◎不夜城 夜明け 開校! ノイエクラッセ王城小学校! ②
お読み頂きありがとうございます
外見は子供、おめーらの中身はなんなんだ! というお子様大集合回、続いています。
しかしミネルバ家の面々は動じない。
伊達に子沢山ではない!
…お楽しみ頂ければ幸いです
◎ バグは開き直った!
なんで俺が王位継承権持ちで話が進んでいるんだろう?
俺と同様、とばっちりで王位継承権が飛び込んで来た辺境伯家の子供ら、殿下方と年令を合わせてたように見えるが継承権の条件、ノイエクラッセの〈色〉を持つ子供が南、北、東の辺境伯家から集められて待たされている。
ちょっとぉ! 呼び出しておいて待たされるって何?
まぁ、要約すると。
この国の建国より前にあった国が理由は不明だが滅び、女神達はこの土地が人跡未踏の空白地帯になるのを良しとしなかった。
故 このノイエクラッセ王国が建国された。
建国に係ったのは4人。
北の武人、南の商人、東の錬金術士、西の魔法士。
女神は建国の際この4人の中から西の魔法士を王に選んだ。
その時、この国に〈金、銀、赤〉の色を持つ者が王になるなら女神の加護を与えると、他3名にも同じ色と条件を出し北、南、東の守りを任じた。
女神の誓約に従い、もし西のノイエクラッセ家に王となる者が現れなかった場合、この色を持つ者を4家の中から選ぶのなら、同様の加護を与えると誓約。
「なんか微妙な建国神話だよな」
手元の資料にそのような内容の提案書が配られている。
古の盟約に乗っ取り、王位継承順位を決め、葬儀の席次とする…と、各国との個別の面会の席に出席出来る者の選定。
今日の会議の呼びかけは先王陛下と元老院のはず。
…そちらは誰も来ていない。
何故か宰相も。
大丈夫かよ元老院、年寄りばかりでボケたんちゃうか?
ごいん! と二兄に頭をはたかれる。
なんで頭ばかり叩くんだよお! 脳筋になったらどうすんだよー!
…元から脳筋だった。
「元老院、四家、他高位貴族家からの建国神話に基づく要請だ、舐めてかかると国王にされるぞ? 」
仁王立ちで前を向いたまま、二兄は答える。
ぎゃーーー! いやーーー!
絶対に嫌だ、だって今の状況じゃ不良債権の貧乏くじじゃないか、この国の王権なんて。
できればアイン殿下達にも継がせたくない。
殿下達は俺と冒険者パーティ組むんだーい!
てか、二兄…手を後ろで組んだまま、どうやって俺の頭をどついた?
知らん顔してんなよ、お兄ちゃんズ。
ドつかれた頭を抑えてちょっと涙目で兄二人をを見上げてみるが、知らんふりをされた。
ちくしょう。
いててと後ろ頭を摩っていたらアイン殿下がこそっとおしえてくれた。
「騎士団統括局副長、袖口に棒のようなものを仕舞っているのは護身用具なのか? 」
あ、それトンファーだ。
「棒に取っ手をつけたような武器です、二兄の刀以外での得意な武器です」
バラしてやる、てか見られてるから今更か。
「入口で剣を預けたので代わりに護身用具として持っているのでしょう」
なんで護衛騎士が剣を取り上げられる? 護衛の意味ないじゃん。
…護衛を無力化する必要って…なにかヤバイ気配がする、が元老院と先王の要請では断れないんだよなぁ。
兄貴達はそれを想定して暗器を仕込んで来た模様。
事前にこの会見が何かのたくらみの上に計画された?
ワナだと承知で参加しているのか?
俺らとアイン殿下の後ろの護衛騎士も色々暗器を仕込んでいる。
マジックバックは取り上げられなかったからのう。
剣を取り上げた位で俺らの戦力削げると思うなよ(笑)
「トンファーって、あれは二本組で両手で使うものでしょう? 」
ツヴァイ殿下が質問してきた、良く知ってるなぁ でも、兄貴に直接聞いてくれ…。
二兄が俺の後ろ頭に威圧をかけてきている。
ペラペラしゃべんじゃねえよってことかな?
兄弟に威圧かけてくるなよ…脳筋が育ってしまうぅ!
頭を抱える と、此処に連行される前のトビアス君との話を思い出す。
異物の俺が死んで今の俺の色がそのまま正常に二兄の色になっていたら、二兄がこの席に座っていたのか……。
そして乙女ゲームの攻略対象として運命に翻弄されてピンク頭のヒロインと色恋を語る腑抜けになるのか?
色恋に腑抜けた二兄…見たいような、見たくないような…。
ちらりと二兄を見る、また威圧かけられる えぇえー理不尽。
兄弟で一番強くて兄弟で一番頼れるお兄ちゃん。
真顔で侍女のスカート捲るノンデリカシー脳筋。
彼女婚約者なし。
一応俺よりイケメンでもてやがる。
兄弟からの信頼が一番厚い二兄が色ボケするとか…ダメだな二兄と一兄はミネルバ家の最終破壊兵器(笑)。
だったら…ボーナスゲームみたいな人生の俺がそっち方面を引き受けた方がいいんじゃね?
合理的に考えて。
ふと、項垂れる殿下を思い出す。
また殿下にすぐ死ぬと怒られるかな。
所詮異物だし…とか考えたらまたまた怒られそうだ、だけど……。
頭かかえた腕の隙間からちらりと隣に座るアイン殿下を見る。
眼が合う。
アイン殿下の赤い瞳の中に俺がいる、と少し気分がアガる。
乙女ゲームの異物ではなく、アイン殿下の護衛騎士たる俺が其処にいるということ。
ちょっと嬉しくなって、片方の腕を解いてアイン殿下の頭を撫でてみる。
「不敬」
いきなり頭を撫でられたアイン殿下がブーたれた顔をしている 可愛いなぁ一番下の弟のハッチーもブータレると年相応で可愛い。
「頂きました不敬」
にっかり笑うと反対の席のツヴァイ殿下が体当たりでドついてきた。
殿下方…理不尽です。
俺と同様、とばっちりで王位継承権が飛び込んで来た南、北の辺境伯家の子供ら、殿下方と年令を合わせてたように見えるが継承権の条件、ノイエクラッセの〈色〉を持つ子供として各家から継承者として権利を与えられた子供達がなにやってんだと胡乱な眼で視ている。
羨ましいかぁ?
北のベルント アンケ ノルデン辺境伯令息 超不機嫌そうに腕を組んで座っている。
昨日の晩、当主と一緒に王城に到着したらしいが、代々下賜されていた部屋がなくなっていると、俺ら東の辺境伯のタウンハウスに厄介になると転がり込んで来た。
当日ホテル予約は国葬前のこの時期は無理だよ。
まあ、ウチなら多少の無理は聞くからな。
北の当主の婦人は俺らの母ちゃんの従妹だし。
明日あたり東の当主夫妻もやってくるから楽しく話も出来るだろう…今後の対処の打ち合わせもな。
しかし、北の子供は俺らのじゃれあいを凄く胡散臭げな顔をして見ている…妬いてます?
建国神話に出て来る〈北の武人〉の血を引く盟約の色を持つ子供。
銀に金が混じる髪と赤目で扱い難しそうな不機嫌さがデフォルトのようなシロクマの子供。
白熊のようなデカい護衛騎士が付いている。
大シロクマが保護者?
まさか後ろの騎士が北の熊嵐の一党。
不遜な顔、鼻で嗤われたよ。
おっさん完全大白熊だよ! シロクマの子供の後ろに狂暴な熊嵐がいるよ!
流石〈北の武人〉。
シロクマにガクブルしてたらバルトがお茶と茶菓子を持ってきた。
お前…茶なんか入れられないだろう…と、アイン殿下に付き従うバリエは茶器と同じ絵柄のポットを持ち、執事のようににっこりと会釈した。
バリエは一応執事教育も受けているから茶も入れられる。
多彩だな、暗部にスカウトされたことがあるだけある。
俺の所に真っ先に持ってくるとは俺は毒見か!。
いっそだと、思い切りくびーっといただく。
無糖で。
菓子もまるのままで全種類バリバリ。
毒入りだろうとチョモチョモ喰えるかって。
え? な顔するバリエ。
お前が毒見を求めたんじゃないのか?
まぁ、普通なら毒見で一気飲みはしないがな。
「お前、東の辺境伯家からの王位継承資格者だと自覚しろよな」
二兄が憮然とした物言いで注意してきた。
あ。
忘れてたわ(笑)
会議前のお茶にマナー求めないでくれ。
と思ったら子供らが皆、俺を見ていた…。
俺、子供の規範にならなきゃいけなかったのか?
アイン殿下まで何やってんだという顔で見ている。
殿下?
そんな俺の肩を一兄が指でトントンと叩いた。
女顔の一兄、花がほころぶような笑顔でのたまった。
「よんちゃん、君が物言いをつけた王位継承権で、ミネルバ辺境伯家の代表として継承権争いに参戦するという自覚を持ちなさい」
一兄にまで注意された!
にこーっと腐女子を魅了する極上の天使の微笑み(と呼ばれているらしい…腐女子?)の一兄。
ま…まぶしい!! 兄弟間でも破壊力が凄い! 流石受様と領都の女子に噂されるだけあるわ。
てか、受様ってどいう意味?
イケメン! だけど俺は夏にパンいちでソファに寝転ぶ一兄めがけて二つ角カブトをしこたま投げ込んで怒られたことがある。
兄貴、暑いの苦手だから夏場は自宅でかなりだらしない格好してるんだよ。
なのに女の子達の前では王子様全としてて人気あるってなんだよ! と、嫉妬しました(笑)
あの時はめちゃくちゃ恐かった ドキドキ。
一兄、二つ角カブトが首を曲げるとき、首と背中の甲羅のつなぎ目が割れて中身が見えるのがキモいと、凄く嫌がっていたから、ちょーっとカッコ悪いトコ見たいと思ってなぁ…。
子供の悪戯ココロだったのに…。
この顔は、あの時の俺を締め上げる直前の悪魔の笑顔とちょっと似ていた。
あわわ。
ミネルバ卿は異物を自覚して暴走気味です。
人生やけ食いとか考えていそうです。
…其処はヤケクソじゃね?
バリエのツッコミ チームステゴロはそんな上司を暖かく、生温く見守っておりす。
フォローは求めないであげてください。
次回も説明回、姫様をサービスサービスぅ。
第二側妃もサービスぅうー! ん?




