか、色が入っていないと言われた意味が分からない第三王子はその場で反論もできず立ちすくしていた。

 

 令嬢がにこりと笑い、言いなおす。

 「もう一度聞くわ 継承の色も持たない貴方はどなたからこちらに来るように言われたのでしょうか? 」

 

 青ざめる第三王子側一同。

 キョトンとする第三王子。

 何時も一緒な側妃が居ない?

 誰に此処へ行けと言われたのだろう。

 

 そして俺もざっくりダメージ(笑)

 俺の色は色変わりのせい。

 後から変わった、いわゆるバッタモンだよな。

 異物(バグ)と言われているし(笑)

 丁度良いから来いと、兄貴ズに職員用食堂から引きずられてきた。

 流れ弾か!


 でも、バッタモンの意地もある。

 アイン殿下達は絶対守る、騎士の剣にと言うか。

 この拳にかけて。

 王位継承権など関係なく俺はアイン殿下を守る為に此処にいる。

 

 惚けた顔をしている第三、気を取り戻す。

 「そんな話は聞いていない! 俺は国王陛下と母上の子供で一番年が上なんだ! 」

 混乱したら母親の真似をすれば良いと思っているのか?

 「だから俺がこの国の次の国王なんだ! 」

 言ったもの勝ちみたいに豪語していますけど… 建国時の盟約も法で決まった規定も知らんのか第三王子?

 

 というか学園生、勉強しろよ。

 

アイン殿下の護衛騎士が不審者を捕まえた!

  〈鳴かぬなら鳴くまで拷問ホットギスギス〉

極悪な嗤いに口元を歪めるミネルバ卿。

前世由来のアレやコレ、色々知識があります。

怖!

  〈鳴かぬなら魔獣のエサだホットギスギス〉

バリエ、案外●長思考?

ミネルバ卿がオドらせてバリエがオトす……。

流石暗部の訓練だけ、受けた男。

  〈鳴かぬなら鳴くまで監禁ホットギスギス〉

バルト、面倒臭いんだな。

絶賛放置で心折るタイプ。

 次回、襲撃。

 アイン殿下! 前でちゃダメです!

 ウロチョロしたらダメなんすよー!

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