◎interval 登場人物紹介という名の寸劇。②
お読み頂きありがとうございます
トビアス君、田舎で大学通いながらフィギュア作ってたら王都に拉致られ、悪ガキな護衛騎士や第一、第二王子達の世話をこまめに焼かされています。あ、猫の世話もか…合掌。
そんなトビアス君のグチを聞いてやって下さい。
トビアス君家のハーレム事情①
宵闇迫るノイエクラッセ王城の職員寮でソレを目撃してしまった人間にしてみれば、いきなりの蛮行だった。
「突入! 」
ガサ入れか。
何に突入か!。
ノックもそこそこに脳筋護衛騎士共3人はドカドカと王城内職員寮内、トビアス君の仮暮らしの部屋へ。
鍵、閉めてないのか!。
鍵位閉めろ、と注意喚起した方がいいなと愚考しながら脳筋護衛騎士に俵担ぎで運ばれる私は今、諦めの境地で此処にいた。
「なんで…」私の呟きが空しくドカドカという足音に消されていく。
私は第一王子なんだよね、何で俵担ぎされてトビアス君の部屋に突入しているんだろう。
「殿下と、俺ら脳筋護衛騎士の4人で突撃宿舎訪問ー」
♪パフンパフパフゥ~
「はーい! お疲れトビアス君に差し入れだよー」
何だ その鳴り物は。
厚かましい騎士共はあちらの事情もこちらの事情もものともしない。
「甘いのと辛いのどちらがお好……」
止まった?
騎士は言葉を切ってすばやく私を下に降ろし、目を塞いで後ろにくるりと回した。
「ま…まって! タスケテ! 」
絶え絶えに声が聞こえる。
トビアス君?
魔眼が制御範囲で勝手で状況を捉える。
今緊急事態じゃないのに?
鼻に血止めのガーゼを突っ込んだまぬけな顔で私達に手を伸ばすトビアス君。
「誤解だから! 」
「五階も六階もあるかーい! 」ビシッツ。
裏手でツッコむミネルバ卿。
デコも赤くなってるけど。
ナニゴト?
オレノヨメ猫侍女にソファで膝枕されて鼻血吹いるトビアス君が、がくりと侍女の膝に突っ伏す。
「……」
何ヲタスケルヒツヨウガ?
猫耳侍女にソファで膝枕してもらいながら、メリノ種羊の角を持つ胸部装甲厚めの侍女にお茶を入れて貰って、たれ耳犬種の犬侍女に…顏についた鼻血拭いてもらっている…。
ハーレム…。
「リア充爆ぜろ」バリエが鉄板の呪い発動。
…何が爆ぜるのだろうか?
「リーダーぁ私情は良くないよ?」
バルトが珍しく建設的な意見を述べる どうしたバルト!。
そして私情ましましで回りが見えてないのか? ミネルバ卿。
バルト、ミネルバ卿の首を容赦なく180度回転させようとする!
え? 必然、ミネルバ卿に目隠しされてる私もつられて締められてる イタイ痛い!
…ぜいぜい
気が付いたバリエが止めてくれた。
ありがとうバリエ シュピーゲルング卿。
そのついでにバリエがミネルバ卿の腕から私ををするりと解放。
バルトが曲げたミネルバ卿の首の先には魔法使共が正座している。
「いやはや若さですかな? 」
アイルの舎弟その1 ヨナス・バッハ氏は使い込んだ革表紙のノートを開き万年筆を構えている。
どこの記者?
師匠? のアイルは正座というより香箱座りでクッションを抱えて首だけこちらに向けてによによしている。
何かの集会?
■アイル ケッツヒェン 魔術師団 錬金術課の錬金術師
このあいだヨナス氏の上司になった(笑)
ケットシー族チュシャネコ科人猫目 年齢不詳
髪:白黒ハチワレ 眼:青金(ネコ目)
見かけは子供、中身はショタジジ 行動原理はねこ。
元冒険者 ミネルバ卿とパーティ名〈猫のきもち〉で活躍していた。
「猫のきもち…?」
「アイルがリーダー?」
「ゆるいパーティ名…」
「これでも実力SクラスのAランクパーティー」
「Sランク試験の前に二兄に連れ戻されたので」(笑)
自由と謎を愛する猫 好きなもの ちゅーるりら(ねこのおやつ)
最近猫の部下になったのは。
■ヨナス・バッハ 魔術院監督役 41歳
髪:ブラウン 眼:緑 黒づくめの如何にも魔法使いの風体のおっさん
家族構成:嫁と娘が一人、奥様と娘、溺愛
役所勤めの人間の住居が多い王宮西側の閑静な住宅街に一戸建てを借りて住んでいる。 元々は魔術院の研究者。
葬儀の為の魔術使用の監督として出向していたが、阿呆な上司があれやこれややらかして解雇 されてからの引き抜き、今は魔導師団所属。
ヨナス氏の人生一言で言うなら「理不尽! 」
魔導師団所属になり魔術院に監督役として出向中。
あちこち出向と称して飛ばされている不憫なおじさん。
戦闘不向きな研究者なのに軍の魔導師団にいるのも不憫。
そして軍属なので最低限だが軍事訓練がある…。
「おらぁ! 腕立て100回ぃ! そんな筋肉じゃ魔法攻撃できねーぞ! 」
「…しないから……」ぜいぜい。
※備考 魔術院:国の魔術監督研究機関。
黒ローブが制服。
魔導師団:軍所属の魔術研究開発機関。
襟の立ったインバネスのようなコートと帽子が制服。
おっさんが心折られるデザイン
「若い子なら格好いいけど俺が着るのはちょっと…」
ご丁寧にメリノ種侍女がヨナス氏とアイルが正座した床にお茶を配膳する。
床置き!
入口に固まっていた私達にも座れと顎でしゃくって合図する。
顎指示? 床に正座しろと?
私は一応第一王子…。
どうしていいか分からない時は堂々と威圧すればいいと宰相に教えて貰った。
ので、堂々正座(ビシー!)。
「トビアス君、侍女の教育は主人の仕事だよ? 」
ヨナス氏の横に正座したら、ミネルバ卿にそのままの形で持ち上げられ、部屋の中央奥に移動。
「殿下は一番身分のある方なので上座です」
慌てたトビアス君、平たい四角なクッションを置いてくれたので、その上にinされた…。
これは東の辺境でいうところの〈座布団〉
ちょっと感慨ぶかげにしていたらトビアス君が私の前で土下座した。
何故土下座。
「聞いて下さい」と トビアス君。
「廊下を歩いていたらこの二人にスケボー魔術で轢かれました」
それはひどい!
謝罪の現場だったのか、だったら土下座…アイルは若干違うな?
「注意したら移動方法の議論になって、そのまま僕、顔面打って鼻血出してるのにも構わずに二人に居座れて議論吹っ掛けられています」
だからか、好奇心満載のヨナス氏のノートと筆記具。
心なしか目が輝いている いつもは死んだ眼をしたおっさんなのに魔術のこととなると…。
「助けてください、せめて鼻血が止まるまで休ませてください」
鼻血、止まってるよ? それを私に懇願されても。
「ヨメ達に力業で排除させたらいい」
何故か私の斜め後ろ、バリエとミネルバ卿が正座で控えてる、ミネルバ卿両手で首を挟んでぐりぐりしながら無責任発言。
ついでに物騒!
というか、何故私達まで正座待機? 床に敷かれたラグの毛足が長くて気持ちいいけど。
「いや、そこまで力業は…」
犬侍女、すっくと立ちあがるとアイルの襟首持ち上げようとしてアイルに猫の威嚇されていた。
犬VS猫バトル勃発!
「待った!」
ミネルバ卿が割って入る。
ヒザ歩きでにじり寄った、流石護衛騎士?
「殿下の御前で暴力沙汰は御法度だ! 」
「ゴハットって何? 」
きょんとミネルバ卿と目が合う 知らない単語。
ミネルバ卿の発言には不可思議なものが多い、そして調べても分からないことだらけなので直接聞くことにしている。
ミネルバ卿、自分で言ってて固まってる ちょっと面白い顔してる。
トビアス君が何故か手で顔を覆って下を向いてしまった。
聞いてはまずかったのだろうか。
3秒でミネルバ卿、再始動(笑)
「御法度は東の辺境の更に奥の秘境の部族の言語で“やってはいけない”事という意味です」
眼が泳いでる…何故かトビアス君の眼も泳いでる?
ナニ? 東の辺境の更に奥って…。
「東の辺境にそんな秘境があったのか」
ツッコむバリエ、裏手ビシー!
「スケボーももしかして東の辺境の秘境の部族の乗り物? 」
すごいグリングリンと首を縦に振るミネルバ卿とトビアス君。
東の辺境って変わったものがいろいろあって…すごいな。
私の中ではパンイチの裸族がスケボー魔術でぶっ飛びながら踊って肉焼いている風景が浮かんで張り付いた。
とんでもない東の辺境のイメージのピースが集まり、嵌りつつあった。
「大丈夫か東の辺境伯家」バリエの独り言。
とミネルバ卿とトビアス君を見る ふぃっと二人共が別々の方向に眼をそらせる。
「トビアス君は面白いにゃん、スケボー魔術で移動の際、身体を固定するのではなく足元だけ固定して身体をスピードに合わせて動かすという発想面白いにゃん」
「魔法ではなく身体で方向指示を出すとか面白いよね」
にやりと嗤う猫。
「実演するにゃん」
香箱座りから上半身だけ立ち上げてゆらゆら揺れてスケボー実演。
「左に曲がるならこうかにゃ? 真っすぐにはどうするんだ?」
…そのポーズは私が想像していたスケボーとちょっと違う…?
裸で肉持って高速移動するミネルバ卿が頭をよぎる。
だめなやつ。
犬たれ耳侍女がチッチッチと人差し指を横に振ると、すっくとスケボーのポーズを取る。
腰だめで斜めに前と後ろに腕を伸ばして…猫に張り合ってるのか? 負けず嫌いか?
おおお! と野郎共から歓声が。
なんで歓声? しっぽ? ポーズを取るたび揺れる犬しっぽ?
あと、一部のニンゲン、屈んだ胸元みてる?
いつの間にかミネルバ卿移動、トビアス君の背後から両肩を抑えて一言。
「トビアス君、後で話し合いな」と。
トビアス君、めっちゃ眼が泳いでる。
ご愁傷様です。
■トビアス ベルトラム べルトラム子爵家長男 スキル:ゴーレムマスター
16歳 東域辺境領大学1年生(飛び級)絶賛休学拉致られ中。
髪:濃いめの金髪 眼:青 白い肌にそばかすが可愛いショタ枠。
頭脳は昭和のオヤジ、見かけは高校生。前世:引きこもりの子供部屋おじさん。
「今更だけど一応部屋代、生活費はいれてたんですよ」
と本人談 確認は誰もとれない。
東域辺境領 領都在住 ベルトラム子爵家の長男
父:行政官 母:専業主婦 妹:学生の3人家族
※備考:ゴーレム オレノヨメシリーズ・ヒトガタ3体
・亜人タイプ3体(猫、犬、メリノ種羊)
あひる隊8羽 ミネルバ辺境伯家お子様モデルシリーズ、プロトタイプ
私の冷めた眼差しが痛かったのかエアスケボー大会は即終了で。
いつのまにかあひる隊がそこらで自由にスイスイ動いていた。
あひる自由!
あひるの動き、これがスケボー魔術の神髄?
「あひる、母ちゃんに納品しなくていいのか? 」
ミネルバ卿は何も考えてない。
「納品はミネルバ梟隊バージョンを納品いたしました」
鼻血から立ち直ったらしいトビアス君エアスケボー大会後の自室でため息をついた。
〈ひょこひょこ隊列を作って歩く梟の子供(笑)〉
妄想爆誕、可愛くないか? あひる隊も間抜けで可愛いが梟隊もいいかもしれない と愚考する。
「辺境伯夫人がお茶会に連れ歩いて自慢されておりました、もふもふ~もふで可愛いと他の奥様、お嬢様方にも大絶賛されている模様です」
やけくそ感満載なトビアス君。
「聞きたくなかった…」ぼそっとミネルバ卿。
「ミネルバ辺境伯家ダカラ梟隊…」
微妙なバリエとバルト。
「そいやガキの頃、兄弟で街歩いているとおばちゃん達からよくそう呼ばれたな」
梟隊…?
懐かしいというのか遠くを見るミネルバ卿。
兄弟8人いるらしいから…ホームシック?
「肉屋台のおじちゃんが良く串焼き奢ってくれたんだけど、一本食べると夕食が入らないからって兄弟並べて順番にバラした串焼き口の中にぶっこまれたのがいい思い出…」
「それ、ひな鳥への給餌…」
バリエ、そこはツッコまない。
「話は横道にそれて民家に突っ込んだ感がすごいしますが…」
スケボーとかでか。
というか本当はスケボーってどんなもの? エアスケボーとかしていても誰も教えてくれない、本に載っているだろうか 後で宰相に聞いてみよう。
「俺ら何しに来たんですか? 」
バリエがぼそっと真顔で呟く。
「差し入れしながらフィギュアの制作進行状況の確認? 」
ミネルバ卿が軽く揺れながら手を振って応えた。
エアスケボー大会、参加したかったのだろうか。
あ! 皆が思い出したが、トビアス君は頭が垂れている。
「すみません、まだ本題の方が終わってなくて…」
「そちらも忙しいのだろう、急がない、私がわがままを言って見に来ただけなので気にしないで欲しい」
気にしないと伝えたはずなのにトビアス君が申し訳なさそうに私の顔を覗き込む。
鼻にガーゼを詰めたままで…。
私の魔眼を覗き込むようなもの好きは護衛騎士の3人と宰相位だったが、もの好きがここにもいたのか。
少し可笑しい。
彼はまだ大丈夫。
アイル氏もヨナス氏も大丈夫に見える。
まだ大丈夫。
その言葉で心の何処かにふたをした。
ふと、頭に柔らかい感触。
頭撫でられた 子供じゃないのに!
◾︎◾︎◾︎
画像挿入テストです
ミネルバ卿
intervalって何?
登場人物紹介って?
ツッコミ処満載で次回へ続く。
…続いちゃうんだ…




